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2016年はバイオの当たり年!次の有望銘柄は?

2016年はバイオの当たり年となりました。ペプチドリームは年初来で+54.32%、そーせいグループは+59.5%となるなど、絶好調です。そこで今回は次の有望銘柄について考えてみたいと思います

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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2016年はバイオの当たり年!次の有望銘柄は?

好調なバイオ銘柄!次の有望銘柄は?

好調なバイオ銘柄!次の有望銘柄は?

2016年の日本株相場展望と注目のテーマはコレ!
で予想したとおり、2016年はバイオの当たり年となりました。同記事でも注目銘柄として取り上げ、16年3月最新版!日本株ベストバイ50銘柄はこれだ!でも堂々の1位となっているペプチドリーム<4587>は年初来で+54.32%と絶好調です。他にも過去にベストバイ50銘柄として取り上げたそーせいグループ<4565>(+59.5%)など、大幅に上昇したバイオ株は多数あります。

そこで今回は、他にも注目できるバイオ銘柄は無いのか?ということでメディシノバ・インク <4875>を見てみたいと思います。同社も年初来では+60.69%と前述の2社以上に大きく上昇していますが、保有しているパイプライン(開発している新薬のことで、バイオベンチャーの生命線とも言える)から考えると、今後も長期的に注目できる銘柄と思います。むろん、一直線に上昇し続ける株はなく、あくまでも上昇と調整を繰り返しながら10年タームの長期では有望な銘柄という意味でご紹介したいと思います。

突出した指定承認件数を保有する創薬ベンチャー

メディシノバ・インク <4875>は米国カリフォルニア州に本社を置く創薬ベンチャーです。米NASDAQと、東証JASDAQに上場しています。ビジネスモデルとしては、国内外の製薬会社から有望な低分子化合物を導入し、新規医薬品の開発を行っています。その戦略的提携を結ぶ主な企業には、明治製菓やキッセイ薬品工業、杏林製薬、田辺三菱製薬、英アンジオジーン社があります。

現在は開発に取り組んでいる段階で、売上はゼロで、赤字が続いています。ただ、同社は資金を株式市場から調達しているため有利子負債はありません。手元資金も通期運転資金の2倍程度持っているため、今後、開発の進行に応じて、再度、新株発行などで資金調達が出来れば問題ないと思います。

同社は主に、アンメットメディカルニーズ(いまだに治療法が見つかっていない疾患に対する 医療ニーズ)を持つ神経系疾患や線維症疾患などの深刻疾患を適応とする低分子治療薬の開発に取り組んでいます。現在、4つの化合物について10の適応症で臨床試験を実施中・実施済あるいは準備中です。

注目したいところは、米FDA(食品医療品局)のオーファンドラッグ指定が2件、ファストトラック指定が4件と、指定承認件数が際立って多く、創薬ベンチャー企業の中では突出しています。

※オーファンドラッグ(希少疾患用医薬品)
20万人未満かあるいはそれ以上でも費用回収が困難な疾病を適応とする薬。指定を受けると、7年間の排他的先発販売権、米国政府からの補助犬、治験実施計画書審査の優遇措置が受けらえれます。

※ファストトラック(優先承認審査制度)
深刻な疾患に対する治療薬の開発を促進し、承認審査を早め、充たされていない医薬ニーズに対応するための制度です。この指定をうけると、FDAは6ヶ月以内に審査を完了しなければならないなど、早期の承認に向けた優遇措置を受けられます。

進行型多発性硬化症を適応とするMN166など、ポテンシャルの高いパイプラインを多く保有

同社はポテンシャルの高いパイプラインを多く保有しています。たとえば、進行型多発性硬化症を適応とするMN-166(イブジラスト)は2016年下期にフェーズ2臨床治験の中間解析が発表される予定です。市場規模1兆5000億円の領域で他社と同水準であれば、1000億円程度の売り上げは期待できると思いますので要注目です。

MN-166(イブジラスト)は1989 年に杏林製薬が「ケタス」というブランド名で気管支喘息及び脳梗塞発症後の治療薬として上市した低分子化合物です。約320万人以上が長期に服用し安全性が証明されている医薬品です。これが、ニーズが満たされていない中枢神経系疾患の治療薬として有望であることが判明し、2004年に同社が多発性硬化症を適応疾患として独占的・全世界(日本、中国、韓国、台湾を除く)での再許諾可能な開発・販売のライセンスを取得しました。現在、神経系疾患における6つの適応領域において開発を進めています(1、進行型多発性硬化症~市場規模は187億ドル~、2、ALS (筋萎縮性側索硬化症)、3、メタンフェタミン(覚せい剤)依存症、4、アルコール依存症、5、オピオイド(ヘロイン、処方鎮痛剤) 依存症、6、クラッべ病~優先審査バウチャーを取得する可能性~)。

特に多発性硬化症は患者数は世界で約210 万人と言われ、このうち約半数が時の経過とともに悪化する進行型多発性硬化症となります。そして、現在ある多発性硬化症の薬は進行型には効果がないか、あっても厳しい副作用が報告されています。つまり、進行性多発性硬化症には安全で治療効果が高い医薬品がない、というのが現状となっています。安全で治療効果の高い新薬が承認されれば、ブロックバスター薬となる可能性があるポテンシャルの大きな市場です。

210億円の時価総額には長期的な割安感

また現在準備段階にある希少疾患のクラッベ病については「優先審査バウチャー」を受けられる可能性もあるとのこと。バウチャーはお金が儲からない希少疾患の新薬開発を促すためのインセンティブです。承認までこぎつけた場合、どんな開発品でも1品目は承認審査期間が短縮される、といった券です。大手大衆薬でもこの券を持っていれば1~2年かかる承認も半年ででき、また売却もできるため、製薬会社は喉から手がでるほど欲しいものです。

このバウチャーの価値はそれだけでも100~300億円ともいわれています。クラッベ病適応としたMN166の開発はまだ準備段階にあり、数年先となる見通しですが、同社がこの券を獲得すれば株価上昇のキッカケとなると思います。ちなみにメディシノバ <4875>の時価総額は210億円程度であり、割安感を感じるところでもあります。

参考:日本株通信


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