サン・ジョルディの日の伝説

スペインではバレンタインデーが日本ほどには盛り上がらない代わりに、4月23日にサン・ジョルディの日をお祝いします。

サン・ジョルディはカタルーニャ州の聖人です。竜にさらわれた王女を救い出すため勇敢に剣で竜を退治したところ、竜の血が地面に流れてそこに美しい赤いバラが咲いた、という伝説が残っています。

今では、日本のバレンタインデーのように、恋人や家族の間でプレゼントを贈りあう日になっていて、女性だけではなく、男性もプレゼントを贈ります。

プレゼントは本とバラ!街全体が市場になる

本

本好きが心待ちにするお祭り

サン・ジョルディの日の数日前から、町の中心となる広場や大通りでは本の市場が開かれます。場所によりますが、新刊本から古本まで、子供の絵本から大人向けの本までいろいろ並びます。大体は何割引かになっていて、普段は本を読まない人でも足が向くようです。

なぜ本なのかというと、サン・ジョルディの日には、「女性が男性に本を贈る」という習慣があるからです。

本を贈る理由ははっきりしていませんが、1995年にユネスコが4月23日を「世界本と著作権の日」(世界本の日)に決定したことと関係がありそうです。この日は、シェイクスピアとドン・キホーテの作者であるセルバンテスの命日でもあります。

チョコレートの代わりに本、とても知的ですね。人気作家が新刊本にサインするイベントなども開催されます。恋人がいない人でも、本が好きであれば十分に楽しめる日なのです。

男性が女性にお返しとして贈るのは「バラ」です。もちろん大きな花束をもらえれば女性は大喜びですが、一輪でもいいのです。こちらも、サン・ジョルディの日には、町中に小さなスタンドが立ちます。本と違って相場よりもかなり割高な値段で売られますが、当日の午後になると、売り残りを気にして少し割引されるようです。

本は大事な人、バラは広い範囲の人に贈る

本市

どんな本を送ろうか?

スペインでは、日本に比べ、また物価の割に本は高価なものなので、サン・ジョルディの日にも、女性は恋人や家族など、本当に大事な人にしか本を贈りません。

逆にバラの花は、商店で買い物をするとおまけにもらうこともあり、敷居の低いプレゼントです。義理チョコのような感覚で職場の女性にプレゼントする男性もいます。ガイドの以前の職場でも、日本人上司が現地の習慣にならって女性職員全員にバラ一輪を配ってくれました。

日本のバレンタインデーは「女性が告白する日」というコンセプトですが、スペインの「サン・ジョルディの日」は、男性女性双方が愛を表現する日になっています。また、日本のバレンタインのように、カップル単位で祝うというよりは、町中がお祭りの雰囲気に包まれ、人々は本の市をひやかしながら初夏の訪れを祝うように散歩します。

「サン・ジョルディの日」に使うスペイン語

バラの花を買う時には、こう言いましょう。

Deme un ramo de rosas, por favor.
メ ウン モ デ サス ハス、ポル ファ
バラの花束をください。

女性は男性にこう尋ねるといいでしょう。

¿Qué libro quieres que te regale para San Jordi?
 ブロス キレス ケ テ レレ パラ サン・ジルディ?
サン・ジョルディにはどんな本が欲しい?

人気作家にサインを頼みましょう。

¿Puede firmarme este libro, por favor?
デ フィルルメ エステ ブロ、ポル ファル?
この本にサインしていただけますか?

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