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「ハーフビルドDIY」で白いウッドフェンスを作る(2ページ目)

DIYで木製フェンスやウッドデッキを作る人が増加中。こうした外部のしつらえ、エクステリア(外構)工事は、雨風への対策や基礎などの専門技術が必要です。そこで塗装は屋外用塗料のキシラデコール使ってDIYし、難しい工事はプロに任せる「ハーフビルド」で白いウッドフェンスを作りました。

喜入 時生

執筆者:喜入 時生

インテリア・建築デザインガイド


支柱はDIYでラクラクペイント。プロが基礎と柱立てを担当

模型

縮尺1/10の模型。名目上は「みんなでイメージを共有しましょう」とか言っていましたが、ほんとはカッターナイフマニアの私が趣味で作りたかったのでした。
カッター記事※

初日、現場に着くと、すでに望月氏は木材をおろして塗装場所のガレージに養生用のブルーシートを敷き作業を開始していました。私は持参したメイン塗料のキシラデコールや、ハケ、バケツ、そしてビスなどの金物類を準備します。
望月氏コンクリート

現場では一番にに到着して、丸ノコで木材を切りそろえたりコンクリートを混ぜたり、塗装の指導をしたり、現場の雰囲気をなごませる冗談を言ったりと、ひとりでなんでもこなす望月氏。

キシラデコールの塗装では、広い面を塗るときに使われる「コテバケ」が威力を発揮しました。コテバケはハケ替わりに薄いスポンジに塗料を吸わせて塗っていく便利なコテ型の塗装道具。

コテバケを木材に押し付けると、キシラデコールがイイ感じで染み込んでいきます。広いウッドデッキなどの表面塗り替えを検討している人にもオススメです。
キシラカン

キシラデコール・ワイス(今回は1.6リットルを2缶使用)の蓋を、マイナスドライバーであけているところ。蓋を開ける前に缶をさかさまにして充分に振って沈殿している塗料を混ぜ合わせることが重要。そして、缶をあけた後も棒状のもので液体をかき混ぜるのがベストです。この丸い缶のキシラデコールは家庭用と表記がありますが、大容量のプロ用と成分は全く同じ。

コテバケ

「ローラー皿」というペンキ用トレイに、キシラデコールを入れます。この四角いモップ状ものが「コテバケ」。このコテ状のハケは作業効率が高くて大活躍!

1日目の手順は、ガレージ上のフェンスの支柱を立てる場所に望月氏がコンクリート桝を5つ並べて基礎作り。同時にガレージで塗装担当のPONちゃんが柱から塗りはじめます。柱が塗り終わったら基礎に立てます。もちろん私も、はりきって塗装作業に参加。
コテバケ塗り

柱をコテバケで塗っているところ。柱はズギ材ですがカンナ掛けしてあったためか、若干、吸い込みが悪い感じはありました。でも、がんばって根気強く塗るPONちゃん。

PONちゃんと一緒に柱の下に端材を敷いて平行に並べて塗っていきます。でも、「きーれさん、柱が平行に置かれてません! 色ムラになってます! ペンキ、タレてます!」と注意されっぱなしの私。上から望月氏の笑い声が。私は初日から現場で戦力外扱い……。

一般的なハケは、吸い込みの良いラワン板の表面や、木口(こぐち:木材の切断面など細く狭いところ)を塗るときに使いました。ラワン板はみーやさん手持ちのもの。これにキシラデコールの茶系「マホガニ(#107)」をハケ塗りして、後で棚板に使います。
ハケさばき

新しいハケは塗る前に一度、先をさばいて板に毛が付かないようにします。

マホガニ塗り

吸い込みの速いラワン材に、茶系のマホガニ色を楽しそうにハケ塗りしています。今回、キシラデコールのマホガニは0.7リットル缶をひとつ用意しました。
 

2回塗りした支柱が立つ。メインのマツ板も1回塗りが完了

1日目は、柱塗りから柱立てまでを終わらせる予定。21センチ幅のマツ板も1回塗りまで終わらせることが目標。マツ材は表面をラフに仕上げてもらったので、柱のスギ材に比べるとキシラデコールの吸い込みが速い。
マツ

今回使用するマツ板。想像はしていましたが3センチ×21センチ、長さ4メートルは、実物を見るとかなりマッチョ。ザラザラの表面はリクエストのイメージ通りです。本格的な塗り作業に入る前に、現場で出た端材でコテバケやハケで試し塗りをしました。

マツキシラ1回塗り

上が一回塗りが終わったところ、下が塗る前のマツ材。縦に入った鋸目がかなりイイ表情。予定通り、一部を残して初日で1回塗りは完了しました。

一方、ガレージ上の望月氏はコンクリート桝の中央に柱を立てる作業を、黙々とこなしています。ですが、隣家との間のコンクリートブロックの隙間の土の中で竹の根が想像以上に成長していて、その撤去に手間取っていました。
桝

柱の基礎になる5つのコンクリート桝。このセンターに柱を立ててコンクリートを充填します。右端のコンクリートブロックと黒い柱は隣家の敷地になりますが、お隣の許可を得て作業しやすいように一時的にフェンスの横材を外しています。こうした外構工事は望月氏の専門分野。

望月氏によると竹は切っても生命力が強くて、すぐ生えてくるので除草剤を撒くことも考えたそう。ですが、みーやさんと話し合い、コンクリートと鉄筋のメッシュを入れてさらに強固にすることに。そのため頑丈な小屋並みのしっかりとした基礎になりました。
基礎

垂直に柱を立てて桝のまわりにコンクリートの打設が終わった様子。お隣のフェンスは元に戻してあります。雨水が溜まらずに流れるように「水勾配」と呼ばれる緩い傾斜を付けました。

柱が立った!

隣家の既存の黒いフェンス越しに見上げたところ。5本の支柱が立ちました。これは望月氏ひとりの作業。素人DIYで、この長さ重量の材の垂直を出して立てるとしたら、どれだけの人と時間が必要でしょう? ここまでくれば残りの工事はメインの横板張りです。 

初日の作業はここまでで終了。夕方に解散し、翌日の午前8時集合となりました。

板にキシラデコールを塗り重ねて最終的な仕上げ

工事2日目の朝、現場に到着して、前日に塗った1回塗りの板を確認。含浸したキシラデコールの白色は乾いていますが、染み込むとまだ白木のままのような印象でした。さらに、すべての板を2回塗りして乾燥を待ちます。
2度塗り

すべてのマツ板を2回塗りしているところ。これが乾けばステンレス製のビスで柱に張り付けます。この作業が終われば乾燥待ちを兼ねて10時のおやつの時間。

乾燥時間は夏場で2時間程度とされています。工事は秋期でしたが気温は20℃以上あったので1時間半程度で乾きまいた。素手で触って指に付かなければOKとしましす。待ち時間には、みーやさんがお茶とお菓子を用意してくださったので、みんなでおしゃべりタイム。
塗り終わり

2回目の重ね塗りが終わりました。木目や節などの表情、そしてザラついたテクスチュアが分かる仕上げになりました。みーやさんの色合いチェックを受けてOKが出れば、柱に張り付ける作業に入ります。

作業した2日とも、午前10時、お昼ごはん、午後3時に、乾燥待ちを兼ねて休憩。

お昼は初日はPONちゃん手作りのコロッケ、2日目はみーやさんからお寿司。戦力外通告された私も、この時間だけはイキイキとしています。

休み時間をたっぷりとっても、作業は順調に進みました。むしろ後半にかけてスピードアップしていきます。

この作業効率の良さは、材料の組み上げにプロの技を借りたとことが大きく影響しているのです。

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