インプラントオーバーデンチャーとは

「入れ歯が不安定なので固定式のインプラントにしたい。でも、年齢や全身状態などを考慮すると大掛かりなインプラント埋入手術に耐えることができるかどうかが不安。」

「すでに固定式のインプラント治療を行い長年快適に使ってきた。だけど、加齢とともに手が不自由になっても自分自身で今まで通り同じようにメインテナンスができるかどうかが不安。」

こういった悩みを持っている方に対しては、取り外し可能な歯科インプラント治療(以下オーバーデンチャー)があります。

顎の骨に2~4本インプラントを埋め込み、その上に取り外し式の総義歯(総入れ歯)を入れます。通常の総義歯は、粘膜で支えるだけなので安定感を得ることが難しく、話しづらかったり、食事の際も不安定な状態になりやすくなります。しかし、インプラントオーバーデンチャーでは、埋め込んだインプラントと総義歯を“アタッチメント”と呼ばれる維持装置で安定させることで、口腔内を機能回復させることができます。

インプラントオーバーデンチャーで埋入するインプラント

短めのインプラントを4本埋入

短めのインプラントを4本埋入

インプラントオーバーデンチャーは、固定式インプラントの様にそれだけで咬合力を支えるのではなく粘膜にも一部咬合力を負担させますので、オーバーデンチャーで使用するインプラントは通常の固定式インプラントに使うサイズのものよりも細くて短いものが可能になります。その結果、骨造成や歯肉移植などの外科的侵襲は小さく済むのです。

アタッチメントの種類


 
■ボールアタッチメント
インプラントにボール状の突起がついたものを固定します。その突起に合うスナップボタンのようなものを総義歯の内面に取り付け安定させます。使用している自身でも着脱し易く、お手入れがし易いタイプのオーバーデンチャーです。

■バーアタッチメント

インプラント同士を金属製のバーで固定し、総義歯側に取り付けたクリップのよう なものでバーと結合させ安定させます。バーによりしっかりとホールドされている 為、ボールアタッチメントほど簡単に着脱は出来ませんが、より安定感のある総義歯となります。

■マグネットアタッチメント

インプラント側にも総義歯側にも専用の磁石を固定し、磁力で総義歯を安定させます。 磁石を使用することで、着脱時のインプラント支台への負担を軽減出来ます。

■ロケーターアタッチメント

ボールアタッチメントに似ていますが、特殊な形状の突起の付いたものをインプラントに固定し、義歯の内面には金属製のフレームを埋め込みます。その中に樹脂製キャップを入れ総義歯を安定させます。樹脂製キャップには様々な種類の硬さがあり、それを交換することで簡単に総義歯の維持力を強くも弱くも調整することができます。

インプラントオーバーデンチャーのメインテナンス

インプラントオーバーデンチャーは総入れ歯とインプラントそれぞれを外した状態で清掃できるため、セルフメインテナンスがしやすくなります。固定式インプラントでは歯肉との境目周辺の複雑な形態をメインテナンスするのに特殊な器具が必要になってしまう場合もありますが、 オーバーデンチャーの場合は義歯は取り外して清掃できるし、口腔内もシンプル な状態になるので簡単になります。長い間、固定式インプラントで快適に過ごしてきた方も、手が不自由になってセルフケアができなくなったり、また介護者に清掃をしてもらわなければならない状態になった場合のことを考えて、あらかじめオーバーデンチャーに変更しておこうというケースも増えてきました。

固定式インプラントとインプラントオーバーデンチャーの違い

インプラント埋入本数が少なく済むので、まず費用が安く済みます。先にも述べたとおり外科処置が低リスクでできるため取り組みもし易いです。ただし、天然歯や固定式インプラントと比較すると、高いゴールを目指している場合の満足度は高くはありません。ご自身の周辺環境により選択頂くのが一番ですが、まずはお気軽に専門医にご相談ください。
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