可憐な桜を愛でながら、風情漂う古都をそぞろ歩き
春と言えば桜。冬の寒さが和らいで春の足音が聞こえてくると、途端に待ち遠しくなるのが桜の開花ですよね。城下町の風情を今に伝える古い街並みが魅力の金沢ですが、桜の季節はまた格別。さくら名所100選に選ばれた兼六園を筆頭に、お城と桜が美しいハーモニーを奏でる金沢城公園、幻想的な雰囲気に包まれる夜桜の名所・主計町茶屋街など、金沢でおすすめのお花見スポットを詳しくご紹介します。
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兼六園:40種420本の桜が見られる、金沢NO.1お花見スポット
石川県で唯一さくら名所100選に選ばれ、金沢で桜の名所と言えば真っ先に名前が挙がる名実共に金沢NO.1のお花見スポット兼六園。すぐれた景観の代名詞である、宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の六勝を兼ね備えた名園には多彩な樹木に混じり、小彼岸、サトザクラ、彼岸桜、シオガマザクラ、フゲンゾウ、ウコン、ソメイヨシノ、山桜など約40品種420本の桜の競演を堪能することができます。
さらに兼六園にはここでしか見られない貴重な名木も。1つは樹齢300年、水戸藩から寄贈され、満開時には枝を取り巻いて牡丹のように咲くことから牡丹桜の異名を持つ、紅鮮やかな緋桜の兼六園熊谷桜。
そして、その兼六園熊谷桜の斜め向かいにある兼六園菊桜。1つの花に300枚以上の花弁をつけ、蕾のときは深紅、咲き始めると薄紅になり、落花時には白へと、開花から落花までの間に花の色を3度も変える、全国的にも特に珍しい兼六園を代表する桜です。
それから霊峰白山の山桜の1種で13代藩主斉泰が長町にある重臣・村井家の庭から移植した旭桜も見逃せません。唐崎の松と曲水を挟んだ向かいにあり、地上30cm、幹周りが6m70cmもある威風堂々としたその姿は大桜の別名に相応しく、兼六園の中でも一際目を引きます。
実は現在の旭桜は二代目で、1937年(昭和12年)頃までに枯死した初代の根元から出てきたひこばえが成長したものなのですが、初代も巨木だったらしく、村井家の庭から運ぶ際に邪魔になる家屋50軒を壊し、500人の家臣を動員して運んだとか。
兼六園では毎年4月上旬の観桜期に合わせて無料開放&ライトアップが行われ、多くの人で賑わいますが、兼六園熊谷桜と旭桜は4月中旬、兼六園菊桜は4月下旬~5月上旬が見頃なので、例えソメイヨシノに間に合わなくてもお花見が楽しめます。
■兼六園
住所:〒920-0936 金沢市兼六町1-4
TEL:076-234-3800
開園日:3月~10月15日 7:00~18:00 /10月16日~2月 8:00~17:00
※無料開放&ライトアップは気象台の開花宣言後に決定(原則として7日間)
詳しくは観桜期の無料開放について(公式HP)
閉園日:無休
入園料:18歳以上310円 /6歳~18歳未満100円
例年の見頃:4月上旬~5月上旬(品種による)
地図情報:Googleマップ
金沢城公園:お城と桜が一体となった景観に心奪われる
今や兼六園とセットで桜の名所となっているのが隣接する金沢城公園。兼六園と金沢城公園に挟まれたお堀通りと紺屋坂から茶店通りを経て真弓坂口へと至る蓮池門通り、そして大手堀沿いに合わせて約360本のソメイヨシノが一斉に咲き誇るさまは圧巻のひと言。特に桂坂口から見る周りを桜で囲まれた石川門はまるで桃源郷のような美しさで、子供の頃から毎年見続けているにも関わらず、今でも見る度に感動します。
金沢城公園内の見所としては、まず二の丸広場を囲むように築かれた内堀沿いに植えられた桜並木、そしてメインルートからは外れますが、ソメイヨシノと枝垂れ桜を一緒に鑑賞できる新丸広場もおすすめです。
数こそ多くないものの1ヶ所にまとまって植えられており、小さな桜の園といった風情は見る者の心を和ませます。
その他、毎年兼六園・金沢城公園周辺の開花一番乗り争いを繰り広げる早咲きの百間掘の唐実桜(カラミザクラ)や兼六坂の椿寒桜(ツバキカンザクラ)、新丸広場の越の彼岸も一見の価値ありです。
■金沢城公園
住所:〒920-0937 金沢市丸の内1-1
TEL:076-234-3800
開園日:3月~10月15日 7:00~18:00 / 10月16日~2月 8:00~17:00
閉園日:無休
入園料:無料 ※菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門は18歳以上310円 /6歳~18歳未満100円
例年の見頃:4月上旬~中旬
地図情報:Googleマップ