亀山早苗の恋愛コラム/亀山早苗の恋愛情報

やっかいな嫉妬心と独占欲に苦しむ女性たち

嫉妬にかられ、相手を自分のものにしておきたいという身勝手な理由で起こった殺人事件。恋愛において嫉妬や独占欲は確かにやっかいなものではある。彼を好きすぎて、自分の中に生まれた嫉妬心に苦しむ女性たちもいる。いったいどうやって、自分の中の嫉妬や独占欲と戦っていけばいいのだろう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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嫉妬や独占欲はやっかいだが、恋愛にはつきもの

他の人に取れらるくらいなら……という嫉妬や独占欲

事件にまで発展しなくても、「他の人に取れらるくらいなら……」という、やっかいな嫉妬や独占欲は恋愛にはつきものともいえる

栃木県で、8年つきあっていた恋人を男性が殺してしまうという事件が起こった。女性のほうは周囲に別れたと言っていたようだが、男はまだつきあっている、あるいはそう信じたいという思いだったのだろうか。

「他の男にとられるくらいなら殺してしまおうと思った」
男はそう供述している。

恋愛においてやっかいなのは、こういった嫉妬心や独占欲だ。
「好きだから自分のものにしていたい」
「他の異性と仲良くするなんて許せない」


事件にまで発展しないまでも、男女ともにこうした感情がわき起こるのは、ある意味で当然ではある。大好きな人なのだから、自分とともにいることが相手の幸せにもなっているはずだと信じたい。もちろん、相手が自分の元から去っていくなどいうことは考えたくもないだろう。


我慢したあげく爆発する女

あんなちゃらい男はやめたほうがいいと言われ続けても、我慢していたが……

あんなちゃらい男はやめたほうがいいと言われ続けても、我慢していたが……


恋愛に夢中にならず、淡々としている女性たちが増えてはきたが、やはり今も「恋愛命」「彼がすべて」という女性も少なくない。

「3年つきあった人がいるんです。彼のことが大好きでたまらなかった。でも彼のほうはどこか軽くてちゃらくて、なかなか連絡がとれなかったりデートをドタキャンされたり。友だちはみんな『あんなダメ男と別れたほうがいい』と言ったけど、それでも私は彼が好きで……」

そう話すのは、カオルさん(32歳)だ。同い年の彼と半年前までつきあっていた。

あるとき、なかなか会えない彼を訪ねてみると、いる気配はあるのに出てこない。ドアをどんどん叩くと、彼がようやく顔を覗かせた。チェーンはかかったままだ。ドアの隙間から女性の靴が見えた。

「そこで私、とうとうキレてしまったんです。無理やりドアを開けさせ、中に踏み込むと半裸の女性がベッドにいた。彼女に殴りかかって……あとは覚えてないんです。気づいたら部屋にひとりでいました。テーブルの上に彼の携帯電話があったので、徹底的に調べたら、けっこういろんな女と浮気してた形跡があって」

頭に来て、彼の友だちに連絡をしまくった。彼が行きそうな店にも電話をかけた。

「彼の友だちに、『それでもカオルが本命なんだから、いいじゃん』と言われて、ますます頭に来て。私はそのとき初めて、彼にもっと大事にされたかったんだという自分の心の声に気づいたんです」

女友だちは、あんな男はやめたほうがいいと言い、彼の男友だちは「彼の本命はあなたなんだから浮気くらいいいだろう」と言う。このあたり、恋愛における男女の齟齬があるようだ。

「結局、彼とは別れたんですが、別れ際に彼が、『カオルがずっと文句を言わなかったから、オレのありのままを受け入れてくれているんだと思ってた』と言ったんです。最初から浮気はダメ、私だけを見てと言わなかったから、自分のちゃらい生き方を私が認めてくれると思っていたみたい。なんだそれ、と思いました。ただ同時に、我慢しつづけて爆発すると、確かにそこで終わりが来てしまうとも感じた。嫉妬は小出しにしておいたほうがいいのかもしれません」


根拠なく束縛する女

一方、根拠のない嫉妬で自滅するパターンも。

一方、根拠のない嫉妬で自滅するパターンも。


「私は自滅しました」

そう言うのは、ハルカさん(30歳)だ。彼とつきあい始めて半年ほどたったとき、「あまりに彼が好きで幸せで」不安になった。このままでいいはずがない、きっといつか不幸になる。そんな思いにかられてしまった。

「幸せ恐怖症なんでしょうね。あまり幸せな恋愛をしてこなかったので、相手がいい人でいい関係が続いていると怖くなってしまう。それから彼に『本当は私みたいな女としても楽しくないと思ってるでしょ』とか、『本当は他に好きな人がいるんでしょ』とか、嫌みなことばかり言って……。最初は『オレはおまえが好きなんだよ』と言ってくれていた彼も、そのうちうっとうしそうな顔をするようになりました」

あげく、ハルカさんは彼に会えない夜は、ひっきりなしに彼に電話をするようになった。どこにいるの、何をしているの、いつ帰るの……と。これでは彼の気持ちも休まるときがない。

「どうしてそんなにオレを信じられないんだと彼に言われたこともあります。今思えば、本当にそうなんだけど、そのときは『彼には他に好きな女性がいるに違いない』という妄想にとりつかれていたんですよね。こんな素敵な人が私なんかを選ぶはずがないと思い込んでいた」

自己評価が低すぎると、こういう思いにとりつかれることは確かにある。


正しい自己評価はむずかしいけれど……

結局、嫉妬や独占欲は自己評価との関係が深いのだろう。疑いがあるなら、きちんとぶつけてみればいい。素敵な彼が自分を好きだと言ってくれたら、それを素直に受け止めればいいだけのことなのだ。だが、自己評価が低すぎるとストレートに気持ちを表現できなくなる。

「こんな私を彼が好きでいてくれるはずがない」「こんな私は我慢すべきなのだ」と思いがちだから。

冒頭の事件を起こした男も、「他の男にとられるくらいなら殺してしまおうと思った」という言葉の裏には、もしかしたら自己評価の問題があるのではないだろうか。

自分を客観的に評価することはむずかしい。しかも、恋に嫉妬や独占欲はつきものだ。ただ、それを自分でコントロールできなくなりそうになったら、他の人の助けを借りてでも、まずは相手を解放することが先決だ。他人を傷つけていい権利は誰も有していないのだから。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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