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安易な考えは禁物 「中古住宅をリフォームして住む」(2ページ目)

この記事では、中古(ストック)住宅を購入しライフスタイルに合わせたリフォーム「リノベーション」をして生活する、という住まい選びのスタイルを取り上げます。最近、人気が高まっていますが、課題もないわけではありません。本当に根付いていくのでしょうか。安易にこの住まい選びのスタイルを選択すると、後々「高い買い物だった」と後悔することにもなりかねないかもしれません。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)は、1999年から「ストックヘーベルハウス」という独自の査定で自社で建てた中古住宅を流通させるという事業を、住宅業界の中でいち早く開始したハウスメーカー(事業を行うのは旭化成不動産レジデンス)。前回の記事で紹介した「スムストック」にも加盟しています。

スケルトンのみで、インフィルを自由に変更できる中古住宅

取材したのは、その旭化成ホームズが新築時に施工し、グループ会社の旭化成リフォームが販売する中古住宅「フレーム・ヘーベルハウス」というもの。概要は以下の通りです。
所在地=千葉県流山市西松ヶ丘
敷地面積=110.5平方メートル
建物延べ床面積=106.4平方メートル
構造=軽量鉄骨造2階建て
築年数=21年

フレーム・ヘーベル内部

「フレーム・ヘーベルハウス」の内部の様子。鉄骨材とALCコンクリート、サッシなどしか残されていない、がらんどうの状態となっている(クリックすると拡大します)

仕組みは、築年数が経過し空き家となった物件を旭化成リフォームが買い取った上で、インフィル(内装や設備など)を取り払い、スケルトン(構造躯体=鉄骨材とALCコンクリート)状態で再販売するというものです。

構造体は劣化の状態などをチェック。外壁は必要に応じ再塗装をし、新築住宅と同じ30年耐用仕様にします。見学した建物の外観はデザインこそ20年前のものですが、再塗装によりあまり古さを感じませんでした。

購入を希望する人は、購入した上でオーダーメイドによるインフィルの改装をすることになります。ですから、注文住宅スタイルの中古住宅ということになります。改修工事は売り主である旭化成リフォームが担当します。

建物の形状は基本そのままですが、内部の間取りは一定の範囲(スケルトンの構造上無理がない範囲)で自由にでき、キッチンやバス、トイレなどといった設備は最新のものにできるわけです。必要ならサッシなどを取り替え、断熱性能をアップすることもできます。

注文住宅スタイルですから設計者に相談して、例えば以前の建物にはなかった吹き抜け空間を作るなどといったこともできます。中古住宅でありながら、購入希望者のライフスタイルやこだわりを、大いに反映させることができるというわけです。

気になる価格は建物:1210万円(以下、税込み)、リフォーム費用(断熱改修なしの標準仕様):1040万円、土地価格:1427万円で総額:3970万円。建物とリフォームの合計費用は約2250万円で、ヘーベルハウスの新築費用:約3000万円と比べ安価になります。

まだ試行錯誤の段階にある中古住宅の世界

リフォームと書いていますが、この規模ですとリノベーションという表現が適切ですね。なお、建物価格には内装解体費用と新たな塗装・屋根防水施工が含まれ、建物自体の耐震性や耐久性に関する点検が実施済みで、10年間の保証付となっています。

フレーム・ヘーベル内部

設備や内装をライフスタイル似合わせて自由にコーディネートできるのが魅力。もちろん、旭化成ホームズが長年培ってきた住まい方の提案や反映することができる(クリックすると拡大します)

つまり、前ページで紹介した二つのへードルを「フレーム・ヘーベルハウス」はクリアし、かつ自由な空間を実現できるという「価値」を付加しているわけで、消費者にとっては比較的安心して購入できるはずです。

ところで、皆さんはこの物件についてどのように評価されるでしょうか。新築に比べ安価ではありますが、それは断熱改修などが施されない場合であり、もしそれをしようとするとそれなりの金額がプラスされるわけです。そう考えると、「いっそ新築で」という風に考えることもできますね。

また、ちょっと調べてみただけでも、流山市内には一般的な住宅会社が販売している新築分譲物件がいくつもあり、中には2000万円台前半のローコスト系分譲住宅も販売されています。最寄り駅との距離や敷地の広さなど複雑な比較はありまえますが、もちろんそっちの方が良いとの考え方もあるでしょう。

このあたりに中古住宅を含む住宅選びの難しさがあるように感じられます。新築でもいい加減な事業者が建てたものなら欠陥がある可能性がありますし、それを考えたら信頼感のあるこのような中古住宅の方が無難で、将来的にはお得といえるかもしれません。

社会的に中古住宅の活用が注目されていますが、費用対効果などの部分で、まだまだ試行錯誤の部分が多いのが実情です。「フレーム・ヘーベルハウス」も現状では試行事業であり、その取り組みがどのように消費者評価されるのか注目されます。
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