ニールズヤード レメディーズが香りを監修
ソニーは、片手に収まるコンパクトなサイズで5種類の香りを持ち運べるカートリッジ式のパーソナルアロマディフューザー“AROMASTIC”を2016年10月5日に発売した。本体カラーはホワイトとブラックの2色展開で、メーカー希望小売価格は8,980円[税別]。英国の老舗オーガニックコスメブランド“ニールズヤード レメディーズ”のアロマテラピストが監修する専用カートリッジは“for Basic”、“for Beauty”、“for Business”の3ラインアップで、価格はfor Basicが2,280円[税別]。for Beautyとfor Businessは2,780円[税込]となっている。
AROMASTICは“香り”というエンターテイメントの新提案
2016年10月7日には、都内にあるソニー本社にて“AROMASTIC”のプレスイベントも開催。同製品を手掛けたソニー株式会社 新規事業創出部 OE事業室 統括課長の藤田修二氏による商品説明が行われた。AROMASTICの使い方は、本体上部に設置されたカートリッジの中から楽しみたい香りをダイヤルで選択し、鼻元に近づけてボタンを押すだけ。吹き出す香りは周囲に拡散することなく、自分だけの香りとして楽しむことができるのが特徴となっている。
デザインも操作も非常にシンプルなAROMASTICだが、藤田氏によれば内部構成は決して単純なものではないようだ。熱を使わずに香らせる気体放散方式(ドライエアー方式)、それを実現する独自のマイクロ流路構造、さらに量産のために独自方式の高精細かつ高速な3Dプリンターを開発するなど、小さな本体とカートリッジにはソニーのモノづくり力とデザイン力が凝縮されているという。
また、発売にたどり着くまでの道のりも平坦なものではなく「泥臭い活動」(藤田氏)の連続だったという。始まりは、社内からビジネスアイデアを募るソニーの新規事業創出プログラム(Seed Acceleration Program)。この審査を通過した後、2015年11月~2016年1月にかけて、ソニーが運営するクラウドファンディングとEコマースのサイト“First Fight”にてクラウドファンディングを実施し、支援者の意見を取り入れながら製品開発を進め、晴れて2016年10月5日より正式販売が開始となった。
ビデオメッセージを寄せたソニー代表執行役 社長 兼 CEOの平井一夫氏は「ソニーは映像、音楽、ゲームでエンターテイメントを展開してきましたが、AROMASTICでは香りをエンターテイメントにしたい。香りを通してどういう気分になりたいのかという新しいライフスタイルの提案です」とコメント。自身も毎朝気分に合わせて香りを楽しんでいると笑顔で語った。
茂木健一郎、脳科学的にもAROMASTICに注目
プレスイベントでは、ニールズヤード レメディーズ代表取締役の梶原建二氏と、ソニーコンピュータサイエンス研究所 上級研究員の茂木健一郎氏を招いてのトークセッションも実施された。梶原氏はAROMASTICについて「香り、オーガニックなジャンルに挑戦する姿勢に魅力を感じる。時代をブレイクするチャンスだと思います」と話し、また茂木氏も「香りをひとりひとりのものにしたところ画期的」と、そのコンセプトを高く評価。
藤田氏はAROMASTICの今後の展開について、カートリッジのバリエーションを段階的に増やしていく考えがあると説明。季節の香り、ギフトの香りといったものに加えて、アーティストやブランドとのコラボも検討していることを明かした。
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ソニー:AROMASTIC