小学校とは大きくちがう中学校生活
忙しくなる中学校生活に備え、細切れの時間に集中して勉強できる取りかかりの早さを身につけられると理想的です。
- 「中学生になって特に変わった点はどんな点ですか」
- 勉強量が増えた
- 部活が忙しくなった
- 勉強が難しくなった
- 睡眠時間が減った
- 科目ごとに違う先生が担当する
- 学校からの帰宅時間が遅くなった
- テストの方法が変わった
- 遊ぶ時間が少なくなる
- テストが9教科になった
- 算数が数学になる
多かった回答の順に並べました。小学校からの変化として学習に関することを挙げている中1生が多いという結果となっています。学習面以外には「部活が忙しくなった」、「科目ごとに違う先生が担当する」など、学校生活のちがいを挙げた人も多いことがわかります。続いて、今度は具体的に「中1になって苦労したこと」についてという質問の回答結果を見てみましょう。
- 「中1になって、苦労したことはどんなことですか」
- テスト勉強
- 部活のハードさ
- 勉強が難しくなり、ついていくのが大変になること
- 勉強量が多くなる、勉強時間が増える
- 先輩との関係
- 生徒会活動
- 成績の評価が厳しくなること
- 帰宅が遅くなること
- 遊ぶ時間がなくなること
- 三者面談
同じく多かった回答の順に並べています。やはり「勉強」と「部活」に苦労している中学1年生が多いようです。「先輩との関係」や「生徒会活動」は中学校ならではの大変だといえます。
「中1ギャップ」を乗り越えるために必要な対策
中1生になって、小学校とのギャップに苦しまないために必要なことは、まずは中学校生活が今までとはどのように変わるのかを知っておくことです。特に学習内容が高度になり、学習量が増えること、部活にかなり体力を使うことになることをお子さまに伝えた上で、様子の変化を気にかけておきましょう。学習について、今からするべきことは小学校内容の復習です。特に、漢字の読み書きと、算数の各単元の理解は必須といえます。中学校になると漢字以外に覚えなくてはならない英単語が多く出てくるので、小学校の漢字を復習する余裕がなかなか持てなくなります。また、学校の国語の教科書や、塾のテキストが大人向けの文章になるため、小学校で習う漢字が読めないと、読解に苦しむことになります。また、算数から数学になることで、マイナスの概念や「x」を使った方程式など、抽象性が高くなり、計算式も複雑になります。
数学が苦手になる原因は、算数の定着の不十分さが大半です。中学校に進学する前に算数の習得をどれだけ十分にできるかがポイントです。小学校の「外国語活動」から中学校に上がって正式に「英語」となる新科目については、いまは特に心配することはありません。1学期の簡単な英語の授業を受けて油断せず、地道に授業の復習と英単語、熟語の勉強を積んでいけば大丈夫です。英語が本格的に難しくなるのは、中2になってからです。
中学校生活を大きく左右する部活選び
一方、部活は学校とその部活によって大変さが大きく異なります。一般的に野球部やサッカー部、バスケ部、バレーボール部は練習がハードなのは想像がつくかと思います。ただ、他の部活でも顧問が熱心で練習が非常にハードな部活もあり、入部前に入念なリサーチが必要です。また、文化部でも体育会系並のハードなことが多い部活があります。それは吹奏楽部。練習がハードなうえに、他のほとんどの部活が中3の夏で引退するなか、吹奏楽部は8月のコンクールまで引退できないので、受験勉強との両立が困難になるケースが多く見られます。陸上部や演劇部も秋まで現役で練習を続けることになることを、お子さまと確認しておくといいでしょう。さて、いかがでしたでしょうか。今から問題集や参考書を買って高度な勉強や新たな勉強をする必要はありません。中1ギャップにつまずかないためには、小学校内容の復習をするのが大切だということをお子さまにお伝えください。また、忙しくなる中学校生活に備え、細切れの時間に集中して勉強できる取りかかりの早さを身につけられると理想的です。部活の練習に耐えられるように体力もつけておきたいところです。お子さまが中学校に進級したら、ゴールデンウィークくらいまでの期間は特に学校生活と学習についていけているか、コミュニケーションのなかで気遣ってあげてください。