住宅において洗面脱衣室は、小空間ゆえあまり話題にあがることは少ないかもしれませんが、家族の動線や暮らし方を劇的に変える要素が詰まっています。
そんな洗面脱衣室をもっと使いやすく、もっと有意義に活用するため、生活動線や収納を改善させるリフォームを取り入れてみてはいかがでしょうか。
今回は洗面脱衣室にスポットライトを当て、どのようなリフォームがどのくらいの費用でできるのかをご紹介いたします。
基本は洗面台本体の取り換え
洗面化粧台本体の取り換えは工期も短く、比較的取り組みやすいリフォームの一つと言えます。(画像提供:TOTO株式会社)
※間口600mm~1,000mm程度を想定。
※概算費用に大きな幅があるのは、洗面台本体のグレード・仕様によって金額差が大きいため。
※ツインボウルなど間口が大きい(概ね幅1,500mm以上)洗面台のリフォームでは50万~80万円以上となることも。
洗面脱衣室は文字通り洗面のための部屋でもあります。洗面台は毎日使う水回り設備であるため、汚れがつきやすい上、洗顔フォームやヘアスプレーなどの日用雑貨が雑然となってしまう傾向にあります。また家族が増え、出勤や通学で朝の支度が混み合うようになると、洗面台を使用する動線(人の動き)などにも配慮が必要になってきます。
洗面タイムの混雑解消、収納力アップを踏まえ、動線の中心となる洗面台を取り換えるリフォームは基本中の基本ですが、選定する洗面台本体は幅(間口)が異なるだけでなく、収納重視やお手入れ重視、ツインボウルの有無などによって、多種多彩なグレードが存在します。
リフォームするにあたって、今ある洗面台を交換するだけ(水道管、排水管の新設や移設が伴わない)であれば、古い洗面台本体を取り外し、壁や床の傷みなどを補修して、その後新しい洗面台を取り付けるだけですので、工期は約1日~数日といったところです。付随して生じやすいリフォームとして、壁面に棚を取り付けたり、洗面脱衣室内の壁紙を張り替えたりといった工事がありますが、必要と予算に応じて計画すればよいでしょう。
脱衣スペースにはもっと収納があってイイ!
洗面脱衣室に収納スペースがたっぷりあると、生活スタイルが大きく変わります。
※間口1,800mm程度の洗面脱衣室内に収納棚を設置するケースを想定。
※脱衣室用乾燥機の設置費用は含まず。
洗面脱衣室は収納スペースが重要なポイントです。フェイスタオル、バスタオル、他にも洗濯用や住居用の洗剤などを収納するスペースを洗面脱衣室内に設けるケースが非常に多いことに加え、入浴後の部屋着などを収納しておけると生活動線がとても便利になります。
最近では部屋の幅、奥行きに合わせた収納棚などが多く発売されており、洗面脱衣室の壁を補強した上で設置したり、大工さんの造作によってオープン棚などを設ける事例が増えてきています。特に棚の位置を自由に変えられる可動棚レールを取り付けてもらえば、収納したいモノのサイズに合わせて効率よく使用できるので非常に満足度の高いリフォームになります。
衣類などを収納する上で、浴室からの湿気が気になるという方にとっては、浴室暖房乾燥機とあわせて脱衣室用乾燥機などを導入することもありますので、お住まいの状況などもよく見定めてリフォーム検討をすると良いと思います。
タオルウォーマーのあるスタイリッシュな空間へ
タオルウォーマーは空間を贅沢に演出してくれます。タオルも空間も暖かくなり、ヒートショック防止にもつながります。
※間口900mm程度の壁下地補強工事、クロス仕上工事、電気配線工事も含む。
寒い季節でも洗面脱衣室を快適にして、しかもフッカフカの暖かいバスタオルを使うことの出来る「タオルウォーマー」がリフォームでもじわじわ人気を集めています。暖房の効いた居室から冷たい洗面脱衣室・浴室への移動で、ヒートショック現象(血圧の急上昇等による疾患)を起こすリスクについて、一般消費者の認識が深まってきたこともあるでしょうが、それ以上にスタイリッシュな空間イメージに惹かれる方も多いようです。
壁にタオルウォーマーを取り付ける場合は、電気配線工事と下地補強工事が発生してきますが、工事はさほど難しくなく、むしろタオルウォーマーを取り付ける周囲の天井・壁の内装も一緒にリフォームを実施される場合がほとんどです。内装タイルやデザインクロスなどで、タオルウォーマーとあわせて空間をコーディネートできるので、前述の洗面台の取り替えや、収納リフォームとあわせて実施することも珍しくありません。
タオルウォーマー本体はインターネット通販でも購入できるようになってきていますから、価格や作りたい空間のイメージなどに合わせて機種を選定してみると良いでしょう。特にタオルウォーマーのカラーは空間の雰囲気を大きく左右する部分ですので、費用とデザインとしっかり悩んでから決めておきたいものです。