切手収集/切手収集入門

これぞ日本の美!奥の細道シリーズの魅力に迫る!(4ページ目)

「月日は百代の過客にして行き交ふ年も又旅人也」という書き出しで始まる松尾芭蕉の『奥の細道』はあまりに有名です。郵政博物館(東京・押上)では2016年1月23日(土)から3月27日(日)にかけて、奥の細道シリーズの切手原画展が開催されていますので、その観賞のポイントや『奥の細道シリーズ』の収集についてご紹介したいと思います。

板橋 祐己

執筆者:板橋 祐己

切手収集ガイド

使用済収集の難関「奥の細道」小型シート

「奥の細道シリーズ」で収集が難しいのは、ズバリ小型シートの使用済です。「奥の細道シリーズ」と同じ図案の切手を平成元(1989)年3月と8月に2度に分けて小型シートとして発行したものですが、無目打なので切手だと分かりにくく、あまり郵便には使われませんでした。そのため、今となっては発行当時に使われた使用済で収集するのが至難の業となっています。
小型シート「紅花と句」

「奥の細道シリーズ 第5集」の小型シート「紅花と句」。

小型シートは欲張らずに使用済完集を目指そう!

友人の切手ディーラーの方によると、目打有りの通常の「奥の細道シリーズ」の使用済に対して、無目打の小型シートの使用済が出現する確率は1%程度ではないかとのことです。それだけ難しい切手なので、あまり消印をより好みをせずに数を揃えていくのが基本だと思います。
小型シートの実逓使用済

「奥の細道シリーズ」小型シートの実逓使用済コレクション。(参考価格5,000円)

消印党なら平成彫刻ローラー

上記のリーフを見ても明らかなように、「奥の細道シリーズ」小型シートで圧倒的に多い消印はローラー印です。ということであれば、年号部分が更植式ではなく、彫刻したタイプの平成元年彫刻ローラーを探してみるのも面白いかもしれません。この平成元年彫刻ローラー印とは平成元年限定の珍しい消印で、東北・四国・中国の一部の郵便局で使用されました。彫刻式のものは年号部分の文字が更植式に比べて大きいので、目が慣れてくるとすぐにわかると思います。
水島郵便局

水島郵便局の平成元年彫刻ローラー。年号部分の文字が更植式はやや上に寄るのに対して、彫刻タイプは中央に配置されているのも特徴の1つ。

松山西郵便局の平成元年彫刻ローラー

松山西郵便局の平成元年彫刻ローラー。

いかがだったでしょうか。この記事を通じて、「奥の細道シリーズ」の中に、それぞれの楽しみを見つけていっていただければ幸いです。次回の記事では南極の昭和基地内分室についてお送りしたいと思います。
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