統計的に気象庁発表の天気予報の的中率は80%程度といわれており。残る20%は観天望気から予知できる場合が多いとか。海上においては現在でも重要視されているようです。(Wikipediaより)
今では科学的な情報・技術も進み、その重要性は薄れてきましたが…… 田んぼの雨蛙に耳を傾け、枝を揺らす風を眺め、夜空の星に目を凝らす。田舎暮らしでは「観天望気」。何と言ってもコレでしょう!
田舎の「春」の天気予報術
■スズメが朝早くからさえずる時は「晴れ」日の出の少し前に目覚める習性があるスズメたち。晴れている場合、スズメは太陽光の刺激をたくさん受けることになり、曇りや雨の日よりも早い時間帯から盛んに鳴き始めるとか。また、太陽がきれいに見えることで日が昇ったことがハッキリわかり、スズメが一斉にさえずり始めるのだとも言われます。
■茶碗のご飯粒がきれいに取れると「雨」くっ付くと「晴れ」
ご飯粒は湿り気に敏感です。茶碗のご飯粒がすぐに取れるのはかなり湿度が高い時で、雨が今にも降り出しそうだったり、すでに雨が降っている時になります。反対にこびり付いたご飯粒がなかなか取れないのは、乾燥した空気のせい。お茶漬けの後、茶碗がキレイなのもこの原理ですね。
田舎の「夏」の天気予報術
■雨蛙が鳴くと「雨」ご存知、観天望気の代表的お天気お兄さん(ちなみに、オスしか泣きません)。皮膚が薄いため湿気や気圧の変化に敏感で、天候の変化にいち早く反応して鳴くことから「雨鳴き(あまなき)」「レインコール(Raincall)」とも呼ばれています。愛知教育大の調べによると、蛙が鳴かなかった時、翌日に雨が降った割合は11%。よく鳴いた時の翌日に雨が降った割合がは35%という結果が出たとか。
■花多ければ「大風」
「桐の花多ければ暴風雨の兆し」「ナシの花よく咲く年は大風、大雨」「カボチャの花多ければ大風」等々、花が多く咲く年は大風に気をつけよという「観天望気」は多い。これらは暴風に見舞われるような年には、それに耐えるように花着きが多くなるという考えから言われ出したようです。沖縄にも「でいごの花が多い時は台風が多く発生する」という、伝承が。
田舎の「秋」の天気予報術
■鱗雲が出た翌日は「雨」または「風」澄み切った秋の青空に見られる、魚の鱗や群れのように白い斑紋や波紋のような鱗雲(うろこぐも)や鯖雲(さばぐも)。低気圧の前面によく現れる雲であり、移動性低気圧が近づいている事を意味しています。その規模や移動速度にもよりますが、半日から1日ぐらいで次第に天気が崩れることが多くなります。
■三味、太鼓の音が濁るのは「雨」の兆し
祭りが多くなる田舎の秋。三味線や太鼓の響き渡る音が濁っているときは、次の日に雨になることが多いという「観天望気」です。空気中の湿度が高くなると、三味線の弦や太鼓の皮などが膨らんだり縮んだりすることで、微妙に音色が変化します。空気中の湿度が高ければそれを吸って重たくなり、低い音く濁った音となります。
田舎の「冬」の天気予報術
■カモメが里近く来て鳴けば「荒れる」カモメは普段は海岸で風に乗っていたり、岸壁で休んでいたり、海の魚群の上で旋回していますが、風が強くなり海が荒れ始めると、海から陸へと避難してきます。それで、カモメの鳴く声が里近くで聞かれるようになれば、やがて低気圧が到来して大荒れになるとという予想が立てられるようになりました。
■炭火がよく燃えるのは「晴れ」
炭を使って煮炊きしていた時代のことわざ。木炭には目に見えない小さな穴が空いており、この穴が水蒸気(湿気)や臭いなどを吸着する働きがあります。着火しやすいのは、空気が乾燥しているということ。特に冬の晴れの日は大陸性高気圧に覆われているため、西からの風と乾燥した空気が特徴になります。
昔ばなし?迷信?そんなのノープロブレム!雨が降ったら濡れればいいのだ。「観天望気」は、田舎暮らしを一層楽しくしてくれるはずだから。