結婚の区切りは「50歳」!
婚活市場では、50歳から「シニア」!? その理由や現状を知りましょう
そもそも「シニア婚活」の「シニア」って何歳からのことを言うのでしょう。
シニアの定義は色々ありますが、一般的には、世界保健機関(WHO)の定めた「65歳以上」とされています。ですが婚活市場では、50歳以上を「中高年」、60~65歳以上を「シニア」と定義することが多く、サービスとしては、「中高年・シニア向け」でまとめる場合が多いです。
この50歳と言うのは結婚における、一つの重要な年齢です。現在、日本の生涯未婚率は男性が20.14%、女性は10.61%とされています。これは、50歳時点で既婚歴がない、一度も結婚したことの無い人の割合です。つまり、日本では50歳までに結婚できないと、「生涯未婚」と扱われてしまうのです。
一方、50歳以上の婚姻件数自体は2000年前後を境に急増しています。同時に、50歳以上の離婚件数も1990年後半~2000年前後に急増しました。
意外に多い、シニア会員たち
増えるシニア婚活
以前、アラフォー婚活で有効なのは「結婚相談所」ということをお伝えしました。
(春ドラマの題材「アラフォー婚活」の実態と必勝)
例えば、大手結婚相談所のIBJが公表しているデータによると、58332名の会員の内、50歳以上は7949名、内65歳以上は2402名となっています。13%強が50歳以上に当たるわけで、決して数が少ないわけではありません。これだけいれば、近い年代同士の出会いもありそうですよね。
また、中高年・シニアを専門にしたサービスも登場しました。
結婚相談所大手の楽天オーネットは、男性50歳以上、女性45歳以上が入会資格の「楽天オーネットスーペリア」という新サービスを2013年からスタート。男性の平均年齢は62.1歳、女性の平均年齢は56.6歳というので、まさに「シニア婚活」に近いですね。70歳以上の男性も11.5%います。
その他の結婚相談所でも、シニアコースを新設するところが増えてきています。実はそれには、「シニア婚活」ならではの、ある事情があります。
シニア婚活者の7割に共通するのは◯◯!
シニア婚活の一番の特徴は、「婚活」と言いながらも必ずしも「結婚がゴール」ではないということです。「結婚相手」「パートナー」「恋人」「茶飲み友達」など……幅広い形での「交際相手」を探すのを目的としている人が多いです。同サービスを運営する株式会社オーネットが50歳~64歳の一般独身男女を対象に行ったアンケート調査では以下の様な結果が出ています。
(参考:楽天オーネットスーペリア「独身中高年男女の結婚に関する意識調査」
)
これを見ると、年齢が上がるに従って、交際相手は求めても結婚を求めなくなる傾向にあります。
理由は様々ですが、「婚姻歴があり、既に成人した子供がいる」「財産」「介護」「お墓」などなど、年齢ならではの理由があり、やはり若い世代とは違った「結婚すると面倒なこと」も増えてくるので、当然と言えば当然かもしれません。
シニア婚活をしている人の婚姻歴
さて、ここで注目なのが、こうしたシニア婚活をしている人たちの婚姻歴です。同サービスの会員の婚姻歴が公表されています。これを見ると、男女ともに7割近くが婚姻歴があるということになっています。
実は、この数字は全国の婚姻件数における再婚の割合に近いのです。実に、男性の50歳~55歳では76%、女性の50歳~55歳の83%が再婚です。
そう、実はシニア婚活という領域は、その多くを婚姻歴ありの人が占めている、「再婚市場」なんです。
それを踏まえてみると、先程の「結婚がゴールではない」というのも、より納得感が出てきますね。
少なくとも一度は結婚をしていて、結婚の良い所も悪い所も、若い人よりずっとよくわかっている。だからこそ、「それでも、もう一度結婚したい」人もいれば、「もう結婚はいいから、自分が楽な範囲で一緒にいられればいいや」という人など、様々な目的の人がいる。それがシニア婚活の現場なのです。
シニア婚活サービス、最新情報!
そういった需要に応え、最近では様々なシニア向けの婚活サービスが登場しています。1.結婚相談所
大手を中心に、中高年専門コースを新設しているサービスが増えています。前述のように、新サービスを立ち上げる会社もあるほど。
結婚相談所ならではのアドバイザーによるマッチングで、結婚相手から茶飲み友達まで、どういったパートナーが欲しいかなどのきめ細かい相談に乗ってもらえます。また、若い世代に比べ料金を抑えめにしているところもあります。
・楽天オーネットスーペリア
・NOZZE
・パートナーエージェント
2.婚活パーティ、シニアコン
50歳以上、60歳以上、70歳以上など、年齢別のパーティが開催されています。
通常のパーティ形式から、ボウリング会、果物狩り会、ウイスキー会やカラオケ会など、多彩な形式が見られます。過去には大手結婚相談所のツヴァイによるシニアの街コン「シニアコン」なども開催されました。
みかん狩りの婚活イベント風景(提供:楽天オーネットスーペリア)
3.ネット婚活
年齢が上がるほど使用率は下がるものの、シニアといえどもネットやSNSでの出会いも増えているのが現代です。
婚活サイトによっては「50代以上の会員特集」など、年齢を区切った募集やPRコーナーを設けているところもあります。
・エキサイト恋愛結婚
結局、「結婚」に必要なものは変わらない!?
自由で、重くない婚活は、酸いも甘いも?み分けたシニア層ならでは?
いくらシニア婚活市場が活発になったからといって、早め早めに行動するのがベストというのは胸に刻んでおきましょう。
そして、結婚だけが目的ではない人が多いことで「重くない」自由な形式が多いのが魅力のシニア婚活ですが、それにはもちろんデメリットもあります。
年齢が上がれば、健康状態や家族問題なども急変するリスクも上がります。そうした時に「気楽な付き合い」の相手は、当然「気楽に離れていく」可能性だってあるのです。残りの人生を「最後まで」一緒に過ごしたいのであれば、「中高年・シニア」世代であっても、やはり「覚悟を決めて結婚」……というのは、選択肢に入れておくべきかもしれません。
シニア婚活の現状を知り、どう感じましたか? 若い人たちにも通じる部分も多いと思いますので、ぜひ参考にしてくださいね。
【参考データ】
・厚生労働省 人口動態統計
結婚生活に入ったときの年齢別にみた年次別婚姻件数
結婚生活に入ったときの年齢別にみた夫妻の初婚-再婚別件数及び百分率
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001137969
・IBJ http://www.ibjapan.com/check/
・楽天オーネットスーペリア http://onet.rakuten.co.jp/superior/about/profile/