サンリオの「キキララ」と「マイメロディ」が登場!
着物や日本映画にとどまらず、「かわいい」系のジャパンカルチャーにもしっかり目配りしています。手に持ったバッグを彩っているのは、サンリオの「リトルツインスターズ」のキャラクター、キキとララ。双子の姉と弟が楽しげに遊ぶ姿は自然とほおをゆるませます。サンリオのキャラクターでは「ハローキティ」が有名で、海外ブランドとのコラボレーション企画もたくさんありますが、日本通のオランピアはさすがのチョイス。すっきりシルエットのジャケットルックにあえてほのぼのムードのキキララを引き合わせてみせました。
大ぶりの襟にキキララをダブルでレイアウトして、顔周りにメルヘンを呼び込みました。和テイストの幾何学模様と重なって、何とも複雑な雰囲気を生んでいます。ミニスカートのウエストにも日本の伝統工芸を思わせる紐を巻いてベルト代わりに。足元に目をやると、江戸時代の花魁(おいらん)が履いていたような厚底のぽっくり顔シューズ。手に持っているのは、ブランドアイコンとなっているブッククラッチです。
ピンクの頭巾が愛くるしい「マイメロディ」もベルトにあしらいました。太めのベルトは着物帯を思わせます。つややかな質感のシャツはホテルのナイトウエアに通じる風合い。胸ポケットに見える「Hotel Olympia」の文字まで、ホテルオークラのロゴを模しているという凝りようにはうならされます。強烈なレッドのレッグエアとの「紅白」マッチングも日本的な色合わせと映ります。ジャパネスクのブームに乗っかったのではない、デザイナーの本気の「日本びいき」が感じられます。
これまでに紹介したほかにも、ホテルオークラの本館建築のあちこちから写し取ったイメージが耳飾りや刺繍などに落とし込まれていて、長年の常宿への愛着がしのばれます。着物のシルエットやディテールも随所に生かされていて、日本人として誇らしい気持ちにすら誘われます。ランウェイには日本人モデルの秋元梢さんも登場。まばゆいきらめきを帯びた装いを披露してくれました。
私たちがあまり意識しないままにしている日本のよさを、分かりやすい形でファッションとして表現したオランピアの提案は、日本的な美やデザインを日々の着こなしに生かすアイデアも示してくれました。メッセージや遊びをファッションに持ち込む流れが続く今だからこそ、日本的な要素を上手に使って、おしゃれを弾ませてみたくなります。
【画像協力】
OLYMPIA LE-TAN(オランピア ル タン)
http://www.olympialetan.com/
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