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不動産契約の「言った、言わない」を防ぐメモの取り方

物件探しから売買契約、引き渡しまでの過程において、不動産会社との間ではさまざまなやり取りがあります。そのなかで「言った、言わない」のようなトラブルを避けるためには、「適切な方法」でしっかりとメモをしておくことが欠かせません。メモをする際の大切なポイントを考えてみましょう。(2017年改訂版、初出:2016年4月)

執筆者:平野 雅之


初めての人にとって難解で複雑なことも多い住宅購入ですが、聞き慣れない用語も飛び交い、何を説明されたのかよく分からないというケースもあるでしょう。

物件探し~契約~引き渡しまで、数か月におよぶ不動産会社の営業担当者とのさまざまなやり取りのなかで「言った、言わない」のトラブルが生じることも少なくありません。

そのようなトラブルを避けたり、少しでも減らしたりするためには、契約交渉の過程でしっかりと記録を残しておくことが大切です。営業担当者に対して何ら遠慮する必要はなく、自分がメモをするペースに合わせて説明や話をしてもらえばよいのです。

相手の目の前でメモをすることによって、いい加減な説明や対応、ときには嘘を抑止する効果も期待できるでしょう。そのため、対面で話をするときには家に帰ってから記憶を頼りにまとめるのではなく、「その場でメモをすること」が重要です。

そのとき、話をした日時と場所、話の相手、話の要点などをまとめておくようにします。

「証拠を残してやる」などと意気込む必要はまったくありませんが、万一、何らかのトラブルが生じたときに「いつ、どこで、誰が、何を言った」という記録があるのとないのとでは大違いです。自分が有利になるか不利になるかの分かれ道になることもあるでしょう。

また、話の記録を相手に任せることなく「自分でメモをすること」がポイントです。最近はPCやタブレットにその場で入力する人、あるいはICレコーダーやスマートフォンの録音アプリなどを使う人もいますが、なるべく「相手から見えるようにメモをすること」が有効です。

専門用語を聞き間違えたときなどに、相手から見える手書きのメモやタブレットならその場で気付いて指摘してくれる営業担当者も多いでしょうが、PCだとなかなかそうはいきません。

さらに、お客様がメモする内容にまで気配りできる営業担当者かどうかを見極めることができる場合もあります。他人が読めないほど極端な汚文字だと困りますが……。

しかし、普段からメモをすることに慣れている人でなければ、いきなり実践しようとしても難しいかもしれません。これから住宅購入を考えているのなら、物件情報の収集と合わせてメモをする習慣づけをしてみるのもよいでしょう。

いずれにしてもスタートが肝心です。不動産会社に最初の電話やメールで問い合わせをするときからメモを始めてみてください。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2007年10月公開の「不動産百考 vol.16」をもとに再構成したものです)


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