毎年2月~3月(住宅ローン控除などは1月~)は確定申告の時期ですが、2008年2月の新聞報道によれば、ある税務署の確定申告受付会場で「申告書をパソコンで作成するように強制された」という苦情が殺到したのだそうです。

たしかに、面倒な確定申告書もパソコンで作成すれば便利だし、慣れてしまえば簡単でしょう。ところが、多くの人、とくに初めての人にとっては、確定申告の仕組みや入力項目を理解するだけで頭の中が「???」マークでいっぱいになっているかもしれません。

さらに、普段からパソコンを使っていない人であれば、キーボードの打ちかたやマウスの動かしかたの段階から拒絶反応を示すことだってあり得ます。

私自身このような仕事をしていると、回りはパソコンに詳しい人が多いし、これを読んでいるのもパソコンやスマホに慣れ親しんでいる人が大半でしょう。

そのため「誰でもパソコンを使える」「いま使っていない人も教えれば簡単にできる」と、つい錯覚しがちですが、中にはパソコンに触れることすら嫌がる人も依然として存在するのです。

あるとき、必要に迫られて年配の知人にパソコンの使いかたを教えようとしたのですが、三日坊主どころか3時間も続きませんでした。

税務署がパソコンによる申告書作成やオンライン申告の普及に熱心なことを、決して悪いとはいいません。税務署の職員も意外と優しい感じの人が多く、冒頭の「事件」は、おそらく一部の人が熱心さのあまりに暴走してしまったということなのでしょう。

住宅の建築や購入、売却などで初めて確定申告をする人、書類作成が苦手な人、どう記入すればよいのか分からない項目がある人などは、税務署が混まないうちになるべく早く申告手続きや相談をするようにしたいものです。

2月中旬以降に窓口が混んでくると、税務署の担当者もゆっくりと丁寧に教えることのできない場面がでてくるかもしれません。


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(この記事は2008年3月公開の「不動産百考 vol.21」をもとに再構成したものです)
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