貯蓄保有世帯の中央値は4連連続増加
平均貯蓄額をチェック
3年連続の増加となりましたが、過去2年と比較すると増加率は鈍化しています。貯蓄保有世帯を2分する中央値は前年比2万円増加して1054万円と4年連続の増加となっています。
このうち勤労者世帯（2人以上世帯に占める割合は51.2％）についてみると、貯蓄現在高は前年と比較して19万円、1.5％の増加となり1309万円となりました。中央値は前年比20万円増加して761万円になりました。増加額、増加率共に2人以上世帯全体より高めですが、平均値、中央値共に全体より低くなっています。非勤労者、言い換えれば高齢者世帯に貯蓄が偏っていることがうかがえます。
2人以上世帯の貯蓄現在高階級別の世帯分布では、平均値（1805万円）を下回る世帯が68%と全体の約3分の2を占めており、100万円未満の世帯は全体の11.1%になります。勤労者世帯では、平均値（1309万円）を下回る世帯が68%を占めており、100万円未満は13.2％になります。全体、勤労者世帯共に持つ者と持たざる者の差が顕著に現れているような気がします。
定期性預貯金は減少する傾向
それでは貯蓄の種類別内訳を見て行くことにしましょう。2人以上世帯全体の貯蓄の種類別に1世帯当たりの貯蓄現在高をみると、定期性預貯金が734万円（貯蓄残高に占める割合40.7％）で最も多く、次いで通貨制預貯金394万円（同21.8％）、生命保険など374万円（同20.7％）、有価証券が264万円（同14.6％）と続きます。
このうち勤労者世帯についてみると、定期性預貯金が470万円（同35.9％）で最も多く、次いで通貨制預貯金324万円（同24.8％）、生命保険など310万円（同23.7％）、有価証券146万円（同11.2％）と続きます。
前年の2014年と比較すると、2人以上世帯については、有価証券、通貨制預貯金及び生命保険などは増加となっています。中でも有価証券は、前年と比較して13万円、5.2%の増加となり、3年連続の増加となっています。一方、定期性預貯金は、前年と比較して24万円、3.2％の減少となり、実に7年振りの減少となっています。マイナス金利政策が2016年2月半ばから導入されたことを考慮すれば、定期性預貯金の減少は加速するかもしれません。
また、勤労者世帯では、有価証券、通貨制預貯金及び定期性預貯金は増加となっています。特に通貨制預貯金は、直接比較可能な2002年以降13年連続して増加となっています。また、有価証券は前年と比較して10万円、7.4%の増加となり、3年連続となっています。生命保険などは減少となっています。
負債現在高は前年と比較して2.0%減少の499万円
2人以上世帯における平成27年平均の1世帯当たり負債現在高（平均値）は499万円で、前年と比較して10万円、2.0％の減少となっています。このうち勤労者世帯についてみると、負債現在高（平均値）は755万円で、前年に比べて1万円、0.1%の減少となっています。家計の財務状況は強固の方向に向かっているようです。負債年収比（負債現在残高の年間収入に対する比）をみると、2人以上世帯では81.0％と前年に比べて1.9ポイントの低下、このうち勤労者世帯では106.5%と前年と比較して1.2ポイントの低下となっています。
ただ、2人以上世帯に占める負債保有割合は38.1%で、前年と比較して0.3ポイントの上昇となっています。このうち勤労者世帯の負債保有割合は53.8％で、前年と比較して0.9ポイントの上昇となっています。
2人以上世帯の負債保有世帯だけに限ってみると、負債現在高（平均値）は1301万円で、平均値を下回る世帯が58.1％を占めています。負債保有世帯を2分する中央値は976万円（前年1019万円）となった。このうち勤労者世帯についてみると、負債保有世帯の負債現在高は（平均値）は1403万円で、平均値を下回る世帯の割合は54.6％になっています。
