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冬のバイク用防寒グローブ、メーカー広報おすすめ13選

寒さの厳しい冬にバイクを運転していると、指先が冷えて操作しづらくなりますよね。数多くのメーカーからバイク用防寒グローブが発売されていますが、どれを買えばいいのでしょうか? 今回は10のメーカーの広報からおすすめのウィンターグローブをお借りして実際に使ってみました。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

数多くのメーカーからバイク用の防寒グローブ(ウィンターグローブ)が発売されており、何を選べばいいのか悩んでいませんか? 今回は冬のバイク用防寒グローブの賢い選び方と、10メーカー13製品がおすすめする上質なグローブのインプレッションをお届けします。

【目次】  

冬のバイク用グローブは何を基準に選べば良い?

バイクに乗る際に必須のアイテムと言えばヘルメットですが、雨風から手を守るグローブもとても大事。バイク用グローブに求められる最低限の機能は、防風性能です。バイクは常に風を切って走ります。つまり隙間風が入る目の粗い軍手や毛糸のグローブ等は、本来バイク用グローブとして適していません。

さらにバイク用グローブは操作性の見極めも大切。中綿の量が多いグローブは保温性がありますが、綿の分だけ手元がゴワゴワし、操作性が悪くなることが多いです。バイクはブレーキやクラッチ、アクセルなどで手をよく使うため、たとえ冬でもゴワゴワとかさばるグローブは安全のためにもおすすめできません。さらにプロテクター機能があると安心。万が一転倒したときにも手を保護してくれるので、あって損ではない機能と言えるでしょう。

今回はバイク用品メーカー、アウトドアメーカー、作業着メーカーにもご協力頂き、広報担当者おすすめのバイク用防寒グローブをお借りしました。
11月のはじめ頃から11月の終わりまで、13種類のグローブを実際にバイク運転時に使用し、感触を確認しました。操作性や保温性は星の数で評価をつけています。ただし天候条件が常に一定ではなかったので、こちらの評価は参考程度に見てください。

防水性や耐久性なども比べたかったのですが、長期的に使ってみなければわかりません。いくつかのモデルは長期に貸し出しして頂きましたので後日追記したいと思います。

それでは防寒グローブ13モデルを一気に見ていきましょう。
 

ホンダ アウトドライ カウレザーグローブ

牛革のシンプルなグローブ

牛革のシンプルなグローブ



価格:9900円(税抜き)
機能:防風・防水・透湿
操作性:☆☆☆☆☆(使い始めは若干硬い)
防寒性:☆☆☆
素材
表地:牛革
裏地:ナイロン
ライナー:アウトドライ
中綿:なし

牛革に防水透湿素材のアウトドライを接着したグローブで、中綿は採用していません。裏地は表切れていませんでしたが恐らくナイロンの起毛素材を採用しており、手を入れると中綿がないのに暖かく感じました。

バイク用のレザーグローブは動かしやすさなどを考慮し、表面生地は革だけではなく数種類の素材を採用することが多いのです。ところがこのグローブはあっさりと牛革だけを採用しています。硬く動かしにくいかなと思いましたが、馴染みが良く操作性には優れていました。
 
掌革はハンドルに当たる部分に補強が施されています

掌革はハンドルに当たる部分に補強が施されています。

中綿が入っていない分寒いかなと思っていたのですが、気温が12度前後では防風性・保温性に優れていて寒さを感じませんでした。真冬に使うには厳しいかもしれません。また比較的タイトな作りなので、インナーグローブを使うとしたら厚手のものは厳しいかもしれません。

今回紹介する中では最もシンプルなデザイン。街で使っていても違和感の無いフォルムなので、使うシチュエーションを選ばず便利かもしれませんね。

 

ホンダ プロテクトウインター グローブロング

カラーリングもホンダらしい

カラーリングもホンダらしい


価格:9800円(税抜き)
機能:防風・防水・透湿・スマホタッチ・プロテクター・緩衝フォーム
操作性:☆☆☆☆☆(使い始めは若干硬い)
防寒性:☆☆☆☆
素材
表地:ナイロン・ゴートレザー・ポリウレタン
裏地:ポリエステル
ライナー:HiPORA
中綿:シンサレート

目立ちにくいよう、手の甲側は生地の内側にナックルガードを備え、掌側には転倒時に衝撃を逃すカーボンスライダーを備えた防御力の高いグローブです。表生地にはナイロン・ゴートレザー・ポリウレタンを採用しており、動かしやすいように立体裁断加工をしているだけなく、シャーリングを採用していて操作性は抜群。

