世界的に株価急落!本当の要因は何?
年初から株価急落!今回はその要因を探ります
年初1週目にニューヨークダウは1万7000ドル割れ、S&P500は2000ポイント割れとなっていました。2週目には早くもダウ1万6000割れ、S&P500は1900割れと下落が止まりません。ニューヨーク及びナスダック証券取引所では、連日のように計1000を超える銘柄が1年来安値をつけています。一方、1年高値を更新する銘柄は、ごく僅かの公益株以外殆どありません。2015年までは、両者の数が正反対となっていた時期もありました(連日500銘柄以上が最高値更新など)。もちろん、日本株も軟調で日経平均は一時、1万6000円割れ寸前まで進みました。
やはり量的緩和政策の爪痕が根本的な原因
今の暴落の直接的な原因はアメリカの3分の2の経済規模を持ち、資源の最大需要元でもある中国の景気の低迷と、それに関連した商品価格の下落にあると思います。この事が資源と直接関わりのない産業や株式、世界景気全体にも影響を与えだしています。例えば米主要500社の15年第4四半期決算発表が始まっていますが、予想では全体で▼4.7%の減益で、第3四半期に▼0.8%減益とマイナス転換したところから一段と悪化する模様です。引き続き、エネルギー関連企業は7割もの減益予想となっているのですが、今回はエネルギー以外も殆ど成長がみられなくなってきました。小売世界一のウォルマートは世界269店舗を閉鎖すると発表しました。また大手銀行の決算が出てきていますが、発表の席で今後資源企業の破綻による貸倒を警戒する声も出てきています。
主要500社に入るような大手石油会社は、大幅減益といってもまだ利益を確保していますが、中小では昨年から赤字に陥ったところ多く、今の原油価格では全く利益などでないはずです。先の住友商事の例ではありませんが、資源高の際に借金をして事業拡大したところが窮地に陥っており、それが経済全体に悪影響を及ぼし始めています。こうした企業の社債価格も暴落しています。リーマンショック時も、最初はサブプライムローンの組成に関わった金融機関だけが問題児でしたが、やがて全産業や株価に悪影響を与えて行ったのでした。年始から日本株急落! 今後の株価の見通しは?でも書きましたが、これは米国を初めとした先進国が積極的に行った量的緩和バブルの爪痕といえるでしょう。
全体に株価の下がりようや商品価格は2008~2009年以来という状況になっていますが、企業業績もその時以降見られなかった落ち方になって行きそうです。ただ、状況がガラッと変わる可能性ももちろんあります。それは、米国FRBが利上げペースを予想よりも緩やかにしたり、あるいは利下げに逆戻りすることです。あるいは日銀や欧州中央銀行の追加金融緩和など、中央銀行が特別なアクションを出せば状況は一変する可能性はあるわけです。米国の昨年末の利上げは状況を悪化させる結果となった模様ですが、今後、何らかの措置がなければ、下落トレンドは更に続く可能性があります。
参考:日本株通信
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