トラベルシステムってなに?
車に装着してもコンパクトなのが◎。セダンタイプでも3人座れる室内空間が確保できます
また、それに適したベビーカーやベビーシートのことを指す場合もあります(ベビーカーとシートは別ブランドの製品で対応できることも)。
最近は芸能人でトラベルシステムを使う人が増えており、ブログ写真などで見かけることも多いかもしれませんね。
赤ちゃんを車に乗せるためのベビーシート(インファントカーシート)をベビーカーにも取り付けられるようにしたシステムのことを「トラベルシステム」といいます。画像はブラック基調の「ペブル」カラー
ワンタッチで間違いなくシートを固定できるISO-FIX対応。赤丸で囲った部分で正しく装着されているかが、ひと目でわかります
ガイドが試したのは、手頃な価格で今非常に売れているjoieの「juva」(ベビーシート)と「aire」(軽量ベビーカー)のトラベルシステム。ベビーシートと軽量ベビーカーのセットで26,784円(税込)、ワンタッチで車にシートが取り付けられるISO-FIX対応のベース「i-Base」が別売16,200円(税込)と、非常にコストパフォーマンスに優れている商品です。
ベッドごと生活するイメージのトラベルシステム
赤ちゃんを乗せたまま車、ベビーカー、室内とあらゆる方法で移動できるのが最大の魅力
さらに、ベビーシート自体が非常に堅牢な作りのため、クーハンなどよりずっと安心感、安定感が高く、気兼ねなく床にそのまま置いて過ごせます。ですから、赤ちゃんが寝ている間はベビーシートごと移動すればいいだけ。感覚的には「ベビーベッドごと赤ちゃんと生活できる」という印象です。
この育児スタイル、実践してみると「1日1時間は時間を得している!」と実感してしまうのです。
外出にかかる時間と手間が劇的に減る!
ガイドには保育園と小学生の子どもがおり、保育園や習い事への送り迎えで1日2回は赤ちゃんを連れ出さなくてはいけません(お子さんが2人以上いるご家庭であれば、同じような状況は珍しくないと思います)。多い時は送迎だけで4~5回にもなりますが、トラベルシステムを使うとこの負担がググッと減り、本当に手間がないのです。なぜ手間が減るのか、車で外出する際にかかる時間を計算・比較してみたのが下の図です。
赤字は抱っこひも、ベビーカーでも特に差が出る点、青字はベビーカーを使う時でも差が出る点。なお、時間は目安であり、ガイド個人の体験によるものです。個人により差が出ることはご留意ください
単純に車への乗せ降ろしだけを比較しただけでも、たった1回の外出で4分以上の差が出ていることがわかります。これだけでも時短効果は大きいように思いますが、さらに育児を楽にしているのが「赤ちゃんを寝たまま運べる」ことなのです。
寝たまま運べる、だから時間が細切れにならない
時にはベッドの側でも、そのままベビーシートで寝かせておくことも……
赤ちゃんが泣く要因を減らすには、睡眠を邪魔しないでおくのが一番。しかし、チャイルドシート・ベビーカー・抱っこひも、いずれのグッズも下ろした途端に泣いてしまう、静かにベッドに移しても背中スイッチが発動してしまうことは誰もが経験しているでしょう。
一度起きてしまうと、また寝たり機嫌が直るまで30分以上かかりっきり、ということは珍しくはありません。いかに寝かせたままにできるかは、育児をスムーズにこなすコツでもあるのです。
その点、トラベルシステムはベビーシートごと赤ちゃんを移動することができるため、赤ちゃんの寝る体勢はずっと変わりません。そのため安眠を妨げることがなく、自然に目覚めるまで続けて寝かせてあげることができるのです。
泣いても揺らせばいつの間にか寝てしまう!
部屋でもコンパクトかつ安全に赤ちゃんを寝かせられます
juvaベビーシートの底はカーブ形状で、室内ではロッキングチェアとして使えるようになっています。少し目覚めてしまったときでも、乗せたままゆらゆら揺らしているとスーッとまた眠りに入ってくれるのでとても便利!
ガイドの場合、帰宅後にフンフン泣きそうな声を上げてもすぐには抱き上げず、ベビーシートに寝かせたまま揺らしてみます。ベビーシートに寝かせたまま揺らしてあげたほうが「目覚めかけ」のときは効果的なようで、5分も揺らしているとほぼ再び寝入ってくれるのです。
忙しい夕方も上の子どもに「そっと揺らしてあげてね」とお願いすればサッと夕食の準備に移れるため、本当にストレスがありません。
赤ちゃんの眠りを邪魔しないからこそ、「ある程度まとまった時間」を家事などにあてられるのは大きな支え。これが「1日1時間以上、育児時間を得している」と体感している最大の理由の1つなのです。
ベビーカー自体の機能性も◎
ベビーカーの幌も広げれば、赤ちゃんを全方向で覆い、全方向の光と風から守ってくれます
さらにaireはベビーカー自体の性能が非常にバランスよく、コストパフォーマンスに優れています。ほぼフルフラットまで無段階にリクライニングでき、ベビーカー単体でも生後1カ月から36ヶ月頃(体重15kg)まで使えるロングユース設計にして重量は4.5kg。最近のベビーカーの傾向から、ロングユースタイプのベビーカーの場合、5kg以下の商品は軽いと考えていいでしょう。軽量タイプにありがちな押したときのふらつき感が少なく、重量の割に剛性感のあるフレームです。
そして、なんといっても便利なのは片手で折りたためて自立すること。意外かもしれませんが、海外ブランドのベビーカーでこの機能を持つ商品はまだまだ少ないのです。バータイプのハンドルであれば折りたたんだときに肩にかけられるため、駅の階段やバスの乗り降りといったシーンでも非常に便利。使用時の横幅は46cmと、電車の改札口もスムーズに通り抜けられるサイズです。
aire
使用時サイズ:W46×D86×H98cm
折りたたみサイズ:W46×D30×H98cm
リクライニング:120~160度(無段階調整)
座面高:38cm(juvaとの組み合わせで実寸58cm)
座面幅:W30×D20cm
重量:4.5kg
使用対象年齢:生後1ヶ月~15kg(36ヶ月)
※juvaと組み合わせて使用すれば新生児より使用可
joieブランドではセット販売のjoie aireトラベルシステムjuvaの他、両対面になるmirus、3輪タイプのlitetraxといったベビーカーと単体販売のベビーシートjuva とを組み合わせてトラベルシステムとして利用できます。
生活環境や成長の変化に合わせやすいトラベルシステム
トラベルシステムを検討している人の中には「短い期間しか使えないのでは?」という疑問を抱いている人もいるでしょう。juvaは新生児から12カ月(体重13kg)までの対応で、確かにチャイルドシートとして検討すると使用期間が短いかもしれません。しかし、最近の傾向を見ていると新生児期に使ったチャイルドシートを4歳まで使っている人は少なく、ある程度成長すると、もっと座面の広いものや簡易タイプの商品に買い換えている人が多いようです。赤ちゃんの頃には便利だったターン機能やリクライニングは大きくなると使わなくなり、逆に大きくなってくるとドリンクホルダーやヘッドレストの位置が重要になってきたりもします。ベビーカーも同じですが、子どもが成長するとチャイルドシートに求める機能は変わると言っていいでしょう。
赤ちゃんを起こすことなく、楽に移動することができます
そう考えると、むしろその時その時のライフスタイルに合わせて育児用品を使い分けるのが最もスマートで、子どもにとっても快適であり、トラベルシステムはそんな使い方が可能な秀逸な育児用品と言えるのではないでしょうか。
取材協力:株式会社カトージ