口臭の原因は2種類……口内か、口内以外か
気になる口臭……自分でできる効果的な対策法はあるのでしょうか?
1. 口の中に口臭の原因がある場合……歯ぐきの炎症や食べカス、舌苔など
日常的に強い口臭の原因になるのは、糖尿病などの全身的疾患などの影響を除けば、口の中の原因であることが多いです。なかでも一時的に臭いが強くなるのは、食べ物が原因のことが多いと考えられます。■歯ぐき、歯の神経の炎症による口臭
プラークが付着している部分は、細菌感染が起こっているため、歯ぐきが炎症を起こして腫れ、出血などが起こりやすくなります。出血すれば血の臭いが、膿が出れば膿の臭いが口臭になります。さらに歯ぐきを構成するタンパク質成分が細菌によって腐敗し、強い口臭になることがあります。
■食べカスなどが出す臭いによる口臭
虫歯の穴の中や歯の間などに、食べカスが挟まったままになることがあります。食べ物に含まれるタンパク質が細菌によって分解されて腐敗状態になると、強い臭いの原因になります。
■密集した舌苔(ぜったい)による口臭
舌苔とは、歯の表面に白く見える凹凸が異常増殖した状態です。少し白い程度が正常ですが、突起の量が増えたり長さが長くなったりして、まるでビロードのようになると、先端のタンパク質が分解されたり、突起の隙間に細菌や、食べ物などが残りやすくなるため、口臭の原因となります。
舌苔は、舌の不衛生が原因ではありません。体調を示すバロメーターと考えられ、量や形が変化します。よって、異常増殖した場合は体のバランスが整っていない可能性があるため、体調が改善すれば自然に量も減少してきます。
2. 口より奥に口臭の原因がある場合・病気が潜んでいる場合
口の中に口臭の原因がない場合、肺から吐き出される空気に臭いがついていることが多いです。内臓からの口臭の原因と聞くと、胃から発生する臭いだと思う人も多いようですが、胃の入口部分には弁があり臭いが口の方に上がってこないようになっているため、げっぷなどをしなければ、胃の中の臭いが外に漏れることは通常ありません。肺からの臭いは、主に血液中に取り込まれている臭い成分が、肺でのガス交換によって空気中に排出されることで起こります。ニンニクなどを食べると口臭が強くなるのはこのためです。
■食品による臭い
ニンニクやニラ、キムチ、アルコール、コーヒーなどの食品を摂取した後、口臭が起こることがあります。ニンニクやアルコールなどは、腸で吸収されて血液中に取り込まれ、それが肺からのガス交換によって吐き出されるのです。
キムチやコーヒー、タバコなどは、粘膜の表面に付着した食品自体の臭いも発生原因となります。
■全身疾患による臭い
糖尿病などは、他の口臭のような刺激がある臭いではなく、甘酸っぱい独特の臭いがします。肝疾患などの肝機能が低下するに従って、アンモニア臭が強くなります。気管支系の疾患があれば、タンパク質の腐った臭いが考えられます。
自分で口臭を消す方法・効果的な口臭対策法
糖尿病などの病気が原因の場合は、病気の治療が根本的な解決のためには不可欠です。ここでは口臭の原因別に、自分ですぐにできて、効果が期待できる口臭対策法をご紹介します。■どのタイプの口臭にも有効な対策法
・水やお茶を飲む
唾液の分泌が楽になったり、食品などの臭いの濃度を薄めたり、臭いの粒子を洗い流したりすることができます。原因がはっきりしなくても何だか口臭が気になると感じたら、まずは水をゆっくり時間をかけて飲んでみましょう。
・香りのタブレット、シート、ガムなど
口臭の出口となる口内で香りを乗せることができるため、どんなタイプの口臭にもある程度の効果が期待できます。清涼剤の効果で、口の中もさっぱりします。ガムは噛むたびに唾液の分泌が促されるため、臭いの洗い流し効果もプラスされます。
・マウスウォッシュを使用する
汚れや臭いを飲み込まずに吐き出すため清潔感もあります。できればブラッシングの後に行うのがよいでしょう。
■口の中の口臭原因に効果が高いもの
・ブラッシング
虫歯や歯周病が完全に治療されていなくても、ブラッシングを行うことによってプラークが減少し、歯ぐきの炎症が軽減します。口臭予防に効果的です。
・舌クリーナー
舌苔を落とす舌クリーナを利用することで一時的に口臭を低減することができます。しかし、体の内部の体調を改善しなければ、すぐに増殖してくるため、あくまで対症療法です。
■口より奥の口臭に効果が高いもの
・飲む口臭予防カプセル、サプリ
体の内部から発生する臭いや、食事の後の臭いなどを抑える効果が期待できます。完全に臭いがマスキングされるわけではありませんが、比較的長時間効果が続きます。
・りんごを食べる
ニンニクの臭いが気になるときは、ジュースではない、固形のりんごを噛んで食べると臭いが和らぎます。
してはいけない! 逆効果になる口臭を消す方法
・牛乳などの乳製品を取るニンニクなどの臭いが牛乳で消せるという話は有名ですが、食材そのものを牛乳に浸しているのとは違います。さらに日本人は多くの人が牛乳を完全に分解できないため、量が多いと分解されずに腸の中でメタンガスを発生させて、それが肺からの口臭となってしまう可能性も考えられます。やみくもに試すのは注意した方がよいでしょう。