いよいよ運命のFOMC!日本株への影響は?
いよいよ近づく運命のFOMC!?利上げが発表された場合の日本株への影響を考えてみたいと思います
米国のISM景況感指数は非常に弱いものでしたが、FRBは雇用をより重視し、そしてなにより、最重要指標の1つである株価が最高値圏内に留まっていることから、12月15日(火)~16日(水)のFOMCで歴史的な利上げへと舵を切るのは、ほぼ確実と見える情勢となってきました。
利上げ自体は株価にとって悪い材料ですが、十二分に事前に織り込まれ、なおかつ株式市場の上昇トレンドが続いている中での利上げ発表ですと、利上げという悪材料で株価が大きく上昇することもありえます。その時は、米国経済が利上げに耐えうるほど強いという解釈で好感されるのだと思います。
もう1点注目したいのは今後の追加利上げの見通しが、どのような内容になるかということです。FRBのイエレン議長は米国経済は高い金利には耐えられないといった内容の発言を講演でしていることからも、今後の利上げには慎重な見通しを示唆したいのではないかとも思いますが、FRBは過去に方針を示唆して、将来の柔軟な対応が制約された教訓があり、今後の方針について、どのような内容を盛り込むのか、注目されるところです。
日本株への影響についてはドルインデックスにも注目
さて、今回のFOMCで利上げが発表された場合における日本株への影響ですが、もちろん米国株がどう反応するかに大きくかかっています。東証の約7割は外国人投資家による売買ですから、海外市況がどのような状況になるのかは大きなポイントです。前述のように、利上げ事態は悪材料ですが、事前に織り込んで、米国経済が利上げに耐えうるほど強いという解釈がなされ、米国株が上昇すれば、日本株も上昇する可能性が高まります。一方、株価と一緒に注目したいのが為替の動きです。ここまでのドル円為替レートの動きを見ると、米国の利上げを織り込む形でドル高円安が続いてきましたが、12月9日には大きく円高に振れました。1つにはクリスマスや年末が近づき、為替にも膠着感がでてきたことから、利上げを織り込む形で溜まってきたドル買い円売りのポジションがクローズされた、年末のポジション整理による調整という側面があります。このあたりは、事前に利上げを織り込んで行き、逆に利上げ発表と同時に逆の動きになるという、先ほどの株価の説明と同じような事態になっているようなものです。
したがって、基本的には傾いたポジションが整理されれば、過度の円高になる心配はいらないのですが、気を付けたいのは原油価格の下落です。原油価格はドルの動きに反比例するように下がってきたのでしたが、ECBの追加緩和が期待外れに終わってドルインデックスが急落したにもかかわらず、40ドルを割り込み、なお下落が続いています。
中東各国だけでなく、ロシアも過去最高水準の生産を続けるなか、2016年からはイランの増産も加わりそうで、少なくともファンダメンタルから原油価格に反発の兆しは見られません。原油価格が日本株にとって、なぜ重要かといえば、(エネルギー輸入国である)日本の貿易収支の好転につながることです。貿易赤字が縮小、あるいは黒字化するということは、実需のドル買いが減るということを意味しますから、為替は当然円高に振れやすくなります。このまま原油安が続き、更なる円高に振れれば、当然日本株には悪影響が出てきますので、その点は注意が必要なところでしょう。
参考:日本株通信
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