奈良先端科学技術大学院大学は、学部のない純粋な大学院だけの大学だ。最近、学部3年生から就職活動をする学生も多いが、4年間じっくり研究をし、さらに大学院へ進む道もある。さらに研究を重ねる上ですぐれた実績を残す、奈良先端科学技術大学院大学を今回は取り上げてみよう。
「大学知的財産本部整備事業」事業評価で全国1位
大学知的財産本部整備事業評価で東京大学や京都大学を抜いて1位にたった奈良先端科学技術大学院大学
そもそも「大学知的財産本部整備事業」とは何か。文科省によると、
「大学の知的財産の創出・管理・活用という、新たな機能を着実に実施するための体制を整備し、知の活用を新たな知の創造にまで結びつけるという『知的創造サイクル』の実現を目的とするものである。このため、安定した体制が整備され『知的創造サイクル』が実現するまでの、5年間の継続的な支援を前提に43件の計画を推進し、事業の効率的・効果的な実施のために、事業開始から2年後の平成17年7月に中間評価を行ったところである」
としている。簡単に言えば、産学官の連携研究がどの程度進み、成果をあげているかということである。
評価の項目は、以下の5項目。
- 当初事業計画及び中間評価結果を踏まえた知的財産の創出・管理・活用体制の基盤整備に関すること
- 整備による効果・成果に関すること
- 体制整備から得られた蓄積に関すること
- 他大学への成果の普及に関すること
- 体制整備の将来像に関すること
それぞれの項目が4点ずつで合計20点満点で、19点。例えば東京大学は18.4点、京都大学は17.4点であるから、いかに高い点数かわかるだろう。産学官連携(自治体や企業と大学との協力関係)を具体的に数値として表したものだ。高い評価を得た大学に対して、評価が低い大学の間で評価方法に対する不満もあるのは事実だが、目に見える形で研究機関の成果を比較していこうとする素晴らしい試みだろう。