恐るべきハーレーが誕生した
2016年7月現在、ハーレーダビッドソンが手がけるエンジンで最もパワーのあるものが、排気量1,801cc / スクリーミンイーグル ツインカム110。通称ONE-TEN(ワンテン)は、ハーレーの最上級カテゴリー「CVO」だけに許されたエンジンなのですが、「Sシリーズ」と呼ばれる新カテゴリーにも採用されるようになりました。
重装備を持たないソフテイルやダイナのモデルをベースに、最強のエンジンを備えることで「よりスリリングなハーレーライドが楽しめる」というコンセプトに基づいたSシリーズ。ソフテイルスリムS、ファットボーイSに続いて、第3のSシリーズ「ローライダーS」が登場しました。
ベースモデルは、ダイナファミリーの人気モデルであるFXDL ローライダー。先の2モデルはグラフィックチェンジのみでカスタムの要素は皆無だったのですが、このローライダーSは随所にオリジナリティを取り込んだカスタムハーレーとして送り出されました。
アメリカの不良に人気のスタイル
ビキニカウルにストレートライザー&ドラッグバー、ガンファイターシートと攻撃的なパーツを配し、さらにハイグレードな前後サスペンションにダブルディスクブレーキシステム、そして排気量1,801ccのハイパワーエンジンを備えたモンスターマシンとして仕上げられています。これが今、アメリカで流行とされる「クラブスタイル」と呼ばれるものなのです。荷物など持たず、ただ一直線にハイウェイを駆け抜けてスピードランを楽しもうという不良テイストのスタイルがこれ。
今ハーレーが掲げる「ダークカスタム」のテーマどおり、真っ黒なボディが印象的なストリートドラッガー。前後に履かれた黄金色のホイールがその高級感を一層高めてくれます。金額を見ても、ベースモデルであるローライダーの209万円~216万円に対して、ローライダーSは229万円と、その差はわずか20万円前後。エンジンをボアアップしてカスタムパーツを取り入れて……としたら、この価格差で収まることはまずありません。それだけで、このモデルが出血大サービス級のモデルだとご理解いただけることでしょう。
そんなローライダーSのライドフィールはいかがなものか。フランスで開催された試乗会に参加した印象をインプレッションにまとめました。
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