子供の行為を導くのに「報酬と罰」は有効か?

多忙なときこそ心がけたい

なんでこんな忙しい時に!

年末年始に向け、目の回る忙しさ。とはいえ親が分刻みで走り回っていても、子供がなかなか思うようには動いてくれず、気がつけばイライラと怒ってばかり、そんなこともあるかもしれません。

この記事では、忙しい時こそ覚えておきたい、「子供の行為を導く方法」について、整理してみましょう。

子供の行為を導くために長い間用いられてきたのが、「報酬と罰」です。幼い頃から、好ましい行為には報酬が与えられ、好ましくない行為は罰せられるとすることで、子供は成長するにつれ、集団の中でよりスムーズに暮らすことのできる行為を身につけてきました。

それでも昨今は、好ましい行為に対しこまめに対応していく方が、好ましくない行為を待ってから罰するよりも、より有効だと示す研究が多く報告されています。できている時を積極的に認める方が、できていない時を咎め続けるよりも、子供の行為を導き易いというのです。

確かに子供側の心理としても、「認められて嬉しいからしよう!」といった報酬による導きの方が、「怒られるからしないでおこう……」といった罰による抑制よりも、より健やかといえますね。


子供にとって最もパワフルな「報酬」とは?

では、子供にとって最もパワフルな「報酬」とは何でしょうか? 大好きな玩具やキャンディーを与えられること? ところがこうした「物質的な報酬」は、即効性はあっても長い目で見ると効果が低いとされています。例えばこんな実験があります。

アリゾナ州立大学のリチャード・フェーブス教授率いる研究 (*1) では、小学校2年から5年生までの生徒に、色紙を分けるタスクを与えます。そしてその中の何人かの子供には、「作業をすることで、玩具がもらえる」と伝えます。その後、今度は「玩具がもらえる」とは言わず、単にボランティアとして同じタスクを与えてみます。すると、前回玩具を与えられた子の方が、より少ない時間を費やし、より少ない量しか作業しなかったと言います。

また20か月のより幼い子を対象にした実験 (*2) でも、人を助けることで玩具がもらえるというトレーニングを受けた子の方が、玩具を与えられなかった子に比べ、より自然に人を助けることが少なくなったという結果が報告されています。

つまりこれらの研究によると、「物質的報酬」を与えて子供の行為を導こうとしても、長い目で見るなら、「玩具くれないの? じゃ、やらない」となってしまうというのです。

では子供にとって、長い目で見て最もパワフルな「報酬」とは何でしょうか? それは、大好きなママやパパが喜んでいる姿です。このことを心に留めつつ、子供への対応を見直してみましょう。

>>次のページでは、子供の行為を導く方法を具体的に見てみましょう。