唐突ですが、歯の本数が何本有るかをご存知ですか?大半の方は切歯2本と犬歯、そして小臼歯と大臼歯が2本づつの計7本が上下左右あるので28本。それに親知らずが4本全部あったら32本になります。

ところが最近は、そもそも永久歯の数が足りない方が増加しています。確率は10人に1人とも言われており、その傾向は強くなってきているのです。本来あるべき永久歯がないために、成人してからも乳歯がそのまま残っていたり、歯列や咬み合わせがおかしくなることがあります。ここではそのようなケースに対しての考え方や治療法を解説したいと思います。

乳歯から永久歯へ

乳歯列から永久歯列への交換は一気に行われるものではありません。大臼歯2本以外の5本の永久歯は顎の成長とともに順番に交換されていきます。

しかし、何らかの理由で永久歯が下から生えてこないとなると、本来交換すべきタイミングで乳歯が抜けてくれません。永久歯が下から萌出してくるときに乳歯の歯根を溶かし歯の交換が行われますので、永久歯がなければそのまま乳歯が残ってしまうことがあります。永久歯が無い理由は、現在でもまだはっきりとしていません。

乳歯は自己管理できないうちに生えてくるので虫歯罹患率も高いですし、元々そんなに長くしっかりした歯根があるわけではありません。また、歯冠の形も永久歯と違うので、乳歯のまま一生快適に機能できる可能性は限りなく低いと言えます。大半が20~30歳くらいまでの間に自然に抜けるか抜歯しなければならなくなります。

永久歯が足りない場合の治療法

早い段階で永久歯の本数が足りないとわかった場合は、経過観察をしながら矯正治療などでバランスの良い咬み合わせを構築していけば良いと思います。隙間を埋めて見た目をよくすることも大切でしょう。

乳歯抜歯後のレントゲン

乳歯を抜歯してインプラント埋入したレントゲン写真

ただし、ある程度の年齢になってからその問題が発覚した場合、矯正だけでは困難な場合も出てきます。全体の咬合バランスは安定しているが、乳歯だけに限界が生じてしまった場合です。それだけのために、せっかくバランスの良いかみ合わせを一旦崩して約2~3年の成人矯正を行うにはリスクが大きいということです。そんな場合は、全体のかみ合わせはそのままにして乳歯のみを抜歯し、何らかの方法で欠損部分を補うことを考えなければなりません。

遭遇率の高いケース

頻繁に遭遇するのは、下顎の第2乳臼歯(E)が残っているケース。

オールセラミッククラウン

インプラント上部構造は金属を使用しないオールセラミッククラウンを装着

下にあるはずの第2小臼歯がないため歯根が溶けきらず抜けていないのです。この乳歯は根が2本あり大きく股を開くように歯槽骨に埋まっています。その歯根の先端は前後の永久歯に近接していることもあって、虫歯が進行しすぎたり歯周病が進行したりと悪さをすることもあります。前後の歯に挟まっているだけで、歯根の大半が溶けているといった事もよく遭遇します。

できるだけ前後の歯に影響が出ないように抜歯し、その後の処置は他の欠損と同じように、ブリッジか入れ歯か歯科インプラントを選択します。

こんな問題が20~30代と若いうちに起きてきますので、できるだけ健全歯を削ることのない歯科インプラント治療を選択される方が多いです。

早めの対策で快適な生活を

今回は永久歯の本数が少なかった場合の話ですが、逆に歯数が多く問題を起こす場合もあります。対処が早ければ早いほど、治療はシンプルになってきますので、できるだけ早期に歯の本数の確認をされたほうがいいかもしれません。できれば永久歯の交換が始まる6歳を過ぎたら、かかりつけの歯科医で「後続永久歯の本数は足りてますか?」とお尋ねになってください。


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