現在の株価急落は暴落への序曲なのか?

急激な株価下落が起こっている世界の株式市場ですが、これは暴落の序曲である可能性があります

急激な株価下落が起こっている世界の株式市場ですが、これは暴落の序曲である可能性があります

世界全体的に株価の下がりようや商品価格は2008~2009年以来という状況になってきています。ECBのドラギ総裁による3月にも追加金融緩和を行う可能性があるとのコメントで世界の株式市場は一時的に反発していますが、まったく油断できないところと思います。

今の暴落の根幹は米国の量的緩和政策や中国の4兆元の大規模景気刺激策による副作用です。量的金融緩和政策により大量のイージーマネー(簡単に投資できる資金)が発生すると同時に中国の4兆元の大規模景気刺激策をはじめとした世界各国の景気刺激策により、資源バブルが演出されました。このときに中国や新興国、資源に向けて大規模な投資が行われたわけですが、投資による設備が完成したころに、景気刺激策や量的緩和政策は終焉し、中国経済や新興国、世界経済の失速と資源価格の下落を招きました。つまり供給は大量にできる状態になったのに、需要と価格が大きくマイナスに向かっているという状況です。

4兆元の景気刺激策に沸いた中国や新興国に大量のイージーマネーが向かったことは想像に難くありません。そして、中国で投資された資金が流出しないように、実質的な人民元のドルペッグを維持してきた中国ですが、米国の利上げ観測で2014年後半から急激に米ドルが上昇。このとき、ドルペッグを維持した人民元も一緒になって(米ドル以外の通貨に対して)上昇したのです。他の通貨に対しておおむね20%程度、米ドルが上昇したため、人民元も20%程度、他の通貨に対して上昇したことになります。20%の上昇といえば、日本で言えば1ドル=120円から1ドル=96円程度まで円高になったようなものですから、中国の輸出が打撃をうけ、景気や株価に悪影響を与えたことは容易に想像が出来ると思います。

そして中国は、もうこれ以上の人民元高は耐えられないとして実質的なドルペッグをやめ、通貨バスケットへの移行を2015年12月に示唆。結果として年初から急激に人民元安が進み世界の株式市場が暴落する原因となっています。ちなみに、米国FOMC参加者の政策金利見通しは2016年末が1.375%、2017年末が2.375%、2018年末が3.250%となっていますが、もしもこのとおり、利上げが進んでいけば、新興国から米国への資金還流は加速する可能性が高く、中国はさらに苦境に陥りますし、もちろん、ドルと反相関関係にある資源価格にも悪影響を与え、大量の借り入れを行っている資源企業は破たんが続く可能性があります。

資源企業の悪影響が他のセクターへ波及しつつある

そして、この事が資源と直接関わりのない産業や株式、世界景気全体にも影響を与え出しているのが現在の状況だと思います。例えば米主要500社の15年第4四半期決算発表が始まっていますが、予想では全体で▼4.7%の減益で、第3四半期に▼0.8%減益とマイナス転換したところから一段と悪化する模様です。引き続きエネルギー関連企業は7割もの減益予想となっているのですが、今回はエネルギー以外も殆ど成長がみられなくなってきました

小売世界一のウォルマートは今週に世界269店舗を閉鎖すると発表しました。また大手銀行の決算が出てきていますが、発表の席で今後資源企業の破綻による貸倒を警戒する声も出てきています。主要500社に入るような大手石油会社は、大幅減益といってもまだ利益を確保していますが、中小では昨年から赤字に陥ったところが多く、今の原油価格では全く利益などでないはずです(先物の予約でしのいでいるところも多いわけですが、それも時間の問題です)。日本の商社の例ではありませんが、資源高の際に借金をして事業拡大したところが窮地に陥っており、それが経済全体に悪影響を及ぼし始めています。こうした企業の社債価格も暴落しています。リーマンショック時も、最初はサブプライムローンの組成に関わった金融機関だけが問題で市場全体への影響は限定的といわれたものでしたが、やがて全産業や株価に悪影響を与えて行ったことを考えると、今回起こっていることは、規模は違うかもしれませんが、同じようなことと思います。

今後、日本を含めた世界の株式市場の株価下落は、2008年以降見られなかった落ち方になって行く可能性があります。しかし、この状況が打破される可能性もあります。それは米国や日本、欧州の中央銀行が特別なアクションを出すことです。米国の利上げラウンドの中止や日本や欧州の追加金融緩和が発表されれば、現在は米国の利上げを織り込んでオーバーシュートして下げているような状態であるだけに、資源価格や新興国の株価が急激に反発する可能性があります。ともあれ今は警戒感を強め、中央銀行のアクションによって状況が一変するのを待ちたいところです。

【関連記事をチェック】
株式市場の暴落局面は終了したのか?

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。

【抽選で10名にAmazonギフト券1000円分プレゼント】All Aboutで「お金」について、アンケートを実施中です!
回答いただいた内容をAll About記事企画の参考にさせていただきます
※2021/12/1~2021/12/31まで

「毎月の家計についてのアンケート」に回答する

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。