地球温暖化の影響が進行しているようですね。私はお盆の期間、実家のある福岡市に帰省していたのですが、その時期は最高気温37℃、最低気温29℃という大変蒸し暑い日々が続いていました。そんな経験をしたことから、温暖化について「さもありなん」と思わずにいられませんでした。

そこで今回の記事では、そんな地球温暖化が進行する中で、将来的に住まいはどのようなかたちになるべきなのか、について考えていきたいと思います。沖縄で行われている実証実験住宅にも触れたいと思います。

温暖化の影響がすでに表れている!?

それにしても今年の夏はうだるような暑さでした。私はタイを中心にした東南アジアが大好きで様々な国や場所を旅行したことがありますが、まるでそれらの地域の気候を思わせるような暑さと湿気だと感じられました。

さて、気象庁のホームページの中にある「地球温暖化」に関するページの中に、100年後の日本の気候について次のような記述がされています。

  • 気温は現在よりも3℃程度高くなる。予測される気温の上昇は高緯度ほど大きい
  • 全国平均の年降水量(雨または雪の量)は増加する。これは、地球温暖化によって、大気に含まれる水蒸気量が増えることなどによると考えられる

体感的には100年といわず、すでに3℃くらい高くなっているような感じです。沖縄は世界的な美しい珊瑚礁(さんごしょう)を誇るエリアですが、近年は海水温の上昇で珊瑚の白化(要するに死ぬこと)が進みつつあるといいます。

そういえば、私はたまに静岡県の伊豆半島の方に釣りに行きますが、そこでは最近、沖縄や九州でしかこれまで釣れなかった魚が頻繁に釣れるようになっていたといいますし、実際私も釣ったことがあります(サイズは小さいですが…)。

また集中豪雨が発生し、それによる大規模な被害も頻発していますし、台風も大型化し、風雨が激しさを増しつつある状況です。こうした事例は、地球温暖化が次第に進行しつつあることを表しているのだと思われます。

エネルギー消費

我が国の最終エネルギー消費と実質GDPの推移(出所=資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」、内閣府「国民経済計算」、(一財)日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧」)


だからこそ私たちは、温暖化がこれ以上進行しないように、あるいは少しでも改善できるように、想像力をもって対応しなければならないのだと考えられます。ただ、温暖化の問題が大変難しいのは、同時にエネルギー問題をどうするかということにも関連があるからです。

我が国では、産業部門のエネルギー消費量がこの30年で約2割減少している一方、住宅部門の消費量は2倍になっています。また、仮に日本で住宅部門のエネルギー消費量が減少したとしても、アジアやアフリカなど今後成長が見込まれる地域で消費量が増えれば、温暖化はさらに進行してしまいます。

沖縄で始まった「蒸暑地」向け住宅の実証実験

このため、世界的な視点で何らかの温暖化対策が求められるわけです。そこで紹介するのが、ミサワホーム沖縄科学技術大学院大学(OIST、沖縄県恩納村)と共同で行っている「蒸暑地サステナブルリビング」という実証実験です。

OISTの敷地内に実験棟が設けられており、建物の通風や採光をコントロールするミサワホーム独自の「微気候デザイン」という設計とデザインが施されています。このほかに蓄電池、風力発電、電気自動車のほかに以下の要素技術を取り入れているそうです。

(1)蒸暑地型カスケードソーラーシステム
(2)「カスケードソーラー」集熱を活用した夏期除湿空調
(3)非結露型壁放射冷房
(4)地産エネルギーを活用したDC駆動システム
(5)地産地消型水システム

OIST

ミサワホームと沖縄科学技術大学院大学による実証実験棟の外観。東南アジアなど蒸暑地に適した住まいを想定した最先端技術を駆使建物となっている

まず、(1)についてですが、これは太陽光のエネルギーを発電に利用するのと同時に、太陽光モジュールの裏にたまる空気熱を利用するものです。ミサワホーム独自の技術で熱も無駄にしないよう工夫されたシステムです。

この空気熱は最高で約70℃にまで高まるとされ、これを低温デシカント剤(除湿剤)と呼ばれるもので除湿するのが(2)です。その除湿された空気が室内に送り込まれます。部屋の空気を快適に保つのが(3)です。

これは中温冷水ヒートポンプというものを通った冷却された水(不凍水)を床と壁に埋め込まれたパイプを通し、放射冷房により部屋全体を快適な温度にするというものです。じわじわと暖まるのが床暖房ですが、その冷房版とイメージすると良いかもしれません。

建物には上記のシステムのほか、照明などの家電や設備もありますが、これらに電源を供給するのが(4)です。太陽光発電と風力発電の直流(DC)電力を蓄電池にためて、それによって電力を供給するものです。

(5)は屋根に降った雨や空気を除湿した際に出た水をためるもの。その水は敷地内の植栽への散水やトイレなどの洗浄水などとして活用されるといいます。つまり実験棟では、電気については完全に自給自足、水についてもそれに近い環境を実現できるよう設計されているわけです。

東南アジアなどで普及を目指し温暖化対策に貢献へ

ミサワホームとOISTはこの実験棟を東南アジアの気候と、そのエリアで活用されることを想定し実証を行っているそうです。というのも、東南アジア地域には、シンガポールやタイ、マレーシアなど比較的、インフラが整っている国がある一方、まだまだ開発途上の国も残されています。

カンボジア

カンボジアの一般的な住居の様子。高床式で風通しの良い造りとなっている。カンボジアではまだ電気や水道などのインフラが整備されていない地域も多い

電気や水道などが十分に整っていない地域で、新たにインフラを整えるのには一定のコストがかかりますし、それが一定の都市レベルの開発になると莫大なコストとエネルギーが必要となるはずです。

この実験棟のようなエネルギーや水を自給できる住宅が、発展途上にある国や地域で建てられることで、比較的安価でエネルギー消費の少ない街づくりや国づくりができ、結果的には地球温暖化の対策となるというのが、この実験住宅が意味するところなのです。

ちなみに、私が興味深く思ったのは(3)の非結露型壁放射冷房です。床暖房の冷房版で洞窟の中にいるようなイメージのものとのことですが、要は私たちが使用している送風によるエアコンとはスタイルが異なるわけです。

ご存じの方も多いと思いますが、東南アジアの人たちはエアコンを「これでもか」というくらい低い温度設定で使用します。Tシャツなどでいると震えてしまうくらいです。できるだけ冷えた部屋に通すのが最高のおもてなしといわれているくらいです。

我が国でもZEHの次の省エネ・環境対策として期待

これはもはや現地に根付いた文化ですから、それをじんわりと26℃とか27℃で冷やすこのシステムが東南アジアの人々になじむのか、興味深く感じられるのです。

太陽

今年の夏は例年以上の猛暑となった。また、8月中旬には首都圏に台風が直撃するなど、例年とは異なる台風のコースとなっていた。これも地球温暖化の影響か

ところで、このような研究成果は将来的に我が国の住まいにも取り入れられる可能性があるとのことです。今はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が一つの目指すべきかたちとされていますが、これは断熱性能を高め、設備機器などでエネルギー消費を抑えることを目的にしたものです。

今後、より地球温暖化が進み、我が国が暖かい国になった場合、今回ご紹介した実証実験に取り入れているエネルギーを完全自給できる要素が、もしかしたら私たちの住まいに導入され、暮らしを助けてくれるものになるかもしれません。

また、例えば非結露型壁放射冷房は、エアコンの風を直接体に当てるものではなく、部屋全体をじんわりと冷やすものですから、健康には良いはず。仮に東南アジアで高く評価され、コスト的な問題も解決されるなら、我が国に逆輸入されてもおかしくはありません。

というわけで、今回の記事では地将来的に球温暖化が進行した際に住まいに取り入れられそうな技術や取り組みを紹介してみました。難しいことは抜きにして、このような研究開発にもハウスメーカーがチャレンジする時代になったという、その事例の一つとして認識していただければ良いと思います。


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