インプラント治療で重要視されるポイント

インプラント治療のゴール手前、仮歯の重要な役割とは?

インプラント治療のゴール手前、仮歯の重要な役割とは?

インプラント治療で一般的に注目されるのはインプラント体というボルト部分を顎に埋めるインプラント手術という行程ではないでしょうか。料金や評判、インターネットで膨大な情報量を簡単に共有できるようになった現代。インプラント手術以外の治療過程にも重要視して頂きたいポイントがあります。それがインプラント治療の最終工程、上部構造の取り付けと、その前の準備段階である仮歯の役割です。

インプラント治療における仮歯の役割とは

仮歯製作用模型に仮歯を付けた状態の写真。

仮歯製作用模型に仮歯を付けた状態の写真。

インプラント治療で最終の上部構造を取り付けるまでの仮歯の役割はとても重要です。ポイントは骨の裏打ちのない歯肉貫通部をデザインすること。実際に外から見える歯の付け根部分は歯肉部分であり、骨との間に歯肉だけの柔らかい部分が存在する事になります。これは歯根がしっかりしている天然歯にはありえないことで、インプラント独自のものであります。快適な食事の為やメインテナンスのしやすいように唾液の自然な流れを作ったり汚れを溜まりにくくしたり、溜まってしまった時にも清掃しやすい形にしたりと、仮歯の間に様々なチェックをおこないます。

規格通りの円形である歯肉貫通部を最終的は理想形に仕上げるのは仮歯のうちしかできません。また、インプラントは骨としっかりと結合していることが大前提ですので、いきなり最終段階の硬いセラミックで咬ませる前に慣らし運転として柔らかい樹脂で咬ませることも大切です。一見鋼鉄のように硬いイメージの骨ですが実際には弾力がある為、荷重をかけることで若干の形態の変化があらわれます。骨が形態変化をすると当然歯肉の形態も変化してきますので、完全に変化しきった状態で最終的なセラミッククラウンの製作をすることが必要になります。形態変化の期間は様々ですが、前歯などより審美的な治療を求められる箇所においては3~6カ月ほど仮歯で過ごして変化を見極めることもあります。

仮歯のトライ期間が上部構造の寿命を長くする

仮歯を使用した試運転期間を経て、最終上部構造の製作に入ります。仮歯の減り方により咬み合わせの癖を見つける参考にもなりますし、たくさんの可能性のチェックを出来るのが仮歯の期間です。この期間をしっかりととることでインプラント上部構造を長期間美しく健康に維持する事が出来るのです。

スクリュー固定により上部構造を取り付け、レジンで穴の修復。穴はほとんど目立ちません。

スクリュー固定により上部構造を取り付け、レジンで穴の修復。穴はほとんど目立ちません。

上部構造の取り付け方法でスクリュー固定法という方法があります。これはインプラント本体と上部構造を繋ぐアバットメントという部分と上部構造をネジでとめる方法です。スクリュー固定の他にはセメントによる合着方法もあります。スクリュー固定のメリットは万が一上部構造にトラブルが起きてしまった場合、例えば大きな力が加わってしまいヒビが入ってしまった、周りの天然歯と色味が合わなくなってきてしまった場合などに、上部構造を取り外し、新たに制作したものと交換ができるところでしょう。装着時に目立たない咬合面に器具を差し込む穴が出来ますがレジンで封鎖することでどこが穴であったのかほとんどわからないほど綺麗に仕上げることができます。先述したトラブル時にはこのレジンを外して上部構造を取り外すことができるのです。

このように、仮歯の期間にしっかりとチェックされ完成された上部構造、さらに万が一の場合には上部構造をチェンジすることができる。これこそ天然歯には出来ないインプラント治療だからこその利点でもあるわけです。大切なのはインプラント手術の料金、技術だけではありません。上部構造を取り付ける最終ゴール、そしてさらに先のメインテナンスまで考えて工程を踏むことこそが快適なインプラントライフを作り上げるのです。
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