建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

バリエーションに富む10戸の長屋[FARE祐天寺](4ページ目)

軽量鉄骨で出来た3階建ての長屋です。階段が効率的に重なった階段室を等間隔に配置して、ここを複数の住戸で共有することで、「10世帯すべてが間取りの異なる」バリエーション豊かな建築になっています。

執筆者:川畑 博哉

屋上テラスのあるメゾネットタイプ


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玄関
1. 玄関脇に細長い靴箱が造り付けになっている。
玄関
2. 南側に窓のあるLDK。キッチンの奥に水回りが控えている。
LDK
3. 2階と3階をつなぐ階段室。
階段
4. 3階の寝室。東南の窓から光と風が入り込む。
浴室
5. 東南の角の眺めを楽しむ屋上。


I号室は建物の南側に位置する、2階と3階に部屋をもつメゾネットタイプです。2階はLDKで、中央にキッチン、その奥に水回りが続いています。寝室になる部屋は3階にあり、階段室に面した軽量鉄骨のバーが間仕切りの代わりをしています。2階、3階共に東南に窓があり、明るく開放的な部屋になっています。東南に開けた広めの屋上からは、世田谷の眺望を楽しむことも出来ます。
鉄骨造の賃貸アパートは、ともすると工事の効率を優先するあまり、「羊羹切り」と揶揄される画一的で没個性な設計になりがちですが、その風潮に一石を投じる「10世帯すべてが同じ間取りのない多様な住戸」を実現させた設計者の伊藤博之さんの挑戦は、「建築家の意地」を見せた快心の設計と言えるでしょう。
◆建築データと建築家プロフィール


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