2016年2月に放映されたTV『マツコの知らない世界』で、「今、埼玉スイーツが熱い」と紹介されたとおり、いまや埼玉県はスイーツ激戦区。中でも名店ひしめくさいたま市内に、また新たなパティスリーが誕生しました。

あの名ホテルの元シェフパティシエが埼玉で自店を独立オープン

「パティスリー アンフィーユ2016」の外観

「パティスリー アンフィーユ2016」の外観


2016年2月19日、さいたま市見沼区の国道214号沿いに、「パティスリー アンフィーユ2016」がオープン。大宮駅東口から国際興業バスで15~20分程の「日大前」バス停近くとなります。

オーナーシェフの浦野義也氏は、2002年に「ホテル西洋銀座」のシェフパティシエに就任。2013年5月に惜しまれつつホテルがクローズするまでの10年以上、スイーツ業界でも名門と名高いホテル伝統の味を守りつつ、新たな創作にも取り組んでいらっしゃいました。その後、「パティスリー 西洋銀座」という名称でお菓子のブランドが継承されることになり、その設立と製造にも参画。そんな浦野シェフが、長年住んでいらっしゃるこの地域で、ついに独立してご自身の店をオープン!店舗のマネージャーを務められる奥様の昭子さんも、都内の有名菓子店で活躍された方で、ご夫妻で作り上げられるお店に早くも期待が寄せられています。

「パティスリー アンフィーユ2016」の浦野義也シェフと昭子さん

「パティスリー アンフィーユ2016」の浦野義也シェフと昭子さん


「Une fueille(アンフィーユ)」とはフランス語で「1枚の葉」の意味で、「まずはたった1枚の葉っぱからスタートしていこう、という思いを込めました」と浦野シェフ。お店のロゴマークも葉っぱをイメージしたデザインで、シンボルカラーもグリーンとしています。いずれはお店の看板商品として、葉っぱのデザインを採り入れたお菓子も作りたい、と考えていらっしゃるそうです。

「パティスリー アンフィーユ2016」の「ブールブラン」(税別450円)

「パティスリー アンフィーユ2016」の「ブールブラン」(税別450円)


長年、ホテルのお菓子を作っていらしただけあって、浦野シェフのお菓子は、複雑すぎないシンプルな構成で、見た目も品がありエレガント。年代性別を問わず、幅広いお客様に愛される味です。

その中でも、シェフからも特にお勧めだという生菓子の一つが「ブールブラン」。“白いボール、雪玉”をイメージしたような真っ白なドーム状のレアチーズケーキです。土台のサクサクしたパートシュクレの上には、味わいをプラスすると共に生地がしけるのを防ぐためでもあるアプリコットジャムが薄く塗られ、その上に、レモン果汁入りのシロップをしみ込ませた薄いスポンジ生地。ふんわりしたレアチーズムースの中には、ほんのり酸味の効いたレモンカードが隠れていて、上に自家製のレモンコンフィがちょこんとのっています。

お酒不使用で、小さなお子様からご年配の方まで召し上がれる食べやすくやさしい味の、ほっと安心するようなチーズケーキ。一つ一つのパーツも丁寧に作られていますが、決してそれぞれが強い主張をすることなく、品よくまとまった浦野シェフのお菓子の特長がよく出た品です。

「パティスリー アンフィーユ2016」の「モンブラン」(税別450円)

「パティスリー アンフィーユ2016」の「モンブラン」(税別450円)


「ホテル西洋銀座」と言えば「モンブラン」と言われるほど、人気の高い代名詞的な存在のモンブラン。その味を継承しつつ、クリームの絞り方などはオリジナルで仕上げています。土台のダクワーズ生地に、中には、刻んだマロンのシロップ煮入りの、カスタードと生クリームを混ぜた軽めクリーム。それをさらに生クリームで覆い、一番外側にどっしりと太めの口金で絞られたマロンクリームは、マロンを裏ごしてペーストにしたものと、バニラやシロップを加えてクリーム状にしたものとの2種類をブレンドした、ガツンと濃厚な風味が印象的です。

バターなど、クリームをやわらかく延ばすつなぎ素材の量がかなり少なめで、たとえてみれば、「洋栗の栗きんとん」のように、ぎゅっと詰まった栗感が味わえるモンブランです。ラム酒とブランデーのV.S.O.P.がほのかに香ります。

「パティスリー アンフィーユ2016」の「リモーネ」(税別420円)

「パティスリー アンフィーユ2016」の「リモーネ」(税別420円)


もう一つ、「ホテル西洋銀座」の伝統の品であり、私も大好きな「リモーネ」を紹介しましょう。パートシュクレの土台の中に、酸味の効いたレモンクリーム入りの、いわばタルトシトロン。上に重ねた生クリームの中にも、自家製レモンコンフィが混ぜ込まれ、表面にぐるぐると渦巻状に絞られているのはふんわり食感のシブースト。

一般的に、タルトシトロンの上にはメレンゲが絞られることが多いのですが、メレンゲよりも甘さ控えめでより手の込んだシブーストクリームを絞り、うっすらと焼き目をつけてナパージュで艶やかに覆って仕上げています。レモンクリームの酸味となめらかさ、コンフィの皮のほろ苦さと食感のアクセント、シブーストの上品な甘さとふわっとやわらかな口当たりと、様々な味わいと食感が見事なバランスで成り立っています。

タルト土台の内側には、湿気止めのために薄くホワイトチョコレートが塗られているなど、隠れた部分にまで細やかな配慮が感じられ、一見、控え目でありながら手の込んだ、品格漂う一品です。

現在、「パティスリー西洋銀座」の方では、このお菓子は出しておらず、「パティスリー アンフィーユ2016」オープニング時点では、こちらのお店でしかいただけないそう。もしかしたら今後、「パティスリー西洋銀座」でも復活するかも知れませんが、「パティスリー アンフィーユ2016」の定番品として根付いていきそうです。

「パティスリー アンフィーユ2016」の「うらのーる」(ホール1本税別1,000円)

「パティスリー アンフィーユ2016」の「うらのーる」(ホール1本税別1,000円)


さらに、「パティスリー アンフィーユ2016」の名物として注目されそうなのが、「うらのーる」。名前どおり、「うらの」の「の」の字をかたどった巻き方にこだわりがあります。実は、スポンジ生地で仕切られた2か所のクリームは、それぞれ異なる味で、苺とプレーンなのです!どちらも、砂糖の代わりに練乳で甘さをプラス。そのため、苺ピューレと練乳がとけ込んだ苺ミルククリームと、練乳風味のクリームとなって、どことなく懐かしさを感じさせるミルキーな味わいが特長です。

次のページでは、季節限定品や焼き菓子も含め、「パティスリー アンフィーユ2016」のお勧めのお菓子をさらにご紹介します。