人気のスタイル「カフェレーサー」を徹底解析!
今、バイクの世界でもっとも人気を博しているスタイル「カフェレーサー」。このスタイルが生まれたのは1960年代イギリスで、オートバイのレースに憧れる若者が自分のバイクをレーサー風にカスタムし、溜まり場としていたカフェからカフェへストリートレースを繰り広げたことに由来します。日本でもヤマハ SRを中心に人気を博しているカスタムスタイルが、近年改めて注目されるようになり、各メーカーがカフェレーサーをテーマとしたバイクを輩出しているのです。
今回、そんなカフェレーサーモデルのなかでも注目を集める2メーカーのモデル、イギリスのトライアンフ 新型スラクストンとアメリカのハーレーダビッドソン XL1200CX ロードスターを乗り比べ、それぞれのキャラクターを解析してみることにしました。
トライアンフ スラクストン
カフェレーサー文化発祥の地イギリスが生んだ、本家本元のカフェレーサー、それがこのスラクストンです。以前からこのスタイルを持ったスラクストンというモデルは存在していましたが(空冷エンジン仕様)、今回新しく開発された水冷バーチカルツインエンジンを搭載し、ブランニューモデルとしてデビューをはたしたのです。
ビジュアルこそクラシカルなテイストを保っていますが、バイクとしての性能は現代のロードシーンに合わせた最先端のレベルに達しているという、いわゆる「ネオクラシック」と呼ばれるテーマに基づいたマシン。エンジンも先代の空冷バーチカルエンジンを模した造形ながら、大幅にバージョンアップをはたしているのがうかがい知れます。ここまでクラシックテイストを再現したスラクストンのライドフィールがどんなものなのか、試乗前から楽しみです。
ハーレーダビッドソン ロードスター
先頃デビューをはたしたハーレー・スポーツスターの最新モデルは、これまでのスポーツスターの中でもっとも攻撃的とさえ言われています。「アメリカのハーレーがイギリスのスタイルを?」と思われるやもしれませんが、1977年に稀代のハーレーデザイナー ウィリーG(ウィリアムGダビッドソン)がXLCRという"ハーレーのカフェレーサー"を手がけており、このロードスターはそのXLCRにインスパイアを受けたもの。つまり、ハーレー流の伝統に則ったモデルということです。
エンジンは10年以上もスポーツスターを支え続けてきているエボリューション。スラクストンとわずか1cc違いの排気量1,201cc仕様ですが、こちらはハーレー特有の鼓動を奏でる空冷Vツインエンジン。ハーレーらしさ、スポーツスターらしさをしっかりと残しつつ、独自の解釈から象ったカフェレーサーとしての匂いをどこまで演出できているのか。スラクストンとの乗り比べて検証していきたいと思います。
>> 次ページ 2モデルの細部とポジションを見比べてみた!