中綿にはシンサレートを採用していますが、中綿の量は操作性と保温性のバランスを重視した適度な量に仕上がっています。ただサイズ感はやや大きめの印象。ウインカー操作の際に指先があまってしまい、慣れるまで少し時間がかかりました。
指先にはリフレクター、掌には緩衝パッドなど機能性が充実している

指先にはリフレクター、掌には緩衝パッドなど機能性が充実している。


指先には車のヘッドライトの光を反射するリフレクター、スマートフォンタッチ機能に衝撃吸収パッドがついているなど、多機能で優れたモデル。肝心の防寒性能も、気温13度前後での走行では暖かく感じました。ただ透湿性もしっかりしているので、寒くなり始めた時期から使っても良いかもしれません。

 

RSタイチ アームドウインターグローブ

2018年モデルはマイナーチェンジ

2018年モデルはマイナーチェンジ


価格:9800円(税抜き)
機能:防風・防水・透湿・スマホタッチ・プロテクター・緩衝フォーム
操作性:☆☆☆☆☆(使い始めは若干硬い)
防寒性:☆☆☆
素材
表地:合成皮革・ナイロン・牛革・やぎ革・ネオプレン
裏地:ポリエステル
ライナー:ドライマスターグローブインサート
中綿:シンサレート

2017年も販売していたアームドウインターグローブは、2018年も継続販売。マイナーチェンジし熟成を図っています。なんと言っても嬉しいのは価格。去年は1万1200円(税抜き)でしたが、今年は9800円(税抜き)に値下げされています。

表地には合成皮革・ナイロン・牛革・山羊革・ネオプレンと異素材を組み合わせ、表地と内装の間には防水・透湿性能に優れたドライマスターという素材を採用。さらに内装には起毛生地のポリエステルを採用しつつ、カーボンナックルプロテクターでプロテクション性能を高めた多機能モデルです。
2018年モデルは掌側にもカーボンプロテクターが装備された

2018年モデルは掌側にもカーボンプロテクターが装備された


袖口の部分はゴムで適度なフィット感がありつつ、雨天時などしっかりと手首部分をしめたいときにはマジックテープでしめることが可能です。実際に使ってみると、断熱性と保温性に優れた中綿「シンサレート」を採用しているはずですが、中綿の量は比較的少ない印象です。冬用のバイクグローブというと中綿の量が多くモコモコしているイメージですが、アームドウインターグローブは細身でフィット感に優れており、操作性を意識したモデルと言えます。

革を使っているので、生地表面の質感に高級感があります。いろいろな生地が張り合わされている表地なので、縫い目から水が染みてくるかなと思ったのですが、テスト期間中の雨天時に試したところ、1時間走行しても水がしみてくることはありませんでした。防水性は高そうです。

体が温かい状態で着用すると保温性が高く暖かい状態が続きますが、中綿の量が少ない分、体が冷えた状態で着用すると温かいというよりは寒くないという表現が正しいでしょう。恐らくほぼ新品状態のグローブを借りたので、使いはじめは硬い感じがしましたが、3日間使っているうちに馴染みました。使い込むことでさらに操作性は良くなっていきそうです。※購入の際は、サイズに注意してください。

 

モンベル ウィンドストッパーインシュレーテッドサイクルグローブ

 
2018年モデルはマイナーチェンジ

2018年モデルはマイナーチェンジ



価格:6800円(税抜き)
機能:防風・透湿・スマホタッチ・緩衝フォーム
操作性:☆☆☆☆☆
防寒性:☆☆☆☆☆
素材
表地:ウインドストッパーファブリクス・ポリエステル・合成皮革
裏地:ポリエステル
ライナー:なし
中綿:シンサレートウルトラ

2018年もウィンドストッパーインシュレーテッドサイクルグローブはマイナーチェンジして継続販売。ただし価格は2017年モデルが4500円だったのに対して2300円値上がりしてしまいました。その分、素材などを見直し使い勝手は向上しています。

モンベルはバイク用のグローブも販売していますが、オススメして頂いたのはサイクルグローブ。その中でも暖かく操作もしやすいのがウィンドストッパーインシュレーテッドサイクルグローブです。こちらは中綿にシンサレートウルトラを採用しており、シンサレートに比べると15%断熱性に優れています。表地にはウインドストッパーファブリクスを採用しており、防風性と透湿性に優れた素材です。

ハンドルに体重を掛けて運転する自転車用のグローブらしく、手のひらの荷重がかかるポイントには緩衝フォームが封入されています。そのため前傾の厳しいスポーツバイクを運転する際などにも良さそうです。バイク用のグローブではありませんが、生地が柔らかく動きを邪魔しない素材が採用されているので、バイクの操作をしてもストレスはありません。
 
パッドの位置がやや変わり、裏地がポリエステルになった

パッドの位置がやや変わり、裏地がポリエステルになった


さらに中綿のシンサレートウルトラと裏地の起毛処理されたポリエステルは非常に暖かく、真冬でも耐えることができそうです。こちらも気温が10度前後の際に使用すると手汗をかくほどに暖かかったのですが、透湿性能に優れているので蒸れることはありませんでした。残念な点としては、防水性能がないので全天候型ではないところと、手首部分の絞りがない点です。 ※購入の際は、サイズに注意してください。

 

モンベル OutDry サイクルグローブ

これ一枚だと防寒性は期待できない

これ一枚だと防寒性は期待できない


価格:7143円(税抜き)
機能:防風・防水・透湿・緩衝フォーム
操作性:☆☆☆☆
防寒性:☆
素材
表地:アウトドライ・合成皮革
裏地:ポリエステル
ライナー:なし
中綿:なし

防水透湿性能と操作性を最高レベルで実現する「OutDryテクノロジー」を採用し、手のひらの荷重がかかる部分には緩衝フォームを封入しています。裏地にはメッシュ生地を採用しており、気温の高い状況下でも蒸れやべた付きを感じず、サラサラの状態を保つことができます。

しかしこちらのグローブは、中綿が入っているわけではありません。触ってみるとペラペラです。私がこちらのグローブを推す理由は、防水透湿性能が高く、薄い素材を採用していることで濡れても乾きやすいからです。
こちらもしっかりとクッションが入っている

こちらもしっかりとクッションが入っている。


冬の雨天時に中綿まで濡れてしまったグローブは、なかなか乾きません。しかも防水グローブはドライヤーで乾かすと、基本的に防水性能が落ちてしまいます。中綿入りのグローブは濡れてしまうと乾くのに1日以上かかることも少なくありません。その点、OutDryサイクルグローブは乾きやすく防水透湿性能に優れているので、連続して雨の日が続いてもサラサラの状態で使うことができます。

問題は防寒性に欠ける点ですが、こちらはインナーグローブを使うことで解決できます。サイズはMサイズをお借りしましたが、他社と比べて一回り大きく指先も若干余る印象でした。一般的なMサイズに比べると少々大きいようです。そのためインナーグローブをつけた状態でOutDryサイクルグローブをつけても、窮屈感がありません。

モンベルではフリース素材のシャミースインナーグローブを扱っています。シャミースはストレッチ性に優れ肌触りが良く、蒸れない素材なので、インナーグローブにはピッタリ。しかも速乾性にも優れているので、冬の雨が続く時にはOutDryサイクルグローブとシャミースインナーグローブの組み合わせが最高と言えるでしょう。※購入の際は、サイズに注意してください。

 

クシタニ ウインドストップウインターグローブ

ウインドストップウインターグローブはマイナーチェンジ

ウインドストップウインターグローブはマイナーチェンジ


価格:8600円(税抜き)
機能:防風・透湿・スマホタッチ・緩衝フォーム
操作性:☆☆☆☆
防寒性:☆☆☆☆☆
素材
表地:綿・撥水牛革・人工皮革・ポリエステル
裏地:アンチピリングスリース・ポリエステル(テトニット)
ライナー:透湿防風フィルム3レイヤー
中綿:シンサレート

ウインドストップウインターグローブは手の甲側にコットンを採用したカジュアルなデザインです。コットンだけだと風を通してしまいますが、透湿・防風フィルムが入っているので風を通すことはありません。暖かさを決める中綿はシンサレートが採用されており、しかも比較的ぎっしりと入っています。しかし掌側の稼動部はコットンになっているので、動かしやすくなっていました。一部に革を採用していますが、硬さを感じることもありません。
2018年モデルはネイビーとイエローがラインナップ

2018年モデルはネイビーとイエローがラインナップ


走行した日の昼間は気温が15度ぐらいまで上がったシチュエーションだったため、中綿がシンサレートということもあり若干暑いぐらいに感じられました。しかし掌側には吸汗速乾性に優れたテトニットが採用されているため、蒸れることはありませんでした。防水機能はありませんが、バツグンの暖かさと操作性に優れたグローブです。※購入の際は、サイズに注意してください

 

ゴールドウイン ゴアテックスウインターレザーウォームグローブ

表面はオールレザーで上品な印象

表面はオールレザーで上品な印象


価格:1万6000円(税抜き)
機能:防風・防水・透湿・緩衝フォーム・シールドワイパー
操作性:☆☆☆☆☆(使い始めは若干硬い)
防寒性:☆☆☆☆☆
素材
表地:やぎ革(撥水加工)
裏地:フリース・フィールドセンサー
ライナー:ゴアテックス
中綿:光電子プリマロフト・シンサレート

表面全体に撥水加工を施したやぎ革を採用したグローブです。見た目はバイク用のグローブという感じではなく、街中で使っていても違和感のないデザインに仕上がっています。

バイクグローブに見えないデザインですが、機能性で見てみれば掌には振動を吸収するアンチバイブレーションフォーム、人差し指のところにはシールドに雨がかかり見えにくくなった際にワイパーのように使うことができるシールドワイパーを装備しています。

防寒性は非常に優れており、中綿に光電子プリマロフトとシンサレートを採用しています。保温、軽量、撥水、柔軟、通気全ての面に優れた光電子プリマロフトはアメリカ軍などでも採用されており機能性は折り紙つき。インサートには防水・透湿素材としては非常に有名なゴアテックスを採用しています。
手首はマジックテープでしっかり締まる

手首はマジックテープでしっかり締まる

さらに裏地には甲側に暖かいフリース、掌側にはフィールドセンサーという素材を採用しています。いろいろなバイク用ギアを使ったことがありますが、フィールドセンサーという素材には初めて触れました。調べてみたところ、汗によるべた付きやまとわりなどを感じさせない着心地を実現したスポーツウェア素材のようです。触った感じはメッシュのようなサラリとした素材となっています。

中綿がしっかりと入っており非常に暖かいグローブですが、ゴアテックスの透湿性能とフィールドセンサーの組み合わせは相性がよく、常にサラリとした触り心地でした。恐らく新品の状態の製品を貸していただけたようなので、初めは革が硬く操作性もイマイチに感じましたが、1日使っただけでもかなり馴染んできました。※購入の際は、サイズに注意してください

 

ゴールドウイン ゴアテックス X-OVER ウインターグローブ

中綿の量が多く見た目はもっさりしているが操作性は悪くない

中綿の量が多く見た目はもっさりしているが操作性は悪くない


価格:1万3800円(税抜き)
機能:防風・防水・透湿・緩衝フォーム・シールドワイパー・プロテクター
操作性:☆☆☆☆☆(使い始めは若干硬い)
防寒性:☆☆☆☆☆
素材
表地:ストレッチナイロン・牛革・人工皮革
裏地:ボア・起毛トリコット
ライナー:ゴアテックス
中綿:シンサレート

ここ数年ゴールドウインが力を入れているクロスオーバーシリーズ。バイクだけでなく街着やアウトドアにもそのまま溶け込むデザインがコンセプトになっています。そのクロスオーバーシリーズのジャケットに合わせて使いたいのが、X-OVERウインターグローブです。

今回お借りしたのはブラックでしたが、他のカラーはタンやカーキがラインナップされ、どことなくミリタリーテイストを感じさせるグローブです。手の甲部分にはプロテクションカップが内蔵され、使い勝手だけでなく安全性にも配慮しています。
 
今回紹介したラインナップの中で暖かさという面では断トツだった

今回紹介したラインナップの中で暖かさという面では断トツだった

中綿にはシンサレートをたっぷり使用しており、裏地にはボアを採用しているため、かなり暖かく感じました。一見すると中綿の量が多いこともあり、かなりぼてっとして見えるのですが、着用してみると意外にもピッタリしていて操作性もバッチリでした。

 

パワーエイジ ソフトフィールウインターグローブ

2018年モデルはゴアテックスではなくアウトドライを採用

2018年モデルはゴアテックスではなくアウトドライを採用


価格:1万2800円(税抜き)
機能:防風・防水・透湿・緩衝フォーム
操作性:☆☆☆☆
防寒性:☆☆☆☆☆
素材
表地:ナイロン・WINDSTOPPER?
裏地:ポリエステル
ライナー:アウトドライ
中綿:フレサーモR

ソフトフィールという名前どおり、使用感が非常に柔らかいグローブです。柔らかいので操作性は抜群。内外装の素材は公表されていませんが、裏地は恐らくポリエステルの起毛素材。表地は革を含めた3種類ぐらいの素材を場所ごとに使い分けている感じです。これが独自の柔らかい感触を作る理由の一つでしょう。

2018年モデルは防水透湿フィルムをゴアテックスから、グローブの外装と熱でピタリと圧着しているアウトドライに変更。さらに操作性が進化しました。昨年モデルと比べると保温性は変わっていない印象ですが、透湿性能は2017年モデル、操作性は2018年モデルに上がる印象でした。
 
素材が見直され操作性がよくなった

素材が見直され操作性がよくなった


中綿には赤外線を吸収して熱変換するフレサーモを採用しています。そのため天気が良いときほどしっかりと発熱して、温かくなる印象がありました。気温が低くても、天気が良ければ綿自体が発熱して暖かくなっている感じです。

掌には衝撃吸収素材のPORONを採用しています。優れたクッション材で衝撃エネルギー吸収性にも優れているので、バイクの振動が手に伝わってくるのを緩和し、事故の際などにはプロテクターの効果も発揮します。※購入の際は、サイズに注意してください

 

SPIDI NK-6

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ゴートレザーのSPDI NK-6


価格:1万9800円(税抜き)
機能:防風・防水・透湿・スマホタッチ・プロテクター・リフレクター・シールドワイパー
操作性:☆☆☆☆☆(使い始めは若干硬い)
防寒性:☆☆☆☆☆
素材表地:ゴートレザー
裏地:マイクロフリース
ライナー:H2OUT
中綿:プリマロフト
 
元モトGPライダーの中野真矢氏が率いるブランド「56design」(会社名はオフィスフォーエイト)が扱うイタリアの用品ブランドがSPIDI(スピーディー)です。現在は総合アパレルブランドになっていますが、1977年の創業当時はグローブメーカーとして誕生した経緯があるため、現地イタリアではグローブの品質に定評があるようです。
 
個人的に感心したNK-6の最大の特徴は、ライナーにH2OUTという素材を採用しているということ。こちらはなんとバイク用に東レと共同開発した防水・透湿素材。ゴアテックスやOUTDRYなどの防水透湿素材を採用している製品が多い中、自社で開発してしまうとは驚きです。
 
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自社開発のグローブ


製品の使い勝手も考えられており、メインの素材はゴートレザーですが、指や手首の稼動部分にはシャーリング、素材の一部にはストレッチ素材が採用されています。中綿には大量に中綿が入っており見た目はモコモコしていますが、動かしにくさは皆無です。
 
気温が一桁代のときに使用しましたが、室内が暖かかったこともあり、走り出しはやや汗ばむぐらい。汗で内装が濡れちゃうかな、と思いましたが、透湿性能が高いため蒸れることはありません。H2OUTの透湿性能は他の防水・透湿ライナーと同程度以上は優れているようです。

 

スコイコ TG02

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ハイエンド製品のスコイコTG02


価格:1万2000円(税抜き)
機能:防風・防水・スマホタッチ・プロテクター・シールドワイパー
操作性:☆☆☆☆☆
防寒性:☆☆☆☆☆
表地:牛革、羊革
裏地:ポリエステル
ライナー:PVCライナー
中綿:シンサレート
 
バイク用品店のナップスがオリジナル商品の開発を行うために作った事業部「Nプロジェクト」が販売総代理店として扱うメーカーがSCOYCO(スコイコ)。こちらは多くのバイク用品の製造を行っている中国の広州に本社を置くメーカーです。元々はOEMで製品提供を行う会社でしたが、2003年にSCOYCOブランドを設立。比較的低価格に設定されていることもあり、ナップスでの販売も好調のようです。
 
スコイコの今期のウインターグローブのラインナップは最も低価格な製品が3800円となっており非常にリーズナブルですが、ご紹介するグローブはハイエンド製品のTG02。見た目はカーボンプロテクターが表裏に設置されスポーティーな印象です。
 
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真冬の使用に割り切ったグローブ


こちらは真冬の使用に割り切っており、透湿性能はなし。ライナーには防水性に優れたPVCライナーを採用しています。中綿にはシンサレートを大量に入れており非常に暖かく、少し暖かい日に使用すれば手汗をかくのは間違いなさそうです。
 
ハンドルを握ったときに手が当たる部分は、磨耗性に優れた牛革で補強されており、転倒時にはカーボンプロテクターだけなくあちこちに配置された緩衝パッドやゴムのスライダーが衝撃を和らげてくれそうです。
 
しなやかな山羊革を採用しつつ、一部にはシャーリングを施すなど動かしやすさにも考慮。スマホタッチやシールドワイパー機能なども備えた多機能モデル。さすがスコイコのハイエンドグローブというだけあります。

 

マクナ インテンス

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30度バックルが特徴のマクナ インテンス


価格:1万9800円(税抜き)
機能:防風・防水・透湿・スマホタッチ・プロテクター・シールドワイパー・緩衝パッド
表地:山羊革、ポリエステル(OUTDRY)
裏地:ポリエステル
ライナー:PVCメンブレン
中綿:ポリエステル
 
MACNAは「Nプロジェクト」が輸入総代理店として扱っているメーカー。こちらはオランダのメーカーで、ジャケットやパンツなど幅広く製造しています。しかしもともとはグローブメーカーとして創業しているため、グローブの品質にも定評があります。
 
最大の特徴は30度バックル。インテンスはロングタイプグローブで裾の部分がマジックテープで絞れるようになっていますが、手首部分もマジックテープで絞ることができるようになっています。手首部分のマジックテープが真っ直ぐではなく、30度になっているのが特徴的。絶妙なフィット感を得つつも、手首の動きを邪魔しない作りになっています。
 
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操作性にも防寒性にも有効な印象


人差し指から親指にかけて素材を分けずに一つの素材で構成することで、ハンドルを握る部分の強度を増してフィット感を高める設計も採用。動かしやすさや使い勝手は、徹底的に配慮されています。
 
シールドワイパーやスマホタッチ、プロテクターの防御力にも優れています。中綿はポリエステルを採用しており高機能素材というわけではないのですが、意外にも非常に暖かくシンサレートなどを採用しているグローブと同等以上の暖かさを感じました。このあたりはスペック表だけはわからない「作りの良さ」なのかもしれません。

 

ワークマン イージス 袖付防水防寒手袋

圧倒的なパフォーマンスのイージスの防水防寒手袋

圧倒的なパフォーマンスのイージスの防水防寒手袋


価格:1900円(税抜き)
機能:防風・防水
操作性:☆☆☆☆
防寒性:☆☆☆☆
素材
表地:ポリエステル・ポリウレタン・革
裏地:ポリエステル
ライナー:PVCフィルム
中綿:シンサレート

圧倒的なコストパフォーマンスのワークマンの防水・防寒ブランド「イージス」のグローブは、2018年さらにアップデート。2017年モデルは大量に中綿が入っているものの操作性はイマイチの印象でしたが、2018年モデルは進化しました。

生地にストレッチ素材を採用することで大幅に操作性が良くなり、表地には革を採用するなど質感にもこだわりを感じます。インナーにPVCフィルムを入れることで、縫製部分から多少浸水しても中までは入らないようになっており、「これで1900円」と驚きを隠せません。
 
この値段で望んではいけないけれど、透湿性能があればなぁ

この値段で望んではいけないけれど、透湿性能があればなぁ

他に紹介したグローブのように極端に機能性に富んでいたり、質感が高いわけではありませんが、通勤用の冬用グローブならこれで充分かな、と思ってしまうクオリティです。無くて残念なのは透湿性ですが、真冬に使うなら問題ないでしょう。

 

グローブ購入前には必ず試着を!

ここ数年でライダーの価値観も多様化してきている印象を持っていましたが、転倒や事故を起こした際のプロテクター能力を重視した昔ながらのグローブもあれば、ファッション性を重視したグローブもあり驚きました。

今回紹介したグローブの中には1万円以下の製品もありますが、昔であれば1万円以下でコレだけの性能のグローブは購入できなかったと思います。特に驚いたのは、透湿性能の素晴らしさ。冬用のグローブは暖かいものの、汗ばんだときに内装が汗を吸って感触が悪くなる印象を持っていました。しかし最近の透湿素材は非常に優れており、対応できる温度帯が広いように感じました。

最後に一つだけ注意点を。私は普段Mサイズを使っていますが、各メーカーによってサイズ感は若干異なります。特に親指部分があまるようだと、ウインカーを操作しにくいことがあります。量販店を見に行ってみたところ、試着はできるようですので、購入前にはサイズ感を必ず確認して購入するようにしましょう。
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