不動産投資のメリット
不動産投資はむずかしい
どうして、そんなに不動産投資を特別なモノだと思い込むのでしょうか?実体資産で目に見えるとか、家賃という配当がもらえるとか、資産価値の動きが緩慢であるとか、所有名義が登記で守られているとか、減価償却で節税ができるなどのメリットは、確かにあります。
しかし、不動産投資は、本当はむずかしいのです。
不動産投資のデメリット
不動産投資がむずかしいのは、長期間の運用のために、価値変動の測定が困難だからです。20年や30年の計で、取り組むべき資産運用です。しかし、その間に投資環境は何度も大きく変動します。金利や物価の変動の影響を考慮して、投資物件の収益率を正確に把握するには、ディスカウントキャッシュフロー(DCF法)を使った高等数学が必要です。アメリカでは個人投資家でも一般的に使う基本ですが、日本の不動産屋さんでこれを知っている人は希少です。
まあ、知らないから、客に気安く薦められるというメリットはあります。
簡便な投資基準を持つ
ここでは、普通の人でも簡単に不動産投資の効率を計ることができる方法をお知らせします。それは、不動産の物件価格が、家賃年収の何倍になっているかという測定です。年収の20倍以下の物件なら、ある程度は妥当な価格だと判断できます。たとえば、毎月20万円の家賃収入が入ってくる物件の上限価格は4800万円ということになります(地域によって妥当の程度は違います。都会なら25倍でも掘り出し物ですが、地方では15倍でも割高です)。
証券投資との比較
実は、この方法は株式投資の簡単な指標を応用したものです。それは株価収益率という指標で、略してPER(Price Earnings Ratio)と呼ばれています。株式で投資するのは企業ですから、企業が年間に生み出す利益と株価を比べます。その倍数がPERです。たとえば、話題のゆうちょ銀行。上場の売り出し価格は1450円でした。不動産での大家さん収入に相当するひと株当たり利益(EPS)の実績は78円(2014年3月期)でした。ゆうちょ銀行の株価は、年間利益の18.5倍で設定されたわけです(1450 ÷ 78 = 18.58)。
つまり、不動産投資の収益率の基準が20倍とされていることは、株価でいうPER20倍と同じ意味です。そして、PER20倍とは年利回りで5%を意味します(1 ÷ 20 = 0.05)。
株も不動産も目標は同じ
家賃年収の20倍が不動産投資の適正価格ということは、投資として魅力的な数字は利回り5%以上ということになります。ここで不動産投資と金融投資がつながってきます。ここがつながれば、投資の世界が分断なく全展開します。利回り5%という数字で、他の資産と比較できれば、あなたの資産力も公平に計ることができます。あなたの資産は5%以上で回っていますか。それを実現してくれる資産は、不動産だけではないことに気がつく必要があります。
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