家計簿・家計管理/家計管理の基本

老後破産をしない!親子で注意するお金のコツ8つ

家計管理の方法も時代に合わせて変えていく必要があります。しかし、全てを自分の力で賄うことは大変です。経済的自立をしたうえで、親や祖父母といった家族間でお金を流すことも考えていきましょう。

二宮 清子

執筆者:二宮 清子

家計簿・家計管理ガイド

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時代に合った家計管理の方法とは?親世代との違い

前回は、親と子ではお金に関するジェネレーションギャップがあるという事をお伝えしました。親とは違う家計の守り方があるとすればどのような事に注意すればいいのか8つのポイントをお伝えします。
 

1.稼いで世帯収入をアップさせる

夫婦共働きで、女性も「103万円の壁を越えていく」事が大切になります。扶養の範囲内にこだわらず稼ぐことで、結果的に将来受け取る年金も増えます。夫婦で年金をしっかり受取る事ができれば、老後に備えるお金も減りますので現役世代にお金をより有効に使うことができます。

出産・育児・介護・夫の転勤等で女性の離職率は高いという現実も受け止め、産休・育休の有無や離職したあとも復職できるかといった事も考慮して仕事を選んでいく事も重要でしょう。また、時間の自由が利くフリーランスで働く事は子育て中の女性にとってはとても助かります。ぜひ好きな事を仕事にして稼げる女性になってもらいたいです。

ポイント!趣味を習う側から教える側になろう
また、定年退職後も稼げるものを持つといいでしょう。例え趣味だとしても、何年も続ければ人に教えられるレベルになることは可能ではないでしょうか。趣味で終わらせずに将来は教える側に回り、お金を頂けるようになれば、生きがいが増え、更に豊かな人生を送れるのではないでしょうか。
 

2.支出を減らす~家計はスリムに

女性は出産・育児・介護で離職する可能性も高く、共働きといっても基本的な生活費は夫の収入で賄うといったスタイルがとても大切です。収入が増える分生活費も増やしてしまっては貯蓄はできません。生活費をスリムにすることができれば家計に余裕が生まれ、貯蓄や生きたお金として回すことができます。
 

3.貯める~貯まる仕組みを多く持つ

財形貯蓄(勤務先が制度を導入していれば)、確定拠出年金、学資保険、個人年金等、貯まる仕組みをたくさん取入れて確実に貯めていきましょう。
 

4.増やす~リスクを取る

資産運用や投資はお金が増えることもあれば、減る事もあります。少しでもリスクを減らす為には、投資について学び、経験を積んで相場観を身に付けることが重要になります。経験を積みながら学ぶには時間が必要になりますので、1歳でも若く始めることが重要なポイントになります。

基本的には、ドルコスト平均法を活用した投資信託を毎月一定額買っていくというスタイルが一般的です。また、勤務先に持株会や確定拠出年金がある場合は積極的に活用しましょう。
 

5.住まいにかけるお金を軽くする&価値のある家を持つ

「新築一戸建て」「新築マンション」にこだわらず、中古やリフォーム・リノベーション、賃貸併用住宅といった「住まい」の形の選択肢を広げましょう。また、「住めればいい」という家ではなく、持ち家の場合「資産価値」のある物件(立地や住みやすさ)を持つ事で、現金化(売却や賃貸にできる)できたり、贈与や相続時に有効活用することができるようになります。

住宅ローンの負担が一番重い時期は子どもが大学進学する頃です。仕送りや学費を払いながらでも、住宅ローンが支払えるのか確認しながら、借入れ金額を決めていくことがポイントです。また、できる限り退職金には手を付けずに済むように、60歳までに完済できる資金計画が大切です。
 

6.教育費は子どもが生まれた時からコツコツと準備を始めよう

教育費はケチる親御さんはほとんどいません。可能な限りお金を出してあげたいというのが親の心情です。しかし、教育費の負担がかかる時期は住宅ローンと重なりますので、家計は苦しく、進学を断念せざるを得ないケースも決して少なくありません。そうならない為にも子どもを授かったら、すぐに学資保険等を利用しコツコツと準備していきましょう。お金を貯めるには時間がかかります。教育にはお金がかかることは分かっているからこそ、早いうちから準備をするのです。

また、教育ローンはできるだけ借りない事も大切です。住宅ローン+教育ローンを抱えると、老後のお金が準備できません。教育ローンを選択する前に、子どもと話し合い奨学金の利用を考えましょう。
 

7.老後資金は勤務先の仕組みを活用して貯めよう

老後資金の貯め方として、勤務先に財形年金・確定拠出年金・企業年金といった仕組みがあれば、まずはそれらを活用しましょう。それらの仕組みが無い場合は個人年金等で備えていきます。

以上のように、まずは自分でできることをやってみましょう。さらに第二段階として、家族間でできることをお伝えします。核家族化が進んだ高度成長期は、豊かになった子ども達が老親の面倒を見るというスタイルが一般的でしたが、今は老親の方が豊かなケースが多く、老親が子ども達の家計を助けているケースも多く見られます。親子共に経済的自立をしたうえで、若い世代にお金を流すことも、今の時代とても重要なのではないかと思っています。
 

8.生前贈与の活用

現在、預貯金の多くを高齢者が保有しています。従って、どうやって親や祖父母の持っている預貯金を子や孫といった若い世代にお金を移転させるかが、課題になっています。相続時精算課税制度(生前贈与)の活用や、教育費や結婚・子育て費に関する贈与の非課税枠といった制度が充実してきました。それでも高齢者から若い世代になかなかお金が流れない理由には以下のような事があげられます。

◆長生きリスクによる不安・・・寿命が延びている分、生きる為にお金を多く持っていないと不安から必要以上のお金も手離せずにいます。

親子関係・家族関係の希薄化・・・親子関係・家族関係が上手くいっていない と当然ながらお金がスムーズに流れることはありません。兄弟姉妹間で相続が争族になる理由も親子や兄弟姉妹の関係性の良し悪しが影響しています。お金をスムーズに流すには普段からのコミュニケーション・信頼関係が重要です。親子関係が上手くいっていない場合、高齢者の心の隙間から詐欺に引っ掛かり、結果的にお金は奪われるケースも決して少なくありません。

◆金銭教育の不足・・・「大金を息子(娘)に渡してしまったら、何をしでかすかわからない」と生前贈与をためらう高齢者も多くいます。つまり自分の子どもがお金に対してだらしないとそう思ってしまうのでしょう。子ども時代から親子で良い金銭感覚になるよう金銭教育を行っていくことがとても重要だと感じます。

親や祖父母が多くの預貯金を持っているにも関わらず、その子ども達が住宅ローンや教育ローンを借りているケースをよく見かけます。銀行から借りて金利を払うより、親や祖父母から借りて金利を親や祖父母に支払っていけば、家族全体が豊かになります。このように親子間・家族間でお金や資産を流すには、やはり良い親子・家族関係と金銭教育が必要なんですね。

自分でできる努力と世代を超えてできる事、自分と家族の豊かな未来の為に取り組んでいきましょう。

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