バイク/ドゥカティ

最先端のアメリカンクルーザー Xディアベル(2ページ目)

流行のスタイルを美しく落とし込んだ最先端のスポーツクルーザー Xディアベル。ドゥカティらしいスポーツバイクとしてのエッセンスも取り入れられた進化系ディアベルについてご紹介します。

田中 宏亮

執筆者:田中 宏亮

バイクガイド

本質はやはりスポーツバイク!

スタイルこそ最先端クルーザーながら、その乗り味はスポーツバイクのそれ!

スタイルこそ最先端クルーザーながら、その乗り味はスポーツバイクのそれ!


歴代最長となるロー&ロングスタイルが特徴的なXディアベル。前後ホイールが17インチと、現代のスポーツバイクに見られるフットワークを備えているものの、私がこれまで何度か試乗したことがあるハーレー・Vロッドのような直線番長型モデルなのかも……という先入観を抱いていました。240ミリというリアタイヤの太さも、そのイメージを強めるポイントでもありました。しかし、いざ走り始めてすぐにそのイメージは払拭されました。その姿こそクルーザー然としていますが、実際のライドフィールはこれまでのドゥカティと変わらぬスポーツバイクとしての乗りやすさが備わっていたからです。

身長174センチのライダーによる足つきチェック。ステップ位置がフォワードコントロールなので、足を突き出したポジションになるのが特徴的

身長174センチのライダーによる足つきチェック。ステップ位置がフォワードコントロールなので、足を突き出したポジションになるのが特徴的


ローシートを備えた750ミリのシート高は、身長174センチのライダーならご覧のとおりのベタ足です。そしてXディアベルの特徴でもあるフォワードコントロールステップにより、足のポジションは前に突き出すかのようなものに。ハーレーでは珍しくないフットポジションをドゥカティが取り入れてきたことが驚きでもあり、それがVロッドのイメージを強める要因でもありました。

ロー&ロングのフォルムでありながら、高い旋回性を持ち合わせるXディアベルの性能には驚かされた

ロー&ロングのフォルムでありながら、高い旋回性を持ち合わせるXディアベルの性能には驚かされた


ところがこのXディアベル、見た目とは裏腹に高い旋回性を見せつけてくれたのです。ハーレー・Vロッドだと、コーナリング性能の一部を犠牲にしたハイウェイマシンであることから、コーナーに差し掛かった段階で「よし、しっかり曲げていかねば」と気持ちの準備が求められるところがあるのですが、このXディアベルはそんな前準備などせずとも、さらりとコーナーをクリアしていってくれたのです。ロングホイールベースのモデルが最も苦手とするUターンでも、思っていた以上に軽やかかつコンパクトに曲がってくれました。

マッシブなボディを持ちながら、その重量は247キロとライバルモデルと比較すると驚くほどの軽さ

マッシブなボディを持ちながら、その重量は247キロとライバルモデルと比較すると驚くほどの軽さ


そのスタイルを見ると、相当の重量級モデルに見えるXディアベルですが、実際の重量は247キロという軽さ。302キロというハーレー・Vロッド(VRSCDX ナイトロッドスペシャル)の重量と比べると、違いは歴然。ここにXディアベル専用の前後17インチホイール&ピレリタイヤ、シングルリアショック、倒立フロントフォークといったスポーツバイクに求められる高性能なフットワークが組み合わさり、軽快なライディング性能を成立させているというわけです。

ドゥカティ流スポーツクルーザー Xディアベル

エンジンはムルティストラーダ1200にも備わる最新型の「テスタストレッタ DVT デュアルスパーク L型2気筒水冷 デスモドロミック4バルブ / 排気量1,262cc」だ

エンジンはムルティストラーダ1200にも備わる最新型の「テスタストレッタ DVT デュアルスパーク L型2気筒水冷 デスモドロミック4バルブ / 排気量1,262cc」だ


極めつけはエンジン。ドゥカティが持つ最新の技術を投入した究極モデル「ムルティストラーダ1200」にも搭載されているテスタトレッタDVT(デスモドロミック可変タイミングの略)のボアアップバージョンが備わっています。低回転域と高回転域の両方で最適なパワーを引き出す最新システムが導入されたエンジンが心臓となっており、これがシティユースからハイウェイライド、ワインディングランとあらゆるシチュエーションでも最適なパフォーマンスを発揮してくれるのです。

街乗りで求められる低回転域のパフォーマンスは、トルクフルで心地よい鼓動を味わわせつつ、無駄のないフィーリングで駆け抜けられるセッティングになっていたXディアベル

街乗りで求められる低回転域のパフォーマンスは、トルクフルで心地よい鼓動を味わわせつつ、無駄のないフィーリングで駆け抜けられるセッティングになっていたXディアベル


印象的だったのは、低回転域の味付け。ツインエンジン特有の鼓動感を楽しませつつ、過不足ないパワー供給でストップ&ゴーが多い都心部でもストレスなく走り抜けていってくれました。また、シチュエーションに合わせた性能に切り替えられるライディングモード(スポーツ / ツーリング / アーバン)を駆使すれば、まったく異なるキャラクターのXディアベルを楽しむことができます。

最先端のデザインと最新の技術を取り入れた究極のスポーツクルーザー Xディアベル

最先端のデザインと最新の技術を取り入れた究極のスポーツクルーザー Xディアベル


ドゥカティのDNAを感じさせるスポーツバイクでありながら、カスタムバイクのような流麗なシルエットを持ち合わせている究極のスポーツクルーザー、Xディアベル。実際に乗ってみれば、クルーザーやツアラーと呼ばれるカテゴリーのバイクに対する考え方を改めさせられることでしょう。

スタンダードなXディアベルと、ハイグレードな装備が加わったXディアベルSの2タイプが用意されている

スタンダードなXディアベルと、ハイグレードな装備が加わったXディアベルSの2タイプが用意されている


このXディアベル、スタンダードなモデルに、DRLフルLEDヘッドライトやバックライト付ハンドルスイッチ、プレミアムシート、Bluetoothモジュールなどが備わったハイグレード仕様の「XディアベルS」もラインナップされています。ビレットパーツとの組み合わせがその黒さを一層際立たせているのです。それぞれの違いを知ったうえで、好みにあったタイプを選べるのも嬉しいところですね。


[DUCATI XDiavel SPECIFICATIONS]
DUCATI XDiavel

DUCATI XDiavel

全長/2,310mm
全幅/1,010mm
全高/1,133mm
ホイールベース/1,615mm
シート高/750mm(日本仕様)
車両重量/247kg(乾燥重量 220kg)
エンジン型式/テスタストレッタ DVT デュアルスパーク L型2気筒水冷 デスモドロミック4バルブ
排気量/1,262cc
燃料タンク容量/18リットル (リザーブ容量含む)
フロントホイール/鋳造軽合金 3.50x17
フロントタイヤ/120/70 ZR17 ピレリ製ディアブロ・ロッソ2
リアホイール/鋳造軽合金 8.00x17
リアタイヤ/240/45 ZR17 ピレリ製ディアブロ・ロッソ2

【メーカー希望小売価格(消費税込)】
227万8000円
(2016年5月現在)

[DUCATI XDiavel S SPECIFICATIONS]
DUCATI XDiavel S

DUCATI XDiavel S

全長/2,310mm
全幅/1,010mm
全高/1,133mm
ホイールベース/1,615mm
シート高/750mm(日本仕様)
車両重量/247kg(乾燥重量 220kg)
エンジン型式/テスタストレッタ DVT デュアルスパーク L型2気筒水冷 デスモドロミック4バルブ
排気量/1,262cc
燃料タンク容量/18リットル (リザーブ容量含む)
フロントホイール/鋳造軽合金 3.50x17
フロントタイヤ/120/70 ZR17 ピレリ製ディアブロ・ロッソ2
リアホイール/鋳造軽合金 8.00x17
リアタイヤ/240/45 ZR17 ピレリ製ディアブロ・ロッソ2

【メーカー希望小売価格(消費税込)】
266万8000円
(2016年5月現在)
【編集部おすすめの購入サイト】
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