主計町茶屋町:ガス灯の仄かな灯りに浮かぶ桜の艶姿
金沢に今も残る三茶屋街の1つであり、人気観光名所ひがし茶屋街と並んで重要伝統的建造物群保存地区に選定されている主計町(かずえまち)茶屋街。浅野川沿いに立ち並ぶ趣のある石畳に花街の情緒を誘う千本格子が何とも艶やかな茶屋造りの連なりは城下町の佇まいを今に伝え、細い路地を一歩入れば、江戸時代にタイムスリップしたかのような気分に。
普段でも十二分に美しい街ですが、桜の季節はより一層風情が増し、中でも夜の帳が下りガス灯が灯りはじめる頃、柔らかな灯りに染め上げられた桜と伝統的な街並みのハーモニーは幻想的で息を呑む美しさ。
お座敷カフェや甘味処が軒を連ね、すっかり昼の街に様変わりしたひがし茶屋街と比べ、主計町茶屋街は今でも料亭やバー、居酒屋が立ち並ぶ夜の街。地元客に混じって夜桜を愛でながら一献なんて、いかがですか?
■主計町茶屋街
住所:〒920-0908 金沢市主計町
例年の見頃:4月上旬~中旬
地図情報:Googleマップ
ランチの後は河岸を彩る桜並木をのんびり散歩
金沢三文豪の1人、室生犀星(むろう さいせい)がこよなく愛し、その豪快な流れから「おとこ川」の異名を持つ犀川(ちなみに主計町茶屋街が面している浅野川は流れが穏やかで優雅なので「おんな川」と呼ばれています)。両岸の河川敷は桜並木になっており、お花見の季節は金沢っ子に人気の憩いのスポット。どこまでも連なる可憐なパステルピンクの屋根の下をのんびり散策してもよし、芝生になっている河川敷で桜を見上げてひと休みするもよし。
散策する場合は犀川大橋と桜橋の間の両岸の道「犀星の道」がおすすめ。周辺には飲食店が点在しているので、ランチした後の腹ごなしにももってこいです。
■犀川河川敷
住所:犀川大橋から桜橋に至る両岸
例年の見頃:4月上旬~中旬
地図情報:Googleマップ(犀川大橋)
卯辰山公園:500本の桜がお出迎え!金沢随一のビュースポット
春は桜、初夏はツツジ、梅雨には花菖蒲やアジサイ、そして秋は紅葉と1年を通じて四季折々の花々を楽しめる卯辰山(うたつやま)公園。自然豊かな丘陵地にある公園の見晴らし台からは金沢市街もちろん、白山から日本海まで一望できる市内有数のビュースポットとして知られています。桜は公園全体で約500本。卯辰山循環園路沿いにソメイヨシノが約250本、園内の400年の森に八重桜、枝垂れ桜、ソメイヨシノなど約250本の桜があり、500本の桜の乱舞を見ようと毎年多くの市民が詰めかけます。
夜間のライトアップはありませんが、観桜期には提灯が点灯されて夜桜見物も可能。眼下に広がる金沢市街地の美しい夜景をバックに薄明かりの中浮かび上がる桜のロマンティックな情景は、金沢旅行の最高の思い出になることでしょう。
■卯辰山公園
住所:〒920-0832 金沢市卯辰町
アクセス:金沢駅兼六園口バスターミナルから北鉄バスで「望湖台」下車
例年の見頃:4月上旬~中旬
地図情報:Googleマップ