保健師コースは2016年度から30人

高知大学の歴史は、1922年に設立した旧制高知高等学校から始まりました。以後、1949年に新生高知大学となり、2003年には高知医科大学と統合され、現在に至ります。看護学科としての歴史は高知医科大学時代の1998年からです。2015年度からは新たに地域協働学部が開設され、地域を意識した教育に力を入れていることも伝わってきます。

大学の本部は高知市の朝倉にありますが、医学部のキャンパスは、はりまや橋からバスで約30分の南国市岡豊地区にあり、附属病院も併設されています。

看護学科の定員は60人。保健師の資格を取るためのコースは選択制を採用しています。気になる人数制限は、2015年度まで設けていませんでした。しかし、2016年度入学生からは30人を目安とすることになりました。
選抜の時期は2年時終了時を予定し、何を基準にするかも今後検討課題とのことです。ちなみに、3年次から編入してくる学生に対しては、10人との定員があるため、そのうちの5人までが保健師コースに入ることができます。

県内幅広い地域で実習

保健師教育、とくに実習の特長は、毎年高知市以外の市町村を舞台に幅広く展開していることです。産業保健もひとりあたり2つの企業を訪問することで、広い視野を持たせることを意識しています。保健師を目指す学生は自治体にばかり目を奪われがちになりますが、
左から齋藤美和講師、奥谷文乃教授、杉本加代講師

左から齋藤美和講師、奥谷文乃教授、杉本加代講師

「溶接などの危険業務も行っている製造工場にも行きます。日本の経済はこうした現場が支えているということも理解して欲しいですね」
とは、産業医としての経験も豊富な奥谷文乃教授の言葉でした。

土佐人の気質なのでしょう。学生に対して、高齢者はとくに受け入れがよく、家庭訪問もしやすいといいます。実習先の自治体でも、職員と学生のコミュニケーションならぬ飲みニケーションもよくある話だそうで、さすが高知といった話も聞かれました。

家庭医道場への参加も可能

一方の座学では、まず、1年次に高知大学ならではの大学基礎論を学びます。学部によって内容は変わり、看護学科ではEME(Early Medical Exposure)=病院外来患者への付き添い実習や、BLS(Basic Life Support)=一次救命処置を行っています。さらに、課題探求セミナーという講義もあり、地域に出てキーパーソンとなる人に防災についての話を聞いてくるなどの活動もここに含まれているといいます。

ほか、医学科と看護学科の希望者を対象としたものですが、県内の山間部や離島で合宿をしながら地域医療の実習を行う「家庭医道場」の取り組みも長年続けており、病院実習とはひと味違った学びがあると評判です。

先生からのメッセージ

「病気で困っている人に手を差し伸べることはとても大切なことですが、それ以上に、人間を幸せにするのは、病気にさせないことです。保健師を目指すなら、公衆衛生の重要性を理解し、自分たちがやっていることは人々を幸せにすることだとの自負・自信をもってください。また、その面白さに早く気付いてほしいと思っています」(奥谷文乃教授)

「どんなことにも、自分でよく考えられるようになってほしい。考えるためには調べ物ができなければならないし、その道筋も大事ということを伝えたいです。すぐに答えを求めるのではなく、過程もしっかり考えること。そして、何かが少しでも今よりよくなるようにしてほしい。高知大学でそれを学んでください」(齋藤美和講師)

「私は看護師、助産師、保健師、全ての仕事を経験してきました。その中で保健師の仕事が一番楽しかったです。なぜなのかと考えたら、対象となる住民と保健師が対等だったと実感できたからです。住民の健康や生活を守る仕事にできるだけ多くの、熱意ある方に就いていただきたいです」(杉本加代講師)


(大学データ)
高知大学医学部看護学科地域看護学講座:奥谷文乃教授/齋藤美和講師/杉本加代講師
定員:60人+編入10人
保健師コース:30人+5人
保健師コース最終選抜時期:2年末を予定

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