水道料金は住んでいる自治体で大きく変わる
水道は生活必需品。少しでも水道料金を安くして、家計にゆとりをもたせたいもの。この水道料金、住んでいる自治体で大きく変わる
家計の節約でも水道光熱費の減少は考えたいところですが、水道料金は自治体によってかなり差があることをご存じですか? そこで、自治体による水道料金の違いについてご紹介しましょう。
2人以上の世帯1か月平均5178円
水道料金は、上水道代と下水道代と2種類あります。どちらも使用量から料金が決まり。1か月もしくは2か月毎に支払っています。一般家庭での水道料金の平均を、総務省が調査している「家計調査(平成28年)」からみてみましょう。2人以上の世帯の水道料の1か月平均支出は5178円。この調査の世帯平均人数は2.99人ですから、3人家族の平均とみていいでしょう。
平均水道代:山形市7566円、徳島市3712円。2倍の格差
「平成28年家計調査(総務省)」から、都道府県所在地に川崎市、相模原市、浜松市、堺市、北九州市を加えた52都市の平均水道料金(2人以上の世帯)の水道料金(1か月)を金額順に並べて、上位10都市、下位10都市を表にしたもの(筆者編集)
一番高額だったのは山形市で7566円。長野市も7149円と、この2都市が7000円超えとなっています。逆に一番低額だったのが徳島市で3712円。続いて神戸市、北九州市、鹿児島市となっており、西日本が安い傾向にあります。
同使用量では、2.3倍の格差も!
上の例は支払った水道料金の平均値であって、実際に使用した水道量が一緒ではありません。そこで、同じ使用量での料金をみてみます。3人家族で平均的な使用料であるといわれている、20mm口径、1か月当たり使用水量20立法メートルの上水道、下水道料金の合計(消費税8%分も含む)をみてみましょう(2か月分の料金計算の自治体は、2か月で40立法メートル利用分の半額とします)。一番高額だった山形市は7560円。平均調査データと大きく変わりません。長野市7239円と7500円前後の高額となりました。3位のさいたま市は5848円で決して高額とはいえず、さいたま市は使用量が多くて水道料金の平均が高くなっているよう。
一方、徳島市 4473円、神戸市 4082円とやはり料金は低くなっています。また、大阪市は3325円とかなり安い結果となっています。山形市の7560円と比べると、なんと2.3倍の差! 同じ水を使っても、これだけの料金差があるとは驚きです。
東京都23区と昭島市でも1.5倍の差!
東京都の水道事情をみてみましょう。東京都は東京都水道局が東京23区と多摩地区(一部地域を除く)に上水道を提供しています。この東京都水道局の水を利用せず、独自に水道事業を行っているのが、武蔵野市、昭島市、羽村市、檜原村です。この自治体以外の多摩地区と23区において、上水道料金は同じです。ただ、下水道料金は自治体によって変わってきます(23区は同じ)。ここで注目したいのが、独自で水道事業を行っている昭島市。20mm口径、1か月当たり使用水量20立法メートルの上水道、下水道料金の合計はなんと、3126円。大阪市の3325円より更に安くなっています。ちなみに、東京都23区は4794円。同じ都内でも1.5倍の差がでています。
昭島市は水道水を地下水100%で供給しています。一般的にはダムなどを建設し遠方から水を運ぶ施設が必要となり水道料金が高くなる傾向があります。それに対して昭島市は地下から掘って供給しているため、コストが少なくてすむということですね。昭島市に隣接する八王子市も23区と同じ4794円でした。隣の市でも1.5倍の差がでるということです。
自治体によって水道料金が違うことがわかりました。水道料金が1か月1000円変わるだけでも、長期間となれば高額な差になります。
水道料金の計算方法は各自治体のホームページなどで公開されています。お住まいの自治体の水道料金がどうなっているのか、一度チェックしてみてください。そして、これから住まいを探すという方は、水道料金のチェックをしておくといいですよ。
※水道料金は2017年8月現在、各自治体のHPより筆者が調査しました