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日本一小さな航空会社「天草エアライン」使いこなし術

“日本で一番小さな航空会社”として日々奮闘する様子が話題の、熊本・天草の地域航空会社「天草エアライン」。親子イルカがデザインされた「みぞか号」たった1機で、日本の空を飛んでいます。実際に搭乗した時のリポートをはじめ、航空券の種類や予約方法、オリジナルグッズまで、天草エアラインの魅力を紹介します。

シカマ アキ

執筆者:シカマ アキ

飛行機の旅ガイド

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天草エアラインの機体全体に“親子イルカ”がデザインされ、「みぞか号」の愛称で親しまれています。小さい機体ながら大きな空港でもパッと目を引く人気者です。

熊本・天草の地域航空会社「天草エアライン」。所有する機体はたった1機、“日本で一番小さな航空会社”として奮闘する様子などが近年メディアで取り上げられ、全国的に知名度が上がっています。

天草エアラインの機体には親子のイルカが全体に描かれ、愛称は「みぞか号」。2016年2月20日から、日本で唯一となる「ATR42-600型機」を新たに導入し、天草エアラインでの空の旅がますます快適になりました。

天草から熊本、福岡、そして熊本から大阪への路線を毎日運航しています。天草エアラインを乗りこなすための航空券の予約方法や各種運賃、就航路線、サービスなどをご紹介します。


天草エアライン「みぞか号」に乗ろう! 

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天草エアライン「みぞか号」の搭乗は、ATR機ならではの後方ドアから。大阪・伊丹空港から熊本空港へいざ出発です。

天草エアラインの機体は、日本で現在唯一のフランス製「ATR42-600型機」です。まず、搭乗する時がユニーク。搭乗客全員が後ろにあるドアから乗り込みます。前のドアは貨物室専用。徒歩での搭乗は、飛行機での旅がいっそう盛り上がります。
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みぞか号の機内。中央通路をはさんでシートは2-2の配列です。最前列右側のみ後方を向いたシートになっています。

機内に入ると、想像以上に天井が高く、広々と感じました。シート上の物入れやシート下のスペースも他のプロペラ機などよりも大きめ。そして、シートにいったん座ってみると、前のシートとの間隔が幾分か広く思えました。離陸の時、プロペラ機特有の風切り音や滑走路から飛びあがる瞬間も、とても静かでスムーズ。飛行中の騒音や揺れもほぼ気にならないほどでした。なにより、新しい機体は快適です。
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みかんジュースと天草の茶菓子がフライト中に無料で提供されるのもうれしいポイント。茶菓子は時期ごとに変更されます(大阪-熊本のみのサービス)

大阪-熊本の路線のみ、ドリンクと茶菓子のサービスが無料であります。提供されるのは天草ならではのお菓子で、ありがたくおいしくいただきました。茶菓子は時期ごとに変更されるとのこと。
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天草エアラインの機内誌より。みぞか号について読むと、ますますこの飛行機に愛着がわいてきました。バックナンバーの一部は天草エアラインのホームページでも閲覧できます。

天草エアラインの機内誌は、なんと手作り。透明のファイルに、客室乗務員からの耳寄り観光情報やみぞか号についてなどの紙面が挟んであり、なかなか読み応えがあります。毎月更新なので要チェックです。

天草エアラインが運航する路線

天草エアラインは、2000年(平成12年)3月、天草諸島のほぼ中心に位置する天草下島にある天草空港(天草飛行場)の開港とともに運航を始めました。2016年9月現在、以下の路線を毎日運航しています。

■天草-福岡(3往復)
■天草-熊本(1往復)
■熊本-大阪・伊丹(1往復)

天草から福岡まで陸路だと4時間半ほどかかるところ、飛行機だと30分前後で着くため、ビジネス路線として人気です。また、熊本まで陸路だと約2時間かかるのが所要20分。熊本~大阪も1時間半ほどで、熊本での乗り継ぎもスムーズなので関西圏から天草に行く時も便利です。

なお、天草エアライン全便で、日本航空(JAL)とのコードシェアを行っています。


最新ATRの2代目「みぞか号」について

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ATR42-600はフランス・エアバス社系列が製造する機体。低騒音・低燃費で世界じゅうの空で活躍しています。日本でも今後、JALグループでも導入される予定。

天草エアラインの機体には、親子イルカがデザインされています。各地の空港で見かけると、パッと目を引くかわいらしさで人気です。
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初代「みぞか号」は2013年2月から2015年2月まで運航されました。ボンバルディアDHC-8-100で、現在のATR42-600より機体が短く、乗り降りも前方からでした。

みぞか号の現在のデザインは、天草が“イルカウォッチング”が有名であることにちなみ、初代のカナダ製ボンバルディアDHC-8-100(39席)で、2013年2月にデビューしました。きっかけは2012年、天草市出身の放送作家・小山薫堂さんによる天草エアラインの機体を塗り替えるプロジェクトがテレビ番組で企画されたこと。なお、親イルカは「みぞか」、子イルカは「かい」君と「はる」ちゃんと、一般公募で名付けられました。

現在のみぞか号は2代目です。フランス製のATR42-600(48席)は、DHC-8よりも低騒音・低燃費で、ヨーロッパやアジアなど世界各国の短距離路線で活躍している機体。天草エアラインに続いて日本エアコミューター(JAC)も2018年からの導入を予定しています。

ちなみに、みぞか号の機体下部には「くまモン」が描かれています。飛行機に乗っていると見えませんが、真下からみぞか号を見上げると、くまモンが見えます。
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2代目みぞか号の機体下部には「くまモン」が。機体を見上げて探してみてください。
  

航空券の予約方法とさまざまな運賃

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天草空港にあるチェックインカウンター。白を基調としたターミナルは天井が高く、開放感あるデザインです。無料の展望デッキや売店、天草関連の書籍や絵本などが読める「みぞか図書館」もあります。

天草エアラインの航空券を購入するには、インターネットが便利です。クレジットカードのほか、コンビニエンスストアでの支払いにも対応しています。旅行代理店でも航空券が入手できます。航空券の購入は予約日を含めて5日以内。空港カウンターでの購入も可能です(福岡・熊本・大阪伊丹の各空港は当日のみ)

運賃は、「普通運賃(大人・小児)」「WEB早勝28」(WEB限定)「早勝7」「早勝1」のほか、「天草住民割引」、当日シニア割引、スカイメイト割引などがあります。「WEB早勝28」と「早勝1」は熊本-大阪のみです。

天草エアラインでは以前、天草エアラインの全行程10区間または8区間を乗り尽くす「1日親子イルカ号パラダイス運賃」、位置情報ゲーム『コロニーな生活』とコラボレーションした「AMX☆コロプラきっぷ」などユニークな航空券なども発売し、話題になりました。 

なお、受託手荷物は1人合計20kgまで無料。機内持ち込みは1人あたり身の回り品1個のほか合計10kgを超えないものまでとなっています。JALグループ便またはフジドリームエアラインズで福岡・熊本経由で天草まで乗り継ぐ場合、そのまま預けることができます(チケットレスサービス利用時)

天草エアラインのポイントサービス「AMXポイントカード」

天草エアライン独自のポイントサービス「AMXポイントカード」があります。天草エアラインに搭乗するごとにポイントが貯まります。対象年齢は12歳以上、入会金・年会費とも無料。天草エアラインのホームページから申し込みができます。

例えば、天草-福岡と天草-熊本が1ポイント、熊本-大阪が2ポイント(いずれも片道)で、10ポイントから天草エアラインの航空券に交換できます(※) なお、JAL便で航空券を予約・決済するとJALマイレージバンク(JMB)のマイルが積算されるので注意しましょう。

※ポイントは、天草-熊本10P、天草-福岡20P、熊本-大阪30Pで交換できます

天草エアラインのオリジナルグッズを手に入れよう!


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天草空港のチェックインカウンターで販売されている、天草エアラインオリジナルグッズの数々。機内やインターネットでも一部のグッズが手に入ります。

天草エアラインのオリジナルグッズは、航空ファンや子どもたちに人気です。ポストカードや缶バッジ、キーホルダーをはじめ、モデルプレーン(1/100スケール)やステッカーなどがあり、みぞか号の機内や天草空港のチェックインカウンターで販売しています。一部の商品はインターネットでも入手できます。

オリジナルグッズ販売サイト
天草エアラインwebショップ(天草webの駅内)


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天草で人気が高い、白亜の天主堂・大江教会。その他、キリスト教とともに伝わった南蛮文化、おいしい海の幸やご当地スイーツ、絶景が望めるスポット、温泉など天草は見どころ満載です。

天草には、イルカウォッチングのほか、南蛮文化がルーツの歴史、さまざまな祭りや絶品グルメなどがあり、1年を通してたくさんの魅力にあふれています。天草エアラインを利用すると、首都圏からだと他社便から福岡経由、関西圏だと自社便で熊本にてそのまま乗り継ぎ、福岡からは直行なのでとても便利です。見た目もかわいい「みぞか号」に乗って、天草をぜひ訪れてみてください。

※記事の内容は【2016年9月】現在

天草エアライン AMX
天草エアライン Facebook
熊本県天草観光ガイド(天草宝島観光協会)

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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