外国人選手の熾烈な一軍枠競争
巨人は12月16日、ヤンキースから自由契約となっていたギャレット・ジョーンズ外野手(34)との契約が基本合意したと発表した。1年契約で年俸250万ドル(約3億500万円)。この年俸は近年の巨人では破格の数字だ。1995年に年俸3億4000万円で入団したシェーン・マック級の大型契約。高橋由伸新監督に対するサポートの大きさを物語る。
ジョーンズは、2009年のパイレーツ時代から6年連続2ケタ本塁打を記録。2012年には4番に座って27本塁打をマークした左の大砲だ。今季はヤンキースで打率.215、5本塁打、17打点と低迷したが、獲得した堤GМは「ポイントゲッターとして期待している。当然、100(打点)打ってくれたら御の字だけど、打点には重きを置いてもらいたい」と期待している。
巨人は今オフ、前ロッテのルイス・クルーズ内野手と年俸2億4000万円で契約した。これで在籍外国人選手は7人(育成選手を含めると9人)となり、熾烈な一軍枠競争が展開されそうだ。
新加入だが、投資額からするとジョーンズ、クルーズは入り、最高勝率に輝き、2年総額2億8000万円で残留が決まったエース格のマイルズ・マイコラス投手も確定だろう。そうなると残り一軍外国人枠は1人で、マシソン、ポレダ、メンドーサ、アンダーソンらが争うことになる。
在籍4年間で通算240試合に登板、今季も主にセットアッパーとして63試合に登板したスコット・マシソン投手は、チームメートの信頼も厚い。チーム事情からすると先発左腕のアーロン・ポレダも外せない。この2人の争いになる可能性は強いが、高橋新監督にしてみれば、嬉しい悩みかもしれない。
外国人選手は日本人選手への刺激にも
嬉しいといえば、この外国人選手たちによって、日本人選手も大いに刺激を受けることだ。一塁と外野を守るジョーンズ、二塁・三塁・遊撃とすべてのポジションで高いパフォーマンスを見せるクルーズの加入は、内、外野でチームを一気に活性化する。また、エースになってもらわなければ困る菅野や、チームの柱である坂本や長野も期するものが生まれるだろう。この相乗効果は、優勝を逃した巨人に必要なものなのだ。
ラミレス、グライシンガー、ゴンザレス、クルーンらを擁した2009年は、小笠原や阿部と融合して日本一に輝いた。来季、ジョーンズ、クルーズ、マイコラス、マシソン、ポレダらを擁する高橋巨人が、菅野、坂本、長野らと見事融合して日本一奪回を果たさなければならない。