『家売るオンナ』がヒットしたワケ
それでも作り続けて、ようやく『家売るオンナ』でようやく花開きました。『女王の教室』で始まり『ハケンの品格』『家政婦のミタ』などを大ヒットさせた日本テレビの得意パターン「変なヒロイン」と組み合わせたからでしょう。変なヒロインの特徴は
- 過去の事件から笑わなくなった
- 心のない人間に見えるが故意か偶然か関係する人の問題を解決する
- 周囲の優しさにより徐々に心を開いていく
地価の上がるドラマ
テレビドラマで舞台になると、その土地の不動産的人気もあがることはよくありますが、特にそれが多いのは鎌田敏夫脚本作品。『俺たちの旅』の吉祥寺は「住みたい街」ランキングで2011~2015年に5年連続1位。『俺たちの朝』の極楽寺は放送前は沿線の江ノ電が廃線の危機にあったが、放送をきっかけに大人気に。『最後から二番目の恋』、映画『海街diary』など極楽寺舞台の作品が作り続けられています。それに『金曜日の妻たちへ』のたまプラーザ(美しが丘)など。ストーリーや登場人物とともに街を魅力的に描けているからでしょうね。
ドラマに学ぶ不動産事情
ガイドが個人的に不動産をテーマにしたドラマで好きなのが『それでも家を買いました』。TBS系金曜ドラマ、1991年の放送。職場結婚した夫婦(三上博史・田中美佐子)がバブル景気の中、社宅を出ることを決意してマイホーム探し。しかしいい物件に当たらず、時間が経つとともにさらに地価も上昇。予算に合う物件はどんどん都心から遠くなり、3年かかってようやく買えたのが都心まで2時間は軽く掛かりそうな場所。ドラマの放送は1991年4月からなので、地価下落のキッカケになった1990年3月の「総量規制」から一年後の地価が下落してきた時期。よけいに切なさがつのるタイミングでした。
プロデューサーは『金妻』と同じ人で、『金妻』『それでも家を買いました』はバブル前とバブル中に家を買うとどう違うか、という比較になっています。