2.2Lディーゼルはエクストラロングだとやや辛いシーンも
さて、気になる2.2Lディーゼルエンジンの実力だが、163ps/3800rpm、380Nm/1400-2400rpmというスペックは、2280~2370kgの標準ボディと、とくに2490kgに達するエクストラロングのボディとでは大きく印象が異なる。
V220dよりも120kg(受注生産のV220dトレンドと比べると、210kgも重い)重いエクストラロングを2人乗りでほぼ空荷の状態で走らせると、普通に走る分には不足はないといえる程度。ただし、7人フル乗車で荷物を満載となると、シーンによってはパワー不足を感じるかもしれない。
ただし、こうした使い方は大型ミニバンといえどもそう機会はないはずで、サイズ的にも5人家族くらいなら標準ボディで必要十分、7人家族でもロングボディで満足できる広さが得られるのではないだろうか。
それでも非常にスムーズな7速ATにおかげで、中・低速域で厚めのトルクのあるディーゼルエンジンのおかげで、発進時やパーシャル域からの加速なども無難にこなしてくれるのは頼もしい。
また、乗り心地や静粛性が先代よりも向上しているのも朗報で、さらにロングとエクストラロングには「ICC」と呼ぶ機能が用意されている。これは、ドライバーの声がリヤシート寄りのスピーカーから聞こえてくるシステム。
ドライバーの頭上にあるマイクから声を拾い、ノイズ状況をリアルタイムに測定してフロントシートの声を自動的にスピーカーで再生することで、ドライバーが後ろを振り返ったり、大声を張り上げたりする必要がなくなるというわけだ。なお、後席からの声は前向きに発声されるなどの理由から、リヤシートからフロントシートへの同機能は用意されていない。
ハンドリングは大型ミニバンらしくそれなりにゆったり感もあるが、決して鈍重なワケではない。FRらしいバランスのとれたハンドリングといえるから高速道路や山岳路でも意外と軽快感があるのは先代と同様の長所だろう。
最新の安全装備、新エコカー減税も魅力!
新型Vクラスの見どころはほかにも満載といえるほどあり、大切な家族やゲストを守る安全面も最新装備が用意されている。ACCの「ディストロニック・プラス」や車線逸脱警告の「レーンキーピングアシスト」などからなるオプションの「レーダーセーフティパッケージ」はぜひセレクトしたいところ。
安全や快適装備が充実し、内・外装の質感が大きく向上。さらに、クリーンディーゼルエンジンによる新エコカー減税の「免税」、自動車グリーン税制優遇措置(自動車税)の75%低減など、装備や機能、性能だけではない利点も得られる。
日本にはトヨタ・ヴェルファイア/アルファードに代表される大型ミニバンがあるが、こうした国産ミニバンにはない堅牢感や3列目まで妥協のないシートサイズ、空間の広さなどを重視し、さらにメルセデス・ベンツのブランド力も魅力に感じる人にとっては新型Vクラスは見逃せない存在といえそうだ。