冬のボーナス期待の買い物は、貯蓄計画を立ててから
ボーナスの使い道、お金の預け先は今のうちから検討しておきましょう
支給は先のこと、と思っていると、あっという間にその時はやってきます。今からボーナスの使い道、お金の預け先は検討しておきたいものです。
まず、その前にやってはいけないことを確認しておきましょう。
11月に入るとボーナス商戦が始まり、ついボーナス払いで買い物をしがちです。クレジットカードのリボ払いは問題外ですが、ボーナス払いなら利息がつくわけではないから、と気軽に使いますが、ほとんどの場合、衝動買いか、もしくは本当にボーナスからしか支払いができないかのどちらかです。
こうしたパターンを繰り返す人は、なかなかお金を貯められるようにはなりません。貯蓄は「何かのために、いつか使う」ためにするものです。使うときは貯蓄を取り崩すわけですが、まとまった支出用の貯蓄ができていないのに買い物をする癖がつくと、借金体質へと近づきます。気をつけてください。
そのうえで、せっかくのボーナスですから、日頃、節約で我慢していることもあるでしょう。家電や家具の買い替えを検討している人もいるでしょう。それは大いに楽しんで使うべきです。しかし、あくまでも消費は貯蓄をしてからの話。
この1年でいくら貯蓄ができたのか、目標は達成できたのかを確認し、不足している分はボーナスからの貯蓄額を増やすことで対応しましょう。ボーナスは、家計変動の調整弁でもあるのです。
給与天引きの貯蓄なら、ボーナス時の増額を忘れずに
では、この冬のボーナスからの貯蓄はどう預ければいいのでしょうか。マイナス金利政策で安全性の高いマネー商品の金利は、軒並み、史上最低の金利水準です。どこに預けても同じ、と考えてしまわず、それでも少しでも有利に預けられるところに、確実に貯蓄をしておくべきです。
財形貯蓄制度を利用している人なら、ボーナス時の増額を勤務先に申請しましょう。企業によっては、年に数回など申請のタイミングが合わない場合もあるかもしれませんが、冬のボーナスに間に合うようなら、いつもより、2万円でも5万円でも増額して積み立てに回しておきましょう。給与振込口座で、積立定期預金をしている人も同様です。ボーナス月の増額指定をすませておきましょう。
いずれの場合も、自動的にボーナスから貯蓄できるものですが、自分で申請をしないと、今夏、昨冬と同じまま。このタイミングで増額指定を忘れずにしておきたいものです。多額の出費がある、いくら増やせるかわからない、という人もいるかもしれませんが、一度、別の口座に確実に貯蓄しておくことは大切で、貯蓄を先にしてしまえば、その分はなかったものとして、残ったボーナスのなかで支出を考えればいいのです。
では、こうした自動的に貯まる仕組みを使っていない人は、どんな預け方をすればいいのでしょう。
ネット銀行、地銀ネット支店、証券会社の口座開設の手続きを
一般銀行の定期預金金利は1年物で年0.01%。ネット銀行では0.2%をつけているところもありますが、ほとんどは0.02~0.05%。それでも一般銀行の2倍から5倍の金利ですから、ボーナスからのまとまった貯蓄に活用してもいいのではないでしょうか。さらに、地銀のネット支店では、通年で0.2~0.25%の金利をつけていますから、キャンペーン情報などをチェックするのが面倒という場合は、地銀のネット支店の定期預金も候補になります。たとえば、香川銀行のセルフうどん支店では、預入金額100万円以内の「超金利トッピング定期預金」は、年0.25%。ネット支店は、全国どこからでも口座開設できるので、今から準備しておくといいでしょう。
また、マイナス金利政策が導入されてから、消去法的に人気が集まっている「個人向け国債」ですが、主に、証券会社では、購入金額に応じて現金プレゼントなどを実施しています。ボーナス時期に発行される個人向け国債でも、キャンペーンはあるはずなので、証券口座を持っていない場合も、やはり今から準備しておきたいところ。
たとえば、大和証券では、10月のキャンペーンとして、変動10、固定5のどちらかを購入した場合、100万円以上200万円未満で3000円の現金プレゼントを実施しています。個人向け国債は1年経過すれば、直近2回の利子相当額は差し引かれますが、基本的には元本割れはしません。仮に1年後に中途解約したとすれば、金利の0.05%は、結果的にゼロになるとしても、100万円購入して、3000円の現金プレゼントなら、年利0.3%に相当するわけです。
このように、どこに預けても同じではなく、少しでも有利にボーナス貯蓄をするなら、各社の動きをチェックするとともに、口座開設が必要なら、その手続きをすすめておく、これが、ボーナス貯蓄の第一歩となるのです。