メルセデス・ベンツ新型Vクラスはディーゼル、安全、快適性が特徴
メルセデス・ベンツのVクラスがフルモデルチェンジを受け、3代目にスイッチした。
1998年に初代が登場し、2003年登場の2代目はビアノを名乗り、その後Vクラスに再び戻すなどの紆余曲折はあったが、2006年と2011年の一部改良を経て累計販売台数は2万台を超える人気モデルとなっている。
日本に正規輸入されているミニバンには、Vクラスのほか、フォルクスワーゲン・シャランやトゥーラン、シトロエン・C4ピカソ/C4グランドピカソ、プジョー5008、BMW2シリーズグランツアラーなどがあるが、サイズや存在感、知名度からいっても輸入ミニバンの王者といえる風格を備えている。
クリーンディーゼルエンジンのみで、3つのボディタイプを設定
3代目のVクラスは、両側スライドドアやどの席にもゆったり座れる大きな7シーターといった美点を引き継いでいるだけでなく、エンジンはクリーンディーゼルの2.2L 直列4気筒BlueTECのみというのも大きな特徴となっている。
さらに、ボディタイプも標準仕様とロング仕様のほか、エクストラロングの3タイプを用意し、ニーズに応じて選べるようになっているのも朗報だろう。
ボディサイズは、標準ボディのV220dが全長4905×全幅1930×全高1880mm、V220dアバンギャルド・ロングが全長5150mm、V220dアバンギャルド・エクストラロングが全長5380mmとなっていて、全幅と全高は同値。ホイールベースは、標準とロングが3200mm、エクストラロングが3430mmと長くなっている。
全モデル7人乗りとなる広大な3列シートは、堅牢なシートレールを採用したフラットフロアに2列目の独立シート、3列目にはベンチシートを配置。
3代目となる今モデルも先代同様、2列目と3列目は脱着可能なシートを採用している。シートが大きく、しかもかなり重いため脱着は重労働になるが、2列目を後ろ向きにセットして後席乗員5人が向かい合って座れる状態にしたり、後席を2座のみにして室内を広々と使った贅沢な空間にでききたりするほか、2列目と3列目もすべて取りはずせば単身者なら引っ越しができそうなくらいの広大なラゲッジスペースが出現。
先述したように、シートの脱着は大人2人での脱着もかなり大変で、とくにベンチシートの3列目は、3人がかりくらいでやらないと重くて苦労するも事実だが、2列目と3列目は脱着のほか、スライド、背もたれの前倒し、タンブルも可能なので状況に応じて1人でも比較的容易にシートアレンジできるのも特徴だ。
なお、エクストラロングは、少しでも大きいモデルが欲しい人や、シートを取り外してオートキャンプや車中泊など「こうした使い方がしたい」という明確なカーライフを思い描いている人にはおすすめだが、そうでなければ5.4mに迫る全長は取り回しや駐車場所などでは、その巨体を持てあましてしまうかもしれない。最小回転半径は標準とロングが5.6mだが、エクストラロングは6.0mに達する。
次ページは、新型Vクラスの走りについて