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子供の折れない心を育む「自分を思いやる」という方法(2ページ目)

失敗をしてしまったり、物事がうまくいかない時、すぐに心が折れてしまう子と、たとえ倒れても再び立ち上がり歩き続ける子がいます。この記事では、「困難を跳ね返す力(レジリエンス)」を高めると昨今注目を集める「新しいメソッド」を紹介します。

長岡 真意子

執筆者:長岡 真意子

子育てガイド


「自分への思いやり」を構成する「3つの要素」

自分への思いやり2

大好きなパパやママに抱きしめられると、ほっとするもの。自分に対しても、同じように思いやりをこめて接するよう導いていきましょう。


「自分への思いやり」研究での第一人者とされるテキサス大学教授で心理学者のクリスティン・ネフ氏は、「自分への思いやり」とは、以下の3つの要素から成るとしています。

1.自分の感情や思考に気づいていること
まずは自分がどう感じ、何を考えているかを知ることで、自分が自分をどう扱っているかに気づいていくことができます。

2.不完全さは人類共通という見方

完璧な人などいません。自らの不完全さを、人としての共通した特徴と捉えることで、「私だけこんなにできない」などと孤立して考えることが少なくなります。

3.自分に対し親切であること
自分が自分をどう扱っているかに気づき、自分の不完全さは人類に共通した特徴と捉えた上で、自らの欠点や足りなさを包み込むよう、自分に親切に向き合います。

では、子供たちが、これら3つの要素から成る「自分を思いやる」姿勢を育むために、周りの大人に何ができるでしょうか?


「自分への思いやり」を育む方法

・「自分を思いやる」姿勢を体現してやりましょう
失敗や困難に、「自らを思いやる」姿勢で対応する様子を示してやりましょう。例えば、ごみを出す日を忘れてしまったとします。「ああ、ごみの日間違えちゃった。最近目が回るほど忙しかったから、忘れるのも無理ないわよね。今度は忘れないように、カレンダーに書いておきましょう」など、自らの失敗を過度に批判せず、理解と思いやりをこめた姿勢で向き合うよう心がけます。

・感情を表し整理するのを助けてやりましょう
「大切にしていたぬいぐるみが汚れてしまって悲しいね」、「積み木をこんなに高く重ねられて嬉しいね」、「思うように絵が描けなくてイライラしてるのね」など、様々な感情を、言葉で表すのを手伝ってやりましょう。自分がどう感じ、何を考えているのかに気づくことは、自分へ思いやりを向けられるようになる第一歩です。もやもやとした曖昧な感情を、よりはっきりと捉え整理できるようサポートしていきます。

・大好きなお友達に接するように自分に向き合うよう促します
失敗や困難に出合い、落ち込んでいるような場合は、「大好きなお友達が同じような状況にあったら、どんな言葉をかけてあげる?」と、大切に思うお友達を励ますような気持ちで自分に向き合うよう促します。大好きなお友達には、「お前はなんて馬鹿なんだ」「お前なんてきっと何したってできないよ」といった言葉はかけないもの。大切なお友達を励ますような気持ちで、自分に手紙を書いてみるのもいいでしょう。

・自分で自分を抱きしめるエキソサイズ
肌の温もりに触れることで、気持ちがほっとする「オキシトシン」というホルモンが分泌されると分かっています。子供と共に、胸や頬に手を当てたり、自分の両手で自分を抱きしめたりとしながら、自分に向け、「今日も頑張ったね」など、思いやりをこめた言葉をかけてやりましょう。難しい状況におかれた時だけでなく、普段から習慣にしておくのもいいです。こうしたエキソサイズは、自分を大切にする気持ちを培うだけでなく、親や、他者に思いやりをそそぐ職につく人々の、「燃え尽き」を防ぐ効果があるとも分かっています。

人生には、順風満帆な時もあれば、波の荒れ狂う逆境もあるもの。親子で「自分への思いやり」度を高め、人生のアップダウンを、たくましく駆け抜ける力を養っていきたいですね。
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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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