Wi-Fi内蔵でスマホ連携の検索が可能に
検索機能は、住所や電話番号、ジャンル、50音といったカーナビに格納されたデータを使用する一般的な検索方法ももちろんあるが、Wi-Fiを搭載したことでスマートフォンと連携した検索が可能になり、利便性が増している。とくに便利だと感じたのはは「スマホDEメモ」というスマホアプリを利用した検索だ。たとえばランチのお店を探す時、まず食べログ等のグルメサイトで評判のいい店を探し、その店舗情報を見て電話番号や住所をカーナビに入力して目的地設定するという人も多いと思う。僕もそのクチだ。カーナビの情報では店名等の大まかな情報はわかるが、メニューやお店の評判まではわからないからだ。
そんな作業を楽にするのがスマホDEメモ。食べログで見つけたお店の店舗情報のページから転送ボタンにタッチしてスマホDEメモを選べば、サーバーにそのお店の地点情報がアップされる。そしてカーナビの検索メニューのDrive Connect~スマホDEメモにタッチすれば、さきほどスマホで探してメモしたお店がリストアップされているというわけ。あとは目的地に設定してルート探索すれば、その店へ行ける。
メモできるのは、なにも食べログだけとは限らない。プレイスポット等の施設のサイトでもいいし、宿泊施設のサイトでもいい。住所が載っているページがあれば、そこをメモして簡単に目的地に設定できるのがいい。
スマートループ対応で渋滞対応力が大幅アップ
道案内に関しては、地図や案内図の色味が変わったことで、かなりわかりやすくなった。色味に関してはいくつかのパターンに変更できるが、標準の色味はどことなくカロッツェリア風でなじみやすい。交差点拡大図は、斜め前方を見下ろす3D表示から、交差点に近づくにつれて真俯瞰図へと徐々に切り替わっていくタイプだ。カーナビの機能については、こちらも参照のこと。渋滞情報は、スマホとのWi-Fiテザリングによって、カロッツェリア・ナビでおなじみのスマートループ渋滞情報が取得できるようになった。いや、以前からスマートループには対応していたのだが、対応する携帯電話が限られていたのと料金がかかるため、ほとんど知られていなかったし使われていなかった。それがMZ100ではスマホを利用できるので身近になったというべきか。
VICSで渋滞情報を提供しているのは全国9万キロなのに対して、スマートループ渋滞情報は全国70万キロの道路の情報を提供。これは生活道路をのぞいてほぼすべての道路で、幹線道路だけではなく細かい道路の渋滞情報までわかる。MZ100シリーズはVICSワイドには対応していないが、スマートループ渋滞情報があれば、渋滞対応力は十分以上といえる。
定評の音はさらに向上。サラウンド再生も楽しい
最後にサウンドに関して。DIATONE SOUND.NAVIは初代機のMZ60シリーズからMZ80~MZ90にいたるまで音質に改良を重ね続け「音が良いナビ」の地位を確立してきたわけだが、今回のフルモデルチェンジでは、一段と高いレベルに達している。デモカーとは別の機会に試聴室で聴いた時に驚いたのは、ハイエンド・カーオーディオと言われるとあるメーカーのヘッドユニットと80万円ほどの高級パワーアンプの組み合わせでも聴こえなかった微小な音が、MZ100シリーズでははっきりと聴こえていたこと。DIATONE SOUND.NAVIは歴代、聴感上のS/Nの高さをコンセプトにしているが、実際にS/Nが高いことを物語っている。
そのため、音楽のニュアンスが細かく伝わってくるし、感情も伝わりやすい。聴いていて心に響く度合いが高いのだ。デモカーは純正スピーカーのまま、カーナビをMZ100シリーズに入れ替えただけの簡単なシステムだったが、それでもMZ100の内蔵機能で綿密に補正しているため、運転席で最良のステレオ音場が再現されているし、解像度も質感も十分に高級オーディオの音だ。
また今回、新たに採用されたダイヤトーン・サラウンドも良くできている。要するに疑似サラウンドなのだが、よくある疑似サラウンドのような位相のズレ感や違和感はまったく感じないし、純正4スピーカーのままでセンサースピーカーやサブウーファーがあるかのような立体感のある音場を作り出す。
5.1chサラウンド対応のDVDを見る時には、ぜひダイヤトーン・サラウンドで楽しむことをおすすめする。さらに最大96kHz/24bitまでのハイレゾ音源の再生にも対応。サンプリング周波数は44.1kHzにダウンコンバートするものの、ジッター対策を徹底しており、ハイビットならではの緻密なサウンド再生が可能だ。
これまでは「音はよくてもカーナビとしてはね…」と敬遠されがちだったDIATONE SOUND.NAVIだが、MZ100シリーズはカーナビとしてもおすすめできる能力を備えている。
・CLUB DIATONE