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バイカー絶賛!最強の防寒ウェアはワークマンにあった

今、ネットで話題になっている「イージス」というバイク用ウェアをご存知ですか。販売元は作業服専門店の「ワークマン」で、ライダーはもちろんアウトドア好きからも注目されている人気商品です。ワークマン東京本部を訪れ、「イージス」が大ヒットした真相を取材してきました!

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

※ワークマンの防寒ウェア「イージス」の2017年最新モデル情報はコチラ:「ワークマンが新作イージスを発表!発売前に試してみた

作業服専門店が作った6800円のバイク用ウェア「イージス」

バイクを中心に、アウトドアや釣り好きの間でも話題の防寒ウェア「イージス」

バイクを中心に、アウトドアや釣り好きの間でも話題の防寒ウェア「イージス」


こんにちは、All Aboutバイクガイドの相京です。みなさんは今、インターネット上で話題になっている「イージス」というバイク用ウェアをご存知ですか?

作業服の専門店「ワークマン」の製品で、バイク用ウェアであるにも関わらず上下セットでなんと6800円(税込)という価格! これまでバイク用ウェアを上下で揃えると4~5万円は軽く超えていたことを考えると、まさに“価格破壊”といえます。

そのコスパの高さから人気に火が付き、バイカーを中心にアウトドアや釣り好きの間でも愛用され、イージスをとりあげた個人ブログやツイッターでのつぶやきを見かける機会も増えました。さらには「2ちゃんねる」にも専用スレッドが立つほどの人気なのです。

イージスが誇る驚きの防寒性&防水性

デザインは鮮やかなライムグリーン。どことなくKawasakiを思わせる色合いもバイク用ウェアとして人気となった要因でしょうか。着用したサイズはLで、身長165cm 63kgの私には若干大きめに感じましたが、着心地としては非常に軽く、肌触りも良い印象です。
上下セットで6,800円!

上下セットで6,800円!

耐水圧10,000mmの防水性能というハイスペック

耐水圧10,000mmの防水性能というハイスペック


取材当日は小雨が降りしきる気温5度というシチュエーションでしたが、しっかり中綿がつまっているので室内では暑過ぎるくらい。まるでサウナの中にいるようです。

実際にイージスを着用してバイクで走行してみると、袖口からの風の進入を防ぐように手の甲を覆うリストガードが付いていたり、口元まで襟が立てられるようになっていたりと、細部に工夫が施された設計になっています。

防寒性という点では私が普段着ているものよりも優れているのでは?というほどのあたたかさ。正直、驚きでした。

また、ファスナー部分がしっかりとカバーされる構造になっているので、水が入ってくることはなく、雨の中の走行も快適そのもの。バイクはもちろん、アウトドアや釣り、さらにはスノーボードなどで重宝されるのも納得です。

では、どうしてこれほどまでの高コスパが実現できたのか? 今回はワークマン東京本部へ伺い、商品部担当の方にお話を聞いてみました。

なぜ作業服専門店「ワークマン」がバイク用ウェアを作ったのか?

ワークマン商品部の中村氏(左)と八木氏(右)

ワークマン商品部の中村氏(左)と八木氏(右)


――さっそくですが、なぜ作業服の専門店であるワークマンがバイク用ウェアを販売しようと思ったのでしょうか?

「私たちが最も大事にしているお客様は作業現場で働く方で、もともとバイク向けとして作ったというよりは、手に取ったユーザーさんから『バイク用として良い製品ですね!』というご意見が多く寄せられたのがきっかけなんです」(八木氏)

――ユーザーからの意見をもとにバイク用ウェアに?

「はい。インターネットでの反響があったことも存じておりまして、それならバイク用ウェアとしても使える防水防寒作業服として売り出そうという事になったんです」(八木氏)

――そもそも、どうしてこんなに安いのかが気になります。

「ワークマンでは、必要とされる性能の材料をとことん探し回り、全て見積もりを取って最も安いものを採用しています。クオリティには絶対の自信を持っているので、生産ロットもワンシーズンまるまる、その製品だけを工場に作ってもらうように注文して価格を下げていたり。作業服専門店として、とにかく価格と機能性にこだわりたいという想いは強いですね」(中村氏)

「機能を変えず、ただ値上げするのはお客様に申し訳が立たない」

――そういう意味では、イージスは適正価格だと。

「そうですね。やはり、まずは作業をする方に買ってもらえないと意味がない。実を言うと、イージスは当初のモデルより少しだけ値上げさせていただいているんです。これは為替相場が1ドル80円台から120円台まで上がったことや、原材料の高騰など仕入れの価格が大きく値上がりしてしまったことが原因なのですが、ただ値上げするのはお客様に申し訳が立たない」(中村氏)

「私自身が普段バイクに乗るので、どこを強化すべきかを洗い出し、ウエストにアジャスターを装備したり、防寒性を強化するために綿を1.5倍に増やしたりするなど、機能面の強化によって“単なる値上げ”にならないようにしたという経緯はあります。ただ、イージスに関しても『アジャスターを付けただけで1000円も値上げか』というお客様からの声もあったり(苦笑)。そこは真摯に受け止めつつ、今後に生かしていかなくてはいけないな、と」(八木氏)

パンツも裾が絞れるなど工夫がされているが立体裁断でないのが残念

パンツも裾が絞れるなど工夫がされている。低価格ながら細かい配慮もイージス人気の秘密?


――バイク用ウェアとして気になるのは色のバリエーション。ライムグリーンはKawasakiのイメージカラーです。

「狙っていました……と言いたいところなのですが、色に関しては他の製品で売れている色があると新商品に採用するという流れになっているだけで(笑)。ただ、今回のイージスが非常に好調だったこともあり、他の新製品にもライムグリーンは多くなっています」(八木氏)

低価格高品質で、今後はユニクロやしまむらがライバルに!?

――イージスを実際に着用してみたのですが、バイク用ウェアとしてパンツが立体裁断でないことによるツッパリ感や、お尻の部分に滑り止めが付いていないことが気になりました。

「実は我々もそこについては理解しているのですが……ワークマンにはプライベートブランド製品とOEM(委託先ブランド名製造)製品がありまして、イージスはOEMでの生産なので改良に時間がかかるのが悔しいところです。ただ、プライベートブランド製品は頻繁にクオリティをアップさせているので、こうしたご意見を売れ筋の製品に生かしていければと思っています」(中村氏)

――また、バイク業界では胸部プロテクターの装着推進が進められています。バイク用として考えると、安全面についてもぜひとも改良をお願いしたいです。

「ちょうど新製品となるバイク用レインウェアを発表させていただいたのですが、これには膝パッドが装備されています。安全面に関してはこれまでどおり企業努力として進めていかなくてはいけません。同時に、作業服だけどアウトドアでもバイクでも使えるという“多様化”も進めていければと思っています」(中村氏)

あえて高くした衿が首元への風の進入を防ぐ

あえて高くした衿が首元への風の進入を防ぐ

バックプリントのロゴは反射材が使われている

バックプリントのロゴは反射材が使われている


――確かに、最近のワークマンはスタイリッシュです。例えば、レディースレインスーツが2900円だったり、温熱効果のある靴下が4足で780円だったり。ユニクロやしまむらのようなファストファッションにも負けていないというか、むしろ安い!

「女性向けアイテムについては一筋縄ではいかないことは重々承知していますが、そう言っていただけるのはありがたいです。ここ数年で作業服というものの価値観がすごく変わってきていて、ただ作業だけをするための服というのでなく、通勤で着ていても恥ずかしくないようなスタイルだったり、仕事が終わったらそのままの姿で飲みにいけたりするようなことを意識しています」(中村氏)

「作業する方以外にも機能面や価格面で選んでいただける商品を展開できれば。現在、ワークマンは店舗の外観などもきれいにして、入りやすいお店を意識していますし、アウトドア・スポーツ・バイクなどのシーンで様々なお客様に使っていただきたいですね」(八木氏)

バイク用ウェアとしてはさらなる進化に期待!

ワークマン流のこだわりがヒット商品「イージス」を生み出した

ワークマン流のこだわりがヒット商品「イージス」を生み出した


ワークマンの担当者とお話していた中で、特にこだわりを感じたのは「価格」でした。一般的にバイク用ウェアは6800円という価格では夏用のメッシュジャケット(しかも上だけ!)くらいしか買うことができません。やはり現場作業員の方の目はシビアで、「安くて、しかも高品質」でないと手にとってもらえないのだと感じました。

イージスは雨天の気温が低い状況下でも寒さを全く感じさせないため、二輪用品メーカーの製品と比べても防寒性に関しては勝るとも劣らない印象を受けました。

ただ、やっぱりイージスをバイク用として考えると、パンツ部分がどうしても気になってしまうのも事実。この部分は今後も改良を含めてぜひ期待したいところ。

ワークマン流のユーザー、価格、そしてクオリティへの想いが、作業服ユーザーだけでなく、新しいユーザーを掴み始め、その結果としてコスパ最強のウェア「イージス」が生まれたのではないでしょうか。

イージス関連リンク

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撮影/泉 三郎

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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