やる気にもいろいろな種類がある
ひと言で「やる気になる」と言っても意味はいろいろ。「今日の宿題にとりかかる気持ちになる」という小さなやる気のものから「将来医者になるために毎日しっかり勉強するんだ」という大きなやる気まで、やる気にも規模があります。ただ漠然と「やる気を引き出す」と考えても焦点が絞れません。やる気を出させるにはコツがあった!
目先の計算問題を解かせるだけなら、「これが解けたらおやつをあげるよ」と言うだけでもやる気を引き出せるかもしれません。でも「おやつあげるよ」で高校受験や大学受験までがんばれる子供はいません。
最終的には親がいなくても、自ら定めた目標に向かって自ら努力ができる人になってほしいわけです。高校受験や大学受験で終わりではなくて、生涯学び続けることができる人になってもらいたいわけです。
そこで、拙著『小学生の親が高校受験のために今からすべきこと』(旺文社)から、子供の「やる気」を引き出し、伸ばすための3つのコツを紹介します。
<コツ1>目標をできるだけ小分けにする
いきなり大きな目標を掲げるのではなく、目標をできる限り細分化するということです。小さな目標ほど事後評価をしやすくなりますし、達成できる項目の絶対数が増えます。達成感を味わうと、脳の中の腹側被蓋野(VTA)という快感中枢が活性化し、さらに同様の快感を得ようとする動機が強まります。
どんな小さなことでも達成することは、脳に快楽をもたらしますから、大きな達成感を一つ味わうよりも小さな達成感をたくさん味わうほうが効率的なのです。
<コツ2>嫌なことこそルーティン化してしまう
楽しさを見出せない科目や苦手な科目を前にすると、どうしてもやる気が出てこないということは誰でも経験があるでしょう。でもそういう科目こそ、ルーティン化してしまえば精神的な負担が減らせます。最初は嫌でしょうがなかった歯磨きでも、毎日続けることで習慣化され、苦痛でなくなるのと同じです。
一般的に「継続する力」というと気合いを入れてがんばって続けるイメージがありますが、実はいかにがんばらずに続けられるしくみをつくるかということのほうが重要なのです。
嫌いな科目に取りかかるために精神力を総動員するのはもったいない。そういうものこそルーティン化してしまい、本当に力を入れるポイントでこそパッと力を出し切れるようにしておくほうが賢いということです。
<コツ3>やり始めればやる気はあとから付いてくる
日々いろいろなことがあります。快感のサイクルが途絶えてしまうこともあるでしょう。ルーティンが当たり前には思えなくなってしまうこともあるでしょう。そんなときでもやる気が湧いてくる、超簡単な方法があります。
一般には楽しいから笑う、悲しいから泣く、つまり感情が表情をつくると考えられがちですが、実は脳には入力よりも出力を重視する傾向があります。だから人間は、無理矢理でも笑顔をつくると楽しくなってしまいます。ガッツポーズをすればそれだけでもちょっとやる気が出ます。
つまり、体が脳を活性化させるスイッチになっているのです。だから、なかなかやる気が出ないときは、とりあえずやってみることが大事です。作業を始めることによって脳が興奮してくるのです。この現象を「作業興奮」といいます。
つまり、やり始めればやる気はあとからついてくるということです。
「子供のやる気を引き出すため」なんて書きましたけど、これ、自分自身にも是非活用してみてください。
関連書籍
『小学生の親が高校受験のために今からすべきこと』
おおたとしまさ著、旺文社、1200円(税別)
あえて中学受験をしないという選択をした場合、小学生のうちに何をしておけばいいのか。親の心得を解説する。