新築ではなく「リフォームをして暮らす」というスタイルが、以前に比べずいぶんと一般的になってきました。それに伴って多種多様な背景を持つ事業者がリフォームの世界に進出していますが、ハウスメーカーもその中の有力な存在となっています。そこで今回の記事では、ハウスメーカーのリフォームについて最近の動向や事例を紹介しながら、他との違いについて四つの視点から明らかにしていきます。

まず、「他」について少し述べておきます。ここではこれをリフォームだけを専門にしている事業者、設備やその工事などを主とする事業者、このほか住に関連しない事業を行っている会社など、要するに新築住宅を副業とする事業者と位置づけます。

ポイント1 精度の高い提案力

さて、まず違いの一つ目はより良い暮らしを実現するための精度の高い提案力です。ハウスメーカー系のリフォーム会社はこれまでに新築住宅で培ってきた提案の蓄積がありますから、他と比べるとレベルに大きな違いがあります。

パナソニックリフォーム

「Panasonicリフォーム横浜」内にある3D空間提案サービスの様子。施主それぞれの設計図面を元にしたCG画面で、リフォーム後の住まいや暮らしを体感できる(クリックすると拡大します)

それが良く表れている事例を紹介します。パナホームでは、グループ企業の「パナソニックリフォーム」という会社がリフォーム事業を行っています。そのリフォームショップ「Panasonicリフォーム横浜」(神奈川県横浜市神奈川区)がオープン(12月17日)したので、取材してきました。

基本的には商談のためのスペースですが、リフォーム関連の雑誌が多数用意されていて気軽に利用できるほか、インテリアや収納などのセミナー・イベントも行われる場です。ここで私が興味深く感じたのが3D空間提案サービス。その特徴は以下のような感じです。

・施主の思いに沿った暮らしのイメージが分かるCGで提案
・照明演出のシーン切り替えをCGで体感
・ビフォア・アフターを360度でリアル体感
・お奨めの8つのインテリアスタイルを同じLDKで360度体感


CGによる提案は新築住宅の商談では珍しくありませんが、リフォームの世界では比較的珍しいものです。なぜなら、リフォームは新築に比べ施工費用が安いのが一般的で、営業費用をそれほどかけられないのが普通であり、ですからCGまで作って提案することは難しいからです。

この提案サービスでは、設計図面を元にCGを作成し、それを360度の視点で確認できるため、リフォーム後の住まいの様子はもちろん、そこでの暮らしをよりリアルに感じられるはずです。つまり、提案の内容と実際の暮らしがより近いということです。

リフォームを含む住まいづくりの難しさの一つに、イメージしていた姿と完成した姿に違いが生まれやすいということがありますが、それをできるだけ解消することを目指しているのがこのサービス。他にはない安心感を感じられるはずです。

照明器具も製造しているパナソニックのグループ会社らしく、その違いで部屋の雰囲気がどのように変わるかということもこのサービスで確認できます。照明も住み心地の良さを左右する大切な要素ですから、それがどのように空間に影響するのかを事前に確認できるのも良いことではないでしょうか。

なお、このリフォームショップは横浜を含め16年度に首都圏で5ヵ所設置されるとのこと。より良いリフォームを、より納得したかたちで行いたいという方にとっては、訪れる価値があるのではないでしょうか。

ポイント2 提案のバラエティの豊富さ

さて、ハウスメーカーとその他の違いの二つ目は、リフォーム提案のバラエティの多彩さと内容の濃さです。その事例として、セキスイデザインワークスによる「うちそとジム」というリフォーム提案があります。

セキスイデザインワークス

セキスイデザインワークスによる「うちそとジム」の施工事例。この他にロッククライミングが楽しめる部屋も用意されていた(クリックすると拡大します)

同社はセキスイハイム(積水化学工業住宅カンパニー)のグループ会社で、うちそとジムは「健康寿命を延ばす」ことを目的としてしたもの。健康寿命というのは医学の世界で最近よく使われるようになった言葉で、一般的な寿命とは区別され、身体的・精神的に健康な期間を表します。

要するに、リフォームに住まい手がより気軽に住まいの内外で体を動かせる環境を作り、できるだけ長く健康な暮らしをおくれるようにする目的があるわけです。こう書くと簡単に思われるかもしれませんが、実はそうでもありません。

右上の写真はマンションで施工されたものですが、マンションの場合は下の階や隣の部屋への音の問題など、様々なことに配慮する必要があります。また、自宅でやることですから安全面への配慮も必要になります。つまり、住まいづくりで培った技術やノウハウが強く求められるわけです。

また、単に設備や器具を取り入れるだけでも不十分。皆さんの中には健康器具を購入した経験がある方も多いと思いますが、すぐに飽きてほったらかしにしている方も多いと思われます。それは健康器具を使うためのモチベーションが続かなくなるためです。

ですから、このリフォーム提案ではスポーツクラブなどを運営するセントラルスポーツとの提携し、そのノウハウを活かして、皆さんの趣味など合わせて長く運動を続けられるような工夫が施されています。他にこのようなリフォーム商品があるか私は把握していませんが、一般的なリフォームと比べて提案の内容の充実度がより高いと思われます。

ポイント3 施工力と品質

違いの三つ目は施工力と品質です。その一つの事例として紹介するのが、積水ハウスグループ積和建設が展開するマンションリフォームブランド「リノベッタ」。これはプロダクトデザイナー・日本インテリアデザイナー協会理事長の喜多俊之氏がデザイン監修したものです。

積水ハウス

積和建設のマンションリフォーム「リノベッタ」はプロダクトデザイナーの喜多俊之氏が監修。写真はその施工事例の一つである組立式和室「障子結界庵」(クリックすると拡大します)

この中で注目すべきなのは積和建設の存在。この会社は、積水ハウスの戸建て住宅や賃貸住宅などの施工を担当する会社で、全国で事業を行っています。つまり、住まいづくりについての技術やノウハウが豊富なのです。

リフォーム業界には様々な事業者がありますが、結局のところ工事をするのは建設会社や工務店など。しかし、その中には施工技術が優れている会社ばかりであるとはいえません。積和建設の場合は、高い品質を売り物にしていることで定評のある積水ハウスグループですので、比較的安心感があるといえるはずです。

最近は施工をする大工さんや職人さんを確保するのが大変難しい状況で、それにより施工ミスのほか、予定工期が遅れるなどの事態が発生しやすくなっています。安定的にリフォーム工事をする人を確保できるという点も積和建設の優れた部分で、これも施主にとっての安心感につながるのではないでしょうか。

なお、リノベッタはマンションを対象としていますが、積和建設では一般の戸建て住宅のリフォームも行っています。ちなみに、積水ハウスの施主に対するリフォームは「積水ハウスリフォームグループ」が行っており、リフォーム業界で最大規模の事業規模を誇っています。

ポイント4 総合力の高さ

四つ目は総合力による安心感です。前述しましたがリフォームには様々な事業者がおり、その中には悪質な事業者もいないとは限りません。例えば、シロアリ駆除を専門にしている会社が、大きな被害もないのに被害を騙ってリフォームを勧めてくるなどということもあり、トラブルが発生しています。

大和ハウスリフォーム

大和ハウスリフォームの床下点検ロボット「モーグル」。映像を撮影できるため、施主も一緒に床下の問題箇所の有無を確認できる(クリックすると拡大します)

そうした中で、大和ハウスグループのリフォーム会社である大和ハウスリフォームでは、インスペクションサービスに力を入れています。これは建物の健康診断のようなもので、屋根や外壁、基礎、床下などの劣化の状況を確認し診断書を発行するというものです。

例えば、床下については点検ロボット「モーグル」を独自に開発。これにより、施主も一緒にシロアリ被害の状況を確認できますので、より安心してリフォーム工事を依頼することができます。

一言でリフォームといっても様々なニーズがあります。例えば、キッチンやバスなどのリフォームもありますが、住まい全体のリフォームを必要とするケースもあります。後者のようなケースでは、大和ハウスリフォームのような総合的なノウハウや技術が必要であり、それがリフォーム工事後の暮らしに安心感をもたらしてくれるはずです。

大和ハウスリフォームのみならず、今回紹介したハウスメーカー系のリフォーム会社の場合はそうした総合力という点での強みが最も大きな特徴といえます。もちろん、ハウスメーカー系の中にも得意・不得意、個性がそれぞれあります。費用なども重要な視点ですが、リフォームにはそれ以外に注目すべき点があるということを今回の記事で理解していただければと思います。


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