中高年夫婦のセックスレスは約7割
割り切って、外でセックスを楽しむ――その心理とは。
一方で、「家族に迷惑がかからなければ、配偶者以外の異性と性的関係があってもかまわない」と答えた人も前回調査から倍増した。40~50歳代の男性の約4割がそう回答し、女性も約2割が同様に答えた。実際、自身が配偶者以外につきあっている人がいるとする人も倍増した。
セックスレスが進む一方で、「外に恋人がいてもいいのではないか」と思う人が増えているという実態がある。「ばれなければいいのか」と疑問視する声もあるだろうが、現実として、結婚したからといってひとりの人と性的関係を結び続けるのは無理があるとする人が増えているとしか思えない。
ひとりの人とセックスし続けるのは無理がある?
今年は年明けから芸能人の不倫の話題が大きく報道された。その後も、いろいろな有名人の不倫が立て続けに報じられ、まさに「不倫三昧」の1年だったように思う。だが、そういった報道が抑止にはなっていないという実感がある。芸能人が叩かれるのは気の毒だが、それをある意味で反面教師にしたり教訓にしたりしながら、世間ではますます不倫がはびこっていると思う。「夫とセックスレスになって10年たちます。3年くらい前かな、夫に『家庭内でしないなら、私はセックスを外注してもいいの?』と冗談交じりに聞いたことがあるんです。そうしたら夫は『どうぞ』と。うち、別に仲が悪いわけではないんだけど、夫は私とはする気になれないようで。その言葉が後押しになったのか、2年前から婚外恋愛をしています。もちろん、夫には言っていません。ばれないように細心の注意は払っています。でも万が一ばれたら、『あなたがしようとしないからでしょ。それにどうぞって言ったじゃない』と開き直るつもり」
サトミさん(42歳)はそう言って笑った。結婚して17年、ふたりの子を産み育てている間に自然とセックスが間遠になり、いつしかまったくなくなった。それでもいいと思っていたものの、40歳を目前にして枯渇していく自分に耐えられなくなっていったという。
罪悪感は覚えない
セックスレスで枯渇していく自分に耐えられなくなる既婚女性が増えている。
「うちもそうです。男性がよく言う話かもしれないけど、女だって同じ人とセックスするのは飽きるんですよね。しかも夫は生活をともにしている“家族”だから、どうしても生々しい行為はしたくなくなっていく。私は夫が外に性的なパートナーがいてもかまわないと思っているんです。おそらく、夫もそう思っているんじゃないかな。もう子どもも大きいし、共働きですから、お互いに夜遅く帰っても詮索しなくなりました。協力しながら子どもを育て上げて、あとは好きなように生きてもいいんじゃないかと思っています」
そう話してくれたのは、サチコさん(49歳)。特定の相手とつきあっているわけではないが、彼女は過去に数回、なりゆきで知り合いとホテルに行ったことがあるそうだ。
「特に罪悪感はなかったですね。むしろ仕事と家庭で疲れている私だけど、まだ女として見てもらえるんだわ、とうれしかった。個人的には濃い恋愛はめんどうだけど、遊びだと割り切れるならいいんじゃないかと思うんですよね。別の男性とそういう関係になってみると、結果論として夫との結びつきを再発見できたりしますしね」
夫とは気持ちがつながっている、だがセックスレスの関係。だからセックスは「外注」で―――女性がそう割り切れる時代になったのだと、ある意味で感慨深い。
ただ、当然、割り切った外注セックスをしている人ばかりではない。思いがけない恋心に戸惑うことになるケースもある。
「相手への思いが募ると苦しくなります。ただ、そういうせつなさも含めて恋をしているという実感がある。自分が選んだ結婚を壊さずに、外でセックスを含めた大人の恋をする。もちろん秘密は守った上で。それを誰にも咎めることはできないような気がします」
互いに家庭のある状況で5年つきあっているという40代の女性はそう言った。いいとか悪いとかで断罪はできない。来年もまた、「不倫」は話題にのぼるのだろうか